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哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

今敏『パプリカ』

2007-08-29 | アニメ
パプリカ

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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 筒井康隆原作、今敏監督『パプリカ』を見た。今敏監督と言えば、現実と虚構の入り交じった映画を作り続けている人だから、夢が現実を浸食する『パプリカ』はまさにうってつけの題材である。まあ僕も初監督作の『パーフェクトブルー』からファンなので、映画公開当時には劇場に観に行こうかと思っていたのだが、当時映画観に行くのもめんどくさくなって、しかも林原めぐみが怖くて観に行かなかったのである。
 ちなみに『パプリカ』は1時間半の映画のために、小説の設定をかなり簡略化して話を作っている。そのことによる話の分かりにくさは特にない。実は小説版もだいぶ前に読んでいるのだが、僕は夢がインフレして現実を浸食していくシーンで、実際にはあり得ないことが起こっているのが納得できなかった。

 精神医療の研究の進展の中で、時田という天才エンジニアにより、カウンセラーがクライアントの夢を見ることの出来る装置が開発された。千葉敦子はまだ開発中のこの装置を使い、パプリカというもう一つの人格で独自に精神療法を行っていた。しかし、ある日時田の油断で三つの装置が盗まれ、悪用されてしまう。アクセス制限をつけられず暴走する装置により、夢はやがて現実を浸食していく。

 まあ、まずは声優がすごい。林原めぐみ、大塚明夫、山寺宏一、古谷徹、なぜか江守徹(『東京ゴッドファーザー』にも出ていた)とすごいメンバーがそろっている。古谷さんなんか、オタク的キャラクターを演じていることもあり、ほとんどアムロ。それで、「ヒムロヒムロ」と同僚の名を言うのだから、笑える。林原めぐみの一人二役は、さすがと言ったところか。ただ、林原さんはもはや声優の演技を評価される側ではなく、評価する側に回ってしまっていることから、出てきてもあんまり嬉しくないんだよなあ。
 話は分かたれた人格の統合や、恋愛話、権力話、妄想話といろいろ魅力がある。でもシナリオで特に良かったのは、精神病のナンセンスな言語を再現した言葉使い。作中で、夢に感染した人々が、ナンセンスな言葉を連呼し、異様さを際だたせるのだが、そのセンスが最高。原作にも同様のシーンがあったが、それをそのまま持ってきたのだろうか。
 映像もさすが今敏監督でこっており、原作で納得しにくかったところも、映像の力でうまく通していたと思う。
 総合的に見れば実に良くできているのだが、これまで今敏監督の映画を観てきた人からすると、期待したほどのサプライズはないかもしれない。さて、次回作で今敏監督は何をやってくれるだろうか。

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今週の『School Days』

2007-08-29 | アニメ
『School Days』第9話「後夜祭」
 というか今週の言葉様。もはや主人公は伊藤誠ではなくて、誠の浮気に悩む彼女(もはや自称)の言葉様じゃないかと思う。実際、感情移入しがたい誠よりも、言葉様にみんな感情移入して見ていると思うのだが。ところで、たまたまwikipediaでスクールデイズの項を見ていて気づいたのだが、言葉様バスト102cm。見つけた瞬間目が点になった。102?(みんなで連呼だ)いわゆるヤリゲーのバカ設定でしか、なかなか見られない数値である。100点満点のテストの上限すら超えている。とにかく102なのである(しつこい)。
 今回は加藤乙女のアタックが誠を落とし、しかも乙女にハッパをかけられた泰介が言葉様を襲いそうな予感。いろんな方向から追い詰められる言葉様。しかし、とりあえずの勝利者は、恋人お披露目的なニュアンスがあるらしい、後夜祭のダンスを誠と踊った世界様。誠ビジョンでは、世界(正妻)、乙女(最近できた愛人)、刹那(ちびっちょ)、言葉(元カノ現ストーカー)、心(将来が楽しみ、じゅるる)くらいか。伊藤誠死すべし。

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クエンティン・タランティーノ『ジャッキー・ブラウン』

2007-08-28 | アニメ
ジャッキー・ブラウン

東芝デジタルフロンティア

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 僕は『KILL BILL vol.1』でクエンティン・タランティーノに入ったが、同じようにしてタランティーノに入った多くの人は、『vol.2』でがっくりきただろう。『vol.1』を観て『vol.2』にも、と期待したものがなかったからだ。そんなタランティーノだが、昔の映画もなかなかイケてる。今回は犯罪サスペンス『ジャッキー・ブラウン』。

