※この小説はOAV戦闘妖精雪風を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
additional Air (35)
あれから一週間が過ぎ如月(きさらぎ)は、主治医の診断を受けて明日には退院の許可がおりた。退院しても一ヶ月は養生(ようじょう)し、一ヶ月後に主治医が判断して現場復帰する予定。
ブッカーと深井は新開発された配備される雪風の調整をして居る。テストフライトをする為に。そして、フェアリィ星への帰還(きかん)の準備に追われる。
地下整備場。
配備された雪風の操縦席に乗り込む。
深井とブッカーは雪風の微調整をして居る。深井はグレーの整備服のつなぎに安全靴。
雪風が何度もどんなに生まれ変わろうと、雪風と深井の関係は何一つ変わらない。
「雪風。」
ノーズの尖端(せんたん)に白で雪風とブッカーがペイントした。
雪風から降りてタラップの上に居るとサイファーがやって来た。
「やあ。深井大尉殿。」
「あんたか。」
深井は厄介な奴が来たと思った。相変わらず全身は黒づくめ。死顔の鎌(かま)でも持たせたら似合いそうな気がする。サイファーの経歴は戦闘機のドライバーで大変優秀だったと。生き延びたこそ、今の職に就いたと言える。
「雪風はどうです??」
「乗り心地か??」
「彼女の精神状態を聞いただけです。Sister-clariceが心配して居るもので。」
「あんだけ酷(ひど)い思いをしたんだ。ショックだろ。実の姉に墜落(ついらく)させられたのだから。」
「雪風を攻撃したのではない。深井大尉殿、貴方(あなた)に攻撃を放っただけだ。それを勘違いしないで貰いたい。妹の仇(かたき)を取りたかったと。私はaliceにSister-clarice達と同様に同じコミュニケーションシステムをインストールしようと準備してたが、FAFがaliceを早急に配備する様に要求して来た同時に、aliceをあっという間に連れ去って行った。」
深井はジロリとサイファーを睨む。サイファーは続けた。
「人魚姫の話しを知ってるはずだ。人魚姫は人に憧れ人と同じ様になりたくなり──────悪声の持ち主である海の魔女に望みを叶える代わりに、人魚姫の美しい声と引き換える様に言われ人と同じ足を手に入れた。そして、嵐の晩に王子を乗せた船が難破し海辺に流された。人として海辺の小屋で暮らして居た人魚姫は、王子を海辺の小屋でかいがいしく世話をするが、それを人間の姫と従者が見つけた。目覚めた王子は人魚姫との記憶がない。二人は愛し合う。姫は従者を王子の住んで居た国へ向かわせた。王様は王子の無事を喜び、その姫と結婚式を挙(あ)げると決めた。それが人魚姫の悲劇だ。」
深井は雪風を見つめ物語の結末を語り出す。
「王子は姫と一緒に船で自分の国へ帰る。人魚姫も船に乗り込んだ。その時に人魚姫の姉が海から現れナイフを差し出し、王子を葬り去る様に言う。そうすれば、海の魔女の魔法が融(と)けて元に戻れると─────── しかし、眠って居る王子にナイフを刺せず…… 人魚姫は海の沫(あわ)となり天に召された。」
深井の言葉を聞きサイファーは言う。
「アンデルセンの人魚姫はそうだ。王子はブッカー少佐、人間の姫は深井大尉殿で人魚姫は如月中尉。人魚姫の姉はSister-clarice。としょう。私が言いたいのは、人魚姫の姉であるSister-clariceは人間の姫である深井大尉殿に反撃したのだ。」
サイファーの言葉に苛立(いらだ)ち深井は声を荒げる。
「それは、あんたとSister-clariceの都合の良い屁理屈だ!! 雪風を墜落(ついらく)させておいて何を言う。」
そんな深井をただ淡々と見つめるサイファー。
「深井大尉殿、貴方(あなた)は雪風を、自分の分身であると公言してたはずだ。Sister-clariceは雪風を、深井大尉として墜落(ついらく)させた。」
深井は押し黙る。
ブッカーが深井の名前を呼びやって来た。ブッカーも同じくグレーの整備服のつなぎに安全靴。
サイファーはブッカーに敬礼する。ブッカーもサイファーに敬礼をした。
「お元気そうですね。ブッカー少佐殿。」
サイファーはブッカーを気に入ってるらしく爽やかに挨拶をした。
「えぇ。お蔭さまで。サイファー局長。」
二人のやり取りに割り込む様に深井は言う。
「髭面(ひげづら)王子。」
「あっ??」
「あんたが王子様だなんてな。王様がお似合いだ。顎(あご)の髭(ひげ)だいぶ伸びたな。」
「何がだ、零??」
二人のやり取りにサイファーは笑いを噛み殺す。
雪風の隣に居るSister-clariceをサイファーは見つめ。小型端末機で暗号化し会話をした。Sister-clariceの返答は───────
聞き分けが悪い人間は苦手と言う返事だった。
