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正しい労働経済白書

2009年06月04日 | 経済一般

城繁幸氏のブログの架空ニュースが絶妙だ。

厚生労働省が月内にも公表する2009年版の(裏)労働経済白書案の全容が3日、明らかになった。02年からの景気回復局面では、連合が既得権にしがみつき、労働市場の流動化に反対し続けたため、非正社員と正社員の格差是正が進まなかったと指摘。中高年正社員賃金の見直しや、非正規労働者との同一労働同一賃金の促進、前世紀の遺物である長期雇用システムの廃止により、雇用を創出し、知識社会に見合った人材育成を進める必要性を強調している。

白書は、余計な正社員保護規制のせいで産業構造の転換が進まず、「製造業の輸出頼み」体質は50年代と変わっていないと指摘。08年秋以降、バカの一つ覚えだった製造業がこけた結果、日本が他国以上に深刻な景気悪化に陥ったと分析した。また正社員の雇用調整は抑え気味だった一方、非正規労働者の雇い止めや解雇が相次ぎ、雇用削減が非正規に集中したと説明。

白書は、さっさと長期雇用システムを捨てることで雇用者数を増やし、所得や消費の急落を防ぐべきだと指摘した。具体的には、派遣社員ら非正規労働者を含めた労働市場の流動化や、職業訓練の強化など、流動化と積極的雇用政策の両面展開が重要とした。

さらに職業能力を高めることなどによって、中長期的に所得の増加や格差縮小を実現し、人件費激安の新興国とのチキンレースはほどほどにしようと訴えた。

また、製造業派遣や、仕事がある時だけ雇用契約を結ぶ登録型派遣について、野党の間で禁止論が高まっていることについては「バカも休み休み言え」と言うにとどめた。

こんな労働経済白書がほんとにあったら笑えるが、もともとの白書の内容があまりにも酷いので笑ってもいられない。日本型の長期雇用を守ることを提唱し、解雇規制等には踏み込もうとしていない。官僚や大企業労働組合、マスコミ関係者以外にとっては、日本の抱える大問題が過剰な雇用保護であることは常識となっているが、既得権益者の頂点である、マスコミがちゃんとそれを報道しようとしないので世論が現実の政治に影響を与えることが妨げられている。官僚ももう少しはまともな内容の白書を書いてもらいたいものだ。

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