 ジャッキー・ブラウンは黒人中年女性のフライト・アテンダント(×スチュワーデス)だが、16年に一度逮捕されて大手の航空会社を解雇され、今は「最低の」航空会社につとめ、銃の密売人の金の運び屋をしながら細々と暮らしている。そんな彼女だが、ある日密売人の手下が捕まったことで、彼女も逮捕されてしまう。そこで彼女は一計を案じ、警察と取引をして銃の密売人の逮捕に協力するふりをし、密売人には警察を出し抜いて、外国にあずけた資金を引き揚げようと持ちかける。しかし、彼女が本当に狙っていたのは、警察も密売人も出し抜き、密売人の金を横取りすることだった。今、さまざまな思惑が交錯しながら、50万ドルの資金が運ばれていく。

 かように『ジャッキー・ブラウン』は黒人中年女性という、まあ世間的にはあまりぱっとしない人物が、一計を案じて大金をごっそりいただくという、痛快な話だ。随所に、タランティーノらしいB級ぽさや、過去の映画のオマージュ(後半でジャッキーが、ポーズをつけ口上を述べながら銃を早抜きする練習をするシーンは、『タクシードライバー』のオマージュだろう)にあふれ、作中に流れる歌曲もノリがよく、雰囲気を盛り上げている。サミュエル・L・ジャクソン演じる密売屋やロバート・デ・ニーロ演じる密売屋の相棒もいかにもな感じで、作品を引き立てている。いろいろな意味で、なかなかイカした映画。ただ、犯罪映画とはいえ、キレた人物がいきなり銃を抜いてドカンとするのは、国柄というところだろうか。暴力に耐性のない人にはお勧めしない。

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今週の『もえたん』と『らき☆すた』

2007-08-28 | アニメ
『もえたん』第8話「トラブル」
 今回も檜山ネタ、『08小隊』は熱かった。「こいつは…エースだ!」はサンダース軍曹のセリフだが。
 それで今回は、今まであまり目立たなかったいんくの友達二人のエピソードだったが、それ以上に「前隠し」が目立つ。面白かったのはダンディと先生の回想シーンが、古いアニメ調で表現されていて、わりと完成度が高かったこと。ただ、パロディネタとなると、ガンダムネタが多くて、あまり芸がないなあと思わなくもない。

『らき☆すた』第21話
 今回はかがみに萌える回だったのか? たぶんそうなのだろう。というか、京アニ、自分の会社を「聖地」とかいってアニメに出すなよ。こういうつっこみも、制作者たちの思惑のうちなのだろうが。それに、観鈴ちんもどきがいたり、往人役の小野大輔さんが「らっきー☆ちゃんねる」に出たりと、『AIR』ネタも満載。京アニはあと十年は京アニ自身で食ってけそうな気がする。
 「らっきー☆ちゃんねる」ではついに白石みのるが切れていたが、あそこで切れたら負けだよなあと感想はなきにしもあらず。笑えるわけでもないし。まさか、視聴者は白石みのるに感情移入せよということなのだろうか。まさか。

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今週の『瀬戸の花嫁』

2007-08-27 | アニメ
『瀬戸の花嫁』第21話「恋のからさわぎ」
 うかつにも前回、前々回と寝てしまって二週連続で『瀬戸の花嫁』を見逃してしまった。僕的には今クールで一番面白いアニメなので無念。
 今回も、ルナの黒っぷりに癒されますな(本気)。野川さくらはさすがに歌では桃井はるこには勝てないが、演技力では圧倒している。ルナは二番目のヒロインの割には登場しない回があったりと画面に出る量は少ないが、それでも出てくれば野川さくらさんがピリリとしめてくれる。素晴らしい。
 今回は、まあ永澄が惚れ薬を飲むエピソードだったけど、「理想」の永澄を見たヒロインたちの壊れっぷりがいい。それにしても、バンカラタイプ(というのか)を理想にしているヒロインが多いのは作品柄。対して、廻さんは『太陽にほえろ』みたいなタイプかと思えば、ショタですか。田中ロミオ先生はロリコンは犯罪だと(苦しみながら)連呼していたけれど、ショタコンは犯罪ではないですか?
 あとは、「イエス!アマゾネス!」。あれはあれで、一種の超展開。わけがわからんながら、爆笑した。週末に(あるいは週のはじめだが)こういうアニメを見られると、来週もがんばろうという気になる。まだ夏休みだが。

