もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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OAV結末後 戦闘妖精雪風 additional Air (33)

2011-09-30 00:11:01 | 腐女子の御伴
※この小説はOAV戦闘妖精雪風を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。




         additional Air (33)




ブッカーは如月(きさらぎ)が、入院して居る軍部医療センターに大急ぎでやって来た。

病棟のナースステーションに、寄ってから個室へ向かった。

個室のスライドドアを五回ノックした。すると如月の声がする。ブッカーは返事をし入室した。


「雪風(ゆきか)。」

ベッドの上位をギャッチアップし、上半身を起こして居た。一ヶ月ぶりに目覚めた如月を見つめブッカーは、一安心をした。

如月はブッカーを見つめ微笑(びしょう)をした。幼さの面影を残し肩にかかる髪はだいぶ伸びた。

テディベア風の中型のゴールドマロンブラウンの毛あしが短い触り心地が良いクマの縫いぐるみと、伏せのポーズをした同じく中型のシルバーグレイの毛あしが長く毛並みの良いネコの縫いぐるみを撫でて居た。

「ジャック。」

「久しぶりに目覚めた気分はどうだ??」

肌掛けを下半身にかけており、肌掛の合間から二匹の縫いぐるみがちょこっと顔を覗かせる。

「うん。身体が粉々に砕ける様な激痛を感じて、気がついたらベッドから転落してた。看護師さん達が、異変にすぐに気がついて助けに来てくれたんだ。」

「そうか。」

サイファーの言葉を信じるなら戦闘機の雪風と同化して居た人としての雪風(ゆきか)を、Sister-clariceがショック療法で引き離したのだろう。

「ねぇ、僕はこれからどうなるの??」

「そうだなぁ。零は、特殊戦 第五飛行部隊のエースドライバーとして、再び雪風と共に空を飛ぶだろう。雪風(ゆきか)は俺の、補佐官として働いて貰おうと思う。」

「ほんと??」

「あぁ、体調が落ち着いて退院許可がおりたら、遠慮なくこき使うぞ??それと、ドクターに連絡をしたら今日中に雪風(ゆきか)に面会するので迎えに来いと言われ今、日本の埼玉までドクターを迎えに向かってる。」

「零は??」

「Sister-clariceによって、撃墜(げきつい)された雪風を回収しに出掛けた。」

「やっぱり。そうなんだ。姉様は───────」

「妹である雪風を不憫(ふびん)に思った末の行動と、Sister-clariceの親であるサイファー局長が言っていた。雪風を零の分身として撃ち墜(お)としたそうだ。」

「姉様にとってサイファー局長はお兄様。兄として親密に慕っているよ。」

「零が雪風をたぶらかしたと言うし、俺は雪風(ゆきか)の心を翻弄(ほんろう)したと言われ目の敵(かたき)扱いだっさ。」

雪風は慕える存在を欲してたのだろう、だからこそ、零と言う存在にのめり込み同調(シンクロ)した。Sister-clariceにはサイファーが居た。

零の傍(かたわ)らにはブッカー。




あの日が全てを狂わせた。フェアリィ星からの全面撤退と空間通路を塞いだあの時に。




「そうだ。ずっと知りたかった。一つだけ聞きたい事がある。どうして、俺の顎(あご)髭(ひげ)を剃った??」

「怒らない??」

「あぁ。」

「あのね、顎(あご)髭(ひげ)のあるジャックが零のモノだったら、顎(あご)髭(ひげ)のないジャックを少し時間だけで良いから、僕のモノにしたかった。顎(あご)髭(ひげ)伸びたね。」

「それで、俺の顎(あご)髭(ひげ)を剃ったのか………」


ブッカーは深い溜息をついた。

たわいのない会話をして居ると、ノック音と共に個室のスライドドアが勢いよく開き零が飛び込んで来た。

「ジャック。」

服装はいつもの普段着姿の零。

「雪風の回収作業お疲れ様。」

「あぁ。雪風の機体は木(こ)っ端(ぱ)みじんだ。回収をする必要もない程だった。Sister-clariceが雪風に撃ち込んだミサイルは、新開発されたミサイルでテストを兼ねてたんだろうな。サイファーに苦情を言ってやったさ。雪風を自分の娘やSister-clariceの妹と言う割には、新開発したミサイルのテストに生贄(いけにえ)にしたと。したら、何と言った思うか??雪風を地上に無惨に墜(お)とす前に、上空で粉々にする目的だったと言いやがる。」

ベッドの横の面会者用の椅子(いす)に、腰掛けるブッカーの隣に深井は来た。

「雪風(ゆきか)。」

深井に名を呼ばれ如月はハッとし見つめる。

「誰かに似て居ると思ってたんだ。妖精の女王に似て居るんだ。ジャック、あんたの言うじい様とジャックは妖精の女王に会ったと。」

ブッカーは零の言葉を聞き唖然(あぜん)とした。

「それは、じい様と俺とエドワードしか知らなずだ。俺達三人だけの秘密で口外(こうがい)法度(はっと)のはずで、じい様の家の家族と仕える者達は誰一人知らない。」

「タイムスリップで元の世界へ戻る時に、妖精の女王が雪風を連れて現れ俺を助けてくれた。」

「俺は夢を確かに見たが、妖精の女王の顔は覚えてないなぁ。」

ブッカーは考え込む如月は零に似て居ると思うと。




additional Air (34)

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