additional Air the end
additional Air (35)
あれから一週間が過ぎ如月(きさらぎ)は、主治医の診断を受けて明日には退院の許可がおりた。退院しても一ヶ月は養生(ようじょう)し、一ヶ月後に主治医が判断して現場復帰する予定。
ブッカーと深井は新開発された配備される雪風の調整をして居る。テストフライトをする為に。そして、フェアリィ星への帰還(きかん)の準備に追われる。
地下整備場。
配備された雪風の操縦席に乗り込む。
深井とブッカーは雪風の微調整をして居る。深井はグレーの整備服のつなぎに安全靴。
雪風が何度もどんなに生まれ変わろうと、雪風と深井の関係は何一つ変わらない。
「雪風。」
ノーズの尖端(せんたん)に白で雪風とブッカーがペイントした。
雪風から降りてタラップの上に居るとサイファーがやって来た。
「やあ。深井大尉殿。」
「あんたか。」
深井は厄介な奴が来たと思った。相変わらず全身は黒づくめ。死顔の鎌(かま)でも持たせたら似合いそうな気がする。サイファーの経歴は戦闘機のドライバーで大変優秀だったと。生き延びたこそ、今の職に就いたと言える。
「雪風はどうです??」
「乗り心地か??」
「彼女の精神状態を聞いただけです。Sister-clariceが心配して居るもので。」
「あんだけ酷(ひど)い思いをしたんだ。ショックだろ。実の姉に墜落(ついらく)させられたのだから。」
「雪風を攻撃したのではない。深井大尉殿、貴方(あなた)に攻撃を放っただけだ。それを勘違いしないで貰いたい。妹の仇(かたき)を取りたかったと。私はaliceにSister-clarice達と同様に同じコミュニケーションシステムをインストールしようと準備してたが、FAFがaliceを早急に配備する様に要求して来た同時に、aliceをあっという間に連れ去って行った。」
深井はジロリとサイファーを睨む。サイファーは続けた。
「人魚姫の話しを知ってるはずだ。人魚姫は人に憧れ人と同じ様になりたくなり──────悪声の持ち主である海の魔女に望みを叶える代わりに、人魚姫の美しい声と引き換える様に言われ人と同じ足を手に入れた。そして、嵐の晩に王子を乗せた船が難破し海辺に流された。人として海辺の小屋で暮らして居た人魚姫は、王子を海辺の小屋でかいがいしく世話をするが、それを人間の姫と従者が見つけた。目覚めた王子は人魚姫との記憶がない。二人は愛し合う。姫は従者を王子の住んで居た国へ向かわせた。王様は王子の無事を喜び、その姫と結婚式を挙(あ)げると決めた。それが人魚姫の悲劇だ。」
深井は雪風を見つめ物語の結末を語り出す。
「王子は姫と一緒に船で自分の国へ帰る。人魚姫も船に乗り込んだ。その時に人魚姫の姉が海から現れナイフを差し出し、王子を葬り去る様に言う。そうすれば、海の魔女の魔法が融(と)けて元に戻れると─────── しかし、眠って居る王子にナイフを刺せず…… 人魚姫は海の沫(あわ)となり天に召された。」
深井の言葉を聞きサイファーは言う。
「アンデルセンの人魚姫はそうだ。王子はブッカー少佐、人間の姫は深井大尉殿で人魚姫は如月中尉。人魚姫の姉はSister-clarice。としょう。私が言いたいのは、人魚姫の姉であるSister-clariceは人間の姫である深井大尉殿に反撃したのだ。」
サイファーの言葉に苛立(いらだ)ち深井は声を荒げる。
「それは、あんたとSister-clariceの都合の良い屁理屈だ!! 雪風を墜落(ついらく)させておいて何を言う。」
そんな深井をただ淡々と見つめるサイファー。
「深井大尉殿、貴方(あなた)は雪風を、自分の分身であると公言してたはずだ。Sister-clariceは雪風を、深井大尉として墜落(ついらく)させた。」
深井は押し黙る。
ブッカーが深井の名前を呼びやって来た。ブッカーも同じくグレーの整備服のつなぎに安全靴。
サイファーはブッカーに敬礼する。ブッカーもサイファーに敬礼をした。
「お元気そうですね。ブッカー少佐殿。」
サイファーはブッカーを気に入ってるらしく爽やかに挨拶をした。
「えぇ。お蔭さまで。サイファー局長。」
二人のやり取りに割り込む様に深井は言う。
「髭面(ひげづら)王子。」
「あっ??」
「あんたが王子様だなんてな。王様がお似合いだ。顎(あご)の髭(ひげ)だいぶ伸びたな。」
「何がだ、零??」
二人のやり取りにサイファーは笑いを噛み殺す。
雪風の隣に居るSister-clariceをサイファーは見つめ。小型端末機で暗号化し会話をした。Sister-clariceの返答は───────
聞き分けが悪い人間は苦手と言う返事だった。
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