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今週の『アイドルマスターXenoglossia』

2007-08-26 | アニメ
 最近映画のレビューばかりしていたら、ページビュー数が半減。やっぱり週間アニメレビューが、割と人を集めやすいらしい。まあ、映画レビューが自分で読み直してもあんまり面白くないので、わからんでもない。

『アイドルマスターXenoglossia』第21話「最後の・プリン」
 前回「最後の・プリン」という次回予告をされて、なんじゃそりゃと思ったが、いざ見てみるとあまり気の利いたサブタイトルでもなかったなあと思う。そんな今回は状況整理の話。iDOL(のコア)は異星人(の作ったモノ?)でリファは人間とiDOLの融合だという。だとすれば、あずさと千早はそのプロトタイプというくらいの位置づけだろうか。iDOLが異星人かその関係だとすれば、モンデンキンドとトゥリアビータの共通の目的は予言された異星人とのコンタクトに備えるためというところだろうか。モンデンキンドは一部の人々を生き残らせる計画を進めているが、トゥリアビータは異星人との融和(というか融合)を進めている。今の姿のiDOLやリファたちミシュリンクはそのための仲介、エピメテウス・シリーズはiDOL星人(命名)たちが、地球人類に害意を持っていたときのための戦力といったところ。ロストアルテミス事件は五体のiDOLが月に墜落し、その結果月を壊してしまったというところだろうか。うーむ、推測の域はでないとはいえ、これが合っているならだいぶ見えてきた気がする。
 今回の春香は引きこもり。弥生と伊織がハッパをかけるが効果なし。前々から弥生の立ち位置を疑問に思っていたが、最後までiDOLにはからまず、最終決戦で春香が出撃する前に、「弥生ちゃん実は私iDOLに乗ってるんだ。(インベルを指さす)それであれが私の彼氏」と言って、弥生が「春香ガンバレ」と言って送り出す役に徹するのか。一方、雪歩は千早につれなくされるが、ヌービアムのパイロットに。真はやっぱりトゥリアビータに居つきそうにない。そして、千早はインベルにご満悦かと思いきや、インベルに春香の姿を見せられて立腹。どうもそのうち千早はインベルに放り出されて、最終決戦は春香&インベル対雪歩&ヌービアム、伊織&ネーブラ対真&ヒエムス、生あずさ対生千早とかになりそうな気がする。とすれば、『アイドルマスターXenoglossia』全体は、春香のお友達作りの輪の話になりそうか。そういえば、OPに出ているゴッド・インベル(仮称)はどうなるのだろう? 一度インベルが春香を助けるためか何かで全壊して、モンデンキンド・ジャパンのiDOLチームが出力やバランスの問題なんかで採用されたなかったインベルのテスト・ボディとかを引っ張り出してきて、コアを据えてできあがるとか。

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『ストロベリー・パニック』

2007-08-23 | アニメ
ストロベリー・パニック 1 通常版

メディアファクトリー

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 『ストロベリー・パニック』全26話を観た。「百合」を掲げるこのアニメだが、最初の内ははまったく正しいB級アニメだと思った。B級というのは、足りない予算や時間を一点突破的に突きつけなくてはいけない故に。しかし違った。最後まで観ると、まぎれもなく隠れた名作。20話以降の後半エピソードなんか、名エピソードが多かったし。いやあ、かなり良かった。

 設定的には、三つの名門女子校があるアストライアの丘と、そこにある三校一緒の寮、いちご寮が舞台。この三校は行事とかを一緒にやることが多いのだが、特にエトワールという三校の生徒から選ばれる、スター(エトワールはフランス語で「星」)が存在していること。話は、蒼井渚砂がミアトル女学院に編入(中高一貫校の高等部に入学)するところから始まる。

 形式的な設定は以上の通りだが、なんといっても特徴的なのは「百合」。しかも、ヘタなエロゲーのアニメ化より、よっぽどエロい。ある意味、後半の絡みなんかショックを受けたほど。それに、普通の萌えアニメだと、恋愛関係が主人公に対する一極集中的だが、このアニメは「百合」なので、割と同時多発的である。この違いが人間関係に微妙さをもたせていて、なかなかドラマチックな雰囲気になっていた。
 シナリオは、構成を務めている人の脚本の回を中心になかなか良いものがあったのだが、一方で作画はツラい。時々、かなり酷い画もある。キャラクターデザインが良いだけに、崩れると目も当てられない。といっても、キャラをロングショットで撮っているときには力を抜いて、アップの時にはそれなりの画を当てているので、普通に観る分にはそこまで気になることはないと思う。それに作画の足りない部分を有名な人ばかりの声優さんたちが補って余りある。生天目仁美さんなんか、性格はああだが(笑)、時々すごみのある演技をするからなあ。個人的には16話「舞台裏」19話「リフレイン」22話「決闘」あたりのエピソードがお気に入り。キャラは、源千華留お姉様。実は、この人が最強最高最優秀賞で影の主役で最大の貢献者。終盤の展開ではストーリーを壊さないための抑えの守護神。逆に、主人公の蒼井渚砂がメインキャラのなかでは一番面白くなかったのは残念。まあ、萌えアニメの主人公みたいに、薬にも毒にもならないキャラではいけないので、仕方のないところではあるか。作中の悪役を一手に引き受けている要や桃実とかも、最後まで観ると、良いキャラだったなあと思うし。
 玉青とか夜々とか報われずかわいそうだった。僕は、こういう百合の負け組に感情移入していたので、終盤とかちょっと切なかった。言っててキモいが。劇中では結ばれなかった渚砂×玉青や光莉×夜々のカップルは、ゲーム版をやって補完して下さいというのが、制作者側の要望だろうが、ゲーム版は紹介見ただけでも、微妙な感じである。
 あと細かいところだが、効果音とか演出が妙に古いことが多い。

 このアニメが作品的には成功したのは、やっぱり声優さんによるところが大きいと思う。しかも声優さんの演技というだけじゃなくて、声優さん同士の関係性が担保になっている。たとえば、生天目さんなんかプレイガールの役を演じているが、ちょっと声優さんのことを知っている人なら、他の女性声優の胸をもんで回ってるんだろうなあと容易に想像がつくわけである(プレイガールというより親父だが…)。光莉役の松来未佑さんなんか百合声優とか呼ばれているし、声優さん同士のコミュニティがそもそも百合的なのだ。そのほか、主役の中原麻衣さんと清水愛さんがEDで直接出て踊って(?)歌っているが、中原さんと清水さんの仲の良さを知っている視聴者やアイドル声優のことを分かっているファンでなければ、ワケが分からんわけである。そういうとこで、ワケの分かる人だけをディープにすくっていくというのが、この作品の成功の秘訣ではないかと思う。自分で言ってて、分かってる俺ってヤベェと思うが。

 というわけで、かなり玄人でなければわからないアニメだと思うが、分かる人はかなり楽しめると思う。そもそもこれだけ恋愛関係の機微を描いたアニメって、ここ最近なかったと思うし。
 振り返って思い直せば、アストライアの学園て、世俗の汚さを避けてきた良家のお嬢様が多いという設定だが、逆に、また別の危なさがあるのではないかと思う。果たして、劇中で結ばれてしまった百合カップルたちはどうなっていくのか。非常に気になるところである。個人的には、千華留お姉様が新任教師として赴任してきたところから始まる続編を希望。

 余談だが、この作品のファンのことを、制作者サイドは(もちろん男のオタクが多いわけだが)「妹たち」と呼んでいた。これは、なかなか示唆的だ。というのは、やっぱり、男がこの作品に感情移入するのは、第三者的に見てかなりキツい。実はこの作品、かなりの試練を視聴者に課しているのではないだろうか。

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今週の『School Days』あるいは今週の言葉様

2007-08-22 | アニメ
『School Days』第8話「学祭」
 刹那って『School Days』の唯一の良心とかって言われているけれど、改めてアニメ版見てみると言葉に冷たいじゃんとか思っていたが、まあ彼女の基本原理は世界のためということで、やっぱりこの話のなかではマシかなと思った。僕は微妙に黒田派なのだが、自分のマイナー具合に驚いたりしている。
 まあ、お化け屋敷の「休憩室」とか、ますます『スクデイ』らしいエグイものが出てきている。そんな中で、僕は『スクデイ』は一応プレイしたのだが、途中でめんどくさくなって噂のエンディングだけやって売ったので、あまり確かなことは言えないのだが、どうやらアニメ版の独自展開らしい、刹那が誠にキスするのを言葉が目撃するというシーンで終わる。刹那は、それだけであっさり引く(というかフランスに引っ越す)つもりのはずだが、四角(五角?)関係に発展するのか。そして、ついに誠に対し最強の武器を使って迫りだした言葉様はこのまま身をやつしてしまうのか。どう考えても、誠はハマって良いタイプの男ではないが、言葉様の境遇を見れば、仕方ないのかなあとも。言葉様に幸あれ。

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今週の『アイドルマスターXenoglossia』と『ひぐらしのなく頃に解』

2007-08-19 | アニメ
『アイドルマスターXenoglossia』第20話「かえりみち」

 空元気を振り回す春香に、みんなが辟易していたが、事情を知らない弥生はともかく、親友に裏切られ、相棒(恋人?)を失ったのだから、モンデンキンドのスタッフはもう少しやさしく接してあげてもいいような気がするのだが、冷たすぎないだろうか。カワイソス。まあ、泣くに泣けなかったのが、最後になってようやく泣けるようになったということでは、ちょっと良いエピソードだったとは思う。
 そして前回は顔見せ程度だった真美が遅まきながらの登場。これでようやく役者が揃いましたな。ジョセフさんは何かをたくらんでいるようだし、真も完全にトゥリアビータに居ついているわけではなく、あずささんさえその気なら(笑)何かの拍子に帰ってくることもありそう。一方で、OPが微妙に変更されて雪歩がトゥリアビータの戦闘服を着ている辺り、最後までトゥリアビータにいて、飼い主(!)の千早に付き添って春香と敵対するのだろうか。だとすれば、強化インベルは、自らの意思で春香のもとに帰ってくるか、真あたりが一枚噛むのかもしれない。ところで、インベルの塗り合いは誰が勝利するのか。
 しかし今回最大の謎は、あまり出番のない整備員さんにちょっとスポットがあたって、「あれ、これ誰で、誰が演じているんだっけ?」ということだった。整備員さんに愛の手を。

『ひぐらしのなく頃に解』第6話「皆殺し編 其の壱 迷路の法則」
 なんか、実写映画の製作も決まったと言うことで、絶好調の『ひぐらしのなく頃に解』である。まあ、ホラー映画は日本映画のお家芸になっているが、『ひぐなく』が実写映画に向いているかというと、怪しいと思うのだが。
 そんなことはともかく、『ひぐなく解』である。主人公、というか視点が圭一から梨花に代わったおかげで雰囲気がちょっとかわり、なんだかよくわからんままだった前作よりも全体的としてアニメとして締まっているように思う。OPとEDも良い感じだしね。しかし、梨花ちゃんあんな性格だったんだ…。同じ田村さんが演じる『アイマスゼノ』の伊織の熱血キャラと比べると、厭世度が引き立って見える。そして、羽入の堀江さんというキャスティングも、よく狙ったもんだよなあと感心。
 梨花ちゃんは主観時間で、何百年分もあの6月を繰り返し、そのたびに惨殺されているらしいが、さすがにそれは発狂したり自殺したり(もっとも自殺もむなしいのだろうが)しそうなものだ。しかも、誰がどのタイミングで何をやっているのかをすべて知っていて、何をやってもリセットされてしまうなら、梨花ちゃんには、他の人々が全員、まるで自由意志がないかのような、ロボットに見えてしまうのじゃないだろうか。シチュエーションとしては、絶望のその先まで行っている。
 で、考えた。性質上鬼畜系限定になってしまうが、ある主人公が梨花ちゃんと同じようなシチュエーションに放り込まれてしまう不条理系アドベンチャーゲーム。最初は、普通の男の子だった主人公が、ループする日々の単調さと、何をしてもリセットされてしまう空しさから次第に行動が過激になっていってしまう。ループする日々を利用し、周りの人々の弱みを握って操り、結果の分かった競馬か何かでお金を稼ぎ、その他いろいろやって酒池肉林の生活を送る。しかしその生活もやはりリセットされるものであり、繰り返していくうちに次第に空しくなっていき、最後になんかする、とかいう話。
 とか考えてみたものの、『CROSS†CHANNEL』とか『All You Need is Kill』と似てくるな。この設定を生かすとすれば、主人公に仲直りとか脱出とかいう目的を設定せず、ループする日々を(永劫回帰じゃないが)いかに享受するかということに主題を集中する必要がある。というわけで、まあ察して欲しいのだが、この設定を面白くするには鬼畜系ジャンルにならざるを得ないのである(何をやっても、あとにはチャラになるから)。かく言う僕も別に鬼畜系ジャンルが好きなわけではないが(例外はTacticsの『MOON』くらいか)、作れば面白くなりそう。誰か作ってくれないかなあ。

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今週の『スカイガールズ』

2007-08-17 | アニメ
『スカイガールズ』第7話「命名、スカイガールズ!」

 正直なところ、タルい話が続く『スカイガールズ』である。せっかく2クールあるんだから序盤で登場人物の紹介的なエピソードや、出会って間もない登場人物たちの関係性を描くエピソードをしっかりやればいいと思うのだが、どうも美少女を垂れ流しているようなエピソードが続く。言ってみれば、世界観とか登場人物の境遇とか望みとかもうちょっと「説明」してほしいことが多い。アメリカとか中国とかどうなってるんだろう。
 今回はソニックダイバーのお披露目イベントの話。僕は行ったことないけど、戦闘機とかがアクロバット飛行を見せてくれるようなイベントです。そこでソニックダイバーのお披露目をしようというのだが、ビックなんとかという他の新兵器のお披露目に邪魔されて、あまり時間が取れなくなる。また折りしも集中豪雨か何かでがけ崩れが起こり取り残された人がいて、しかも災害救助用のヘリコプターが不調という、どんな厄日だ的なシチュエーションに遭遇し、ソニックダイバー隊が災害救助に出動し、結果として最高のお披露目になり、スカイガールズという愛称をもらってしまうという話。開発中の最新鋭兵器に災害救助してもらうというのも、なかなか怖いシチュエーションだと思うが、つっこんじゃいけないのだろう、たぶん。カレンの「お兄様」が来ない(=顔を見せない)のもお約束。なぜなら、お兄様は視聴者の皆さんだからです。ひょっとしたら、いづれお兄様が登場し、物語の重要な役を担う…ということはないだろうな。多分、最終回にカレンがお兄様と再会があり、木陰から白シャツ+スラックスを覗かせ、もちろん顔は逆光で見えないのではないか、というところまで想像してしまう。とにかく黙っておんにゃのこを見るアニメである。

 次回は、恒例の温泉話。いや今回も入浴シーンあったじゃん、というつっこみはナシの方向で。

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今週の『スカイガールズ』と『アイドルマスターXenoglossia』

2007-08-12 | アニメ
『スカイガールズ』第6話「七恵の秘密」
 堀江さんの演じるオペレーターはみんな巨乳ですか、という話。素朴な話、女の子は(もちろん話のネタとしてはあるが)大きいとか小さいとかそんなに気にするのだろうか。そんなことよりも、とりあえずやせろよと心中ツッコミをすることが結構あるのだ。しかし、一度貧乳の話をして、女の子を怒らせて帰らせたことがあるので、やっぱり気にする人は気にするのだろう。このときほど、自分がフェミニズムから遠いと思ったことはなかった。
 まあ、そんな与太はともかく、本格的にワームの復活が始まっているらしい。始まっているなら始まっているで、暢気に兵器開発している場合でもないのだろうが、そんな突っ込みは無用のものかもしれない。だって、突っ込んでいたら、きりがないし。


『アイドルマスターXenoglossia』第19話「サヨナラ」
 早々に春香がリタイアし、ちょっと復活した伊織とテンペスターズ&真美の話。というか、もう一人の巨乳オペレーターこと雪歩があっさりヌービアムにのっているのだけど、良いのだろうか? まあ雪歩がアイドルマスターから落とされたのは、純粋にインベルに乗れなかったからだから、他のiDOLに乗れば動かせる可能性はある、ということか。どうもiDOLとアイドルマスターの相性は、よくある遺伝子がどうとか体重がどうとか、超能力(念動力)がどうとかというものではなく、iDOLとアイドルマスターの共通の思い出によって決まるらしい。だから、インベルとそれまで面識のなかった雪歩はインベルに乗れず、それ以前にトゥリアビータにいたためヌービアムとは面識があったから乗れた、ということなのだろう。
 一方で、なんだかかっこよく現れ、強いぽかったテンペスターズが衛星からの砲撃を受け止め、機体は大破。これでモンデンキンド、トゥリアビータともiDOLが損傷し、一時休戦といったところか。真美とテンペスターズがそれまでいたところ(異空間?)にも、何かあるのだろうか。
 それにしてもなんと言っても、伊織とネーブラに腕を組ませて「努力と根性!」と言わせてみたいのは、僕だけではないと思う。

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今週の『アイドルマスターXenoglossia』

2007-08-05 | アニメ
『アイドルマスターXenoglossia』第17話「夜」

 トゥリアビータの大逆襲な話。なんか、島ごと襲撃して亜美を拉致してインベルとネーブラを要求するよりも、雪歩の手引きで春香と伊織を拉致して誰も動かせないインベルとネーブラを輸送させたほうが要求を無視される可能性自体は低い気もしなくはないが。今回のトゥリアビータの作戦は、戦略的には明らかに無視される要求を、雪歩をとおしてモンデンキンドの一枚岩でなさを突くことで完成をみるということでこれはこれでいいよか。それにしても、朔ぴょん見事に出し抜かれているの。モンデンキンドの施設に入った人間のゲートチェックで雪歩の入場をチェックできそうなものだが、それも解除されていたというのだろうか。あるいは、身内のオペレーターに知られていないために、そういう設定をまだしていなかったとか。まあいずれにせよ、今回は完全に朔ぴょんのミス。
 トゥリアビータに寝返った真&ヒエムスは強く、伊織&ネーブラは早々にダウン。ヒエムスは銃火器を直接装備しているから、一応隕石除去用に作られたインベルやネーブラに比べ、iDOL同士の戦闘用に作られているのだろう。インベルらとはかなりデザインが違うから、純粋にトゥリアビータ側で作られたiDOLとして差異化されているよう。なんか『∀ガンダム』のマヒローを連想させるようなデザインだ。しかし、朔ぴょんに併せデコちゃんも今回いいとこなしだなあ。
 次回は、亜美のピンチに目覚めた真美&テンペスターズが駆けつけ、最悪の事態はさけられつつ、インベルは奪われる、かな。それでインベルはトゥリアビータで改修されるが、次々(々)回くらいで千早とトゥリアビータに裏切られた雪歩が自分のiDOL始動キーを使ってインベルを奪取し、モンデンキンドと春香のもとに帰ってくるとか予想してみる。

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『デッドガールズ』

2007-08-05 | アニメ
デッド ガールズ

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント

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「♪いつもーそこにー、いるー、ガール、ズー」

 OVAの発売に先駆けて配信されていた『デッドガールズ』を見た。正直なところ、こりゃ困ったな。『デッドガールズ』は『RED GARDEN(レッドガーデン)』の数百年後のNYを舞台にした、『RED GARDEN』の後日譚にして番外編というかたちの話。

 『RED GARDEN』の最終回で不老不死のままそれまでの記憶を失ったケイト、ローズ、レイチェル、クレアは夜は賞金稼ぎ、昼はハイスクールの学生として各地を転々としながら生き、現在は彼女たちが目覚めた、現在はレッドガーデンと呼ばれているルーズベルト島の近くに暮らしていた。そんな退屈なある日、エドガーとルイーズという奇妙な転校生が現れる。ルイーズは彼女たちに「友達になりましょう」と持ちかけてくるが…。

 ケイトたちは『RED』の主人公たちが記憶を失ってそのまま生きている(長生きの退屈さを紛らわすために、性格を意識的に変えて振舞っていたりする)のだが、他のエドガーやルイーズは、キャラクターこそ同じものの、全くの別人という設定のようだ。ちょうど『舞-HiME』に対する『舞-乙HiME』の位置づけににているかもしれない。
 ビジュアルについては、『RED』のイメージを引き継いでいるが、シナリオについては、ロボットやメカとかアクションが多く、『RED』の心理劇的なところは受け継いでいない。作画のクオリティは、TVアニメとしてもそこそこだった『RED』と同レベルというところだが、未来のプロダクトや都市、ファッションというデザインはさすがの一言。あとは、ケイトが作詞作曲したという設定の、電波ソング…。『RED GARDEN』が好きな人のための、ちょっとぶっとんだ二次創作的作品というところだろうか。教訓は、金と寿命と能力があっても、わりと退屈なもんだというところだろうか。

「永遠なんてないわ。私たちだって明日には一緒にいないかもしれない」
「けど今日は一緒にいる。それの繰り返し」
「百年後には、あなたとお友達になってるかもしれない」
「そうね。気軽にやろうよ」

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今週の『スカイガールズ』

2007-08-04 | アニメ
『スカイガールズ』第5話「よろしく!ゼロ」
 ビジュアルはともかく、これまで恐ろしく普通の話を続けてきて、今回ようやくちょっと話が動いたかなというところだ。このアニメは多分2クールやると思うのだけど、1クール目は隊員同士の交流を描いたりして萌えアニメっぽくしておいて、2クールがはじまるくらいから本格的に事件がはじまるのではないかと思う。
 それにしても戦闘機の延長みたいな兵器で、日本刀振るうっていうのは、明らかにアニメ的な発想だよなあ。敵を斬るたび、ほぼ無慣性状態からの加速を繰り返すというのはおそろしく不効率。ソニックダイバーの軽量化を推し進め機動力を増したという設定からすれば、フォローできないこともないが。あれ? ゼロの後ろにインベルさんの影が見えるw。

 まあそんなことはともかく、このアニメでコナミが売り込みたいところで、もっといえばこのアニメの成否に関わるのは後藤沙緒里ではないだろうか。主役の三人、川澄綾子、後藤沙緒里、伊藤静という配役はOVAのキャストのもちこしでもあろうが、押しも押されもしないヒロイン声優である(裏番組も川澄綾子がヒロインだ。『スカイガールズ』でも悔しいくらいいい演技をしている)川澄綾子と『ToHeart2』の環役でブレイクし、最近人気急上昇の伊藤静はともかく、後藤沙緒里とは何者か。
 現在ますます一部の声優のアイドル化が進み、角川書店の平野綾とかAvexの喜多村英梨とかスターチャイルドの水樹奈々や堀江由衣とかLantisの小清水亜美(?)とか(LantisとGENEONは歌手が多いので、強力にアイドル化することは少ないようだ)、まあ演技も出来て歌を歌えてしかもそれなりにかわいい(ちょっと失礼だな)声優を、一種のアイドルとして売り込むのが盛んだ。なのに、コナミはこの前田村ゆかりを手放してしまい、今有力なアイドル声優を抱えこむことができないでいる。そこで『スカイガールズ』の前番組『Saint October』では若手の声優三人を配し、アニメ・ヒロインのコスプレをさせてCMに出して歌わせたりもしたが、そこまで成功したようでもなく、アニメ自体は演技の足元が危うかったと思う。
 そこで『スカイガールズ』では、二人の実力の定着した声優の間に若手の後藤沙緒里を立たせ、鍛えながらアイドル声優として売り込んでいくのではないかと思う。実際、EDテーマ(悪いが、かなり下手だと思う…)とインターネット・ラジオのパーソナリティは後藤沙緒里がやっているし。
 とまあそんなことを考えているのだが、果たしてアニメの配役オーディションて、どれだけそういう販売戦略的な選び方をしているのだろう。気になるところだ。川澄綾子さんなんかは、声優としての実力とキャリアはすごいところだが、イベント向きの性格や、歌唱力には優れないみたいだが…。まあでも、しばらくはアニメ業界は声優を売っていかないことには、やっていけないというのは確かなことだと思う。南無三。

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『新ゲッターロボ』

2007-08-02 | アニメ
新ゲッターロボ(1)

バンダイビジュアル

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 OVA『新ゲッターロボ』13話を観た。これは、原作のバイオレンス(で微妙にエロティック)なテイストを押し出して、鬼と闘う話。ただ、途中平安時代の平安京に時間移動したりとか、超展開しばしば。

 全体的にはおもしろかったのだが、やっぱり『真ゲッターロボ 世界最後の日』には及ばないか。さらに、結構グロいところもあるので、人によっては受け付けないかも。主人公三人の性格もエキセントリックで、隼人など初出のエピソードでは麻薬中毒者のような奇怪な声をあげまくっていた。でもまあ、原作への忠実度という言う意味では、この作品のテイストが一番正しいのかもしれない。恐ろしいことだが。

 登場する主役機は「新ゲッター」ことゲッターロボだけ。ゲッター炉の改良こそあれ、乗り換えはい。そのため、最強の攻撃は最後までゲッタービーム。考えようによってはかなり地味だ。

 気になったのは、このアニメで繰り返し提示された謎がはっきりしないというか、すべて「ゲッター線」のなせるわざという話にしかならないこと。これはこれで原作に忠実なのかもしれないが、ちょっとなあ。

 じゃあこのアニメのポイントは何かというと、「鬼」を出してきたこともあり、ゲッター線の「地獄」を描いたことだろう。後半に、竜馬がある世界に飛ばされることがあったが、それはまさに永井豪・石川賢的地獄絵図。怖いもの見たさでみるアニメかもしれない。 

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