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NFLドラフト、ライオンズがスタフォードを全体1位指名

2009年04月26日 | スポーツビジネス

久しぶりのスポーツビジネスネタだが、今年のNFLのドラフトでライオンズが全体一位指名でスタフォードを指名した。その契約内容がすごくて、4170万ドル保証の6年最大7800万ドルだそうだ。全体一位だといってもあまりの高額契約で話題になっている。ここ数年、NFLではドラフトの一巡上位指名選手の高額契約が問題になっている。日本でもプロ野球の契約金の高騰や裏金問題が事件になったりしていたが、流石はアメリカ桁が違うと言って良いだろう。そして、ドラフトのトップ十位くらい(NFLは32チーム)の契約があまりにも高騰したのでどのような対策を取るか、厳しい制約が必要なのではないかという話がされている。

NBAにおいてはルーキーの契約は指名された順位によって厳密に決まっていて、年俸が制限されているのでそのような制度を導入すべきではないだろうかという議論が起こっている。しかし、実は上位選手が高額な契約を手にする一方、それ以外の選手は最低年俸に少しのボーナスが付いただけの年俸のため、若手選手は低コストの選手の供給源となりベテランが仕事を失う原因にさえなっている。全体としては、新人選手たちの年俸は非常に低い状態にある。

だから、この問題を解決するのには一部のドラフト上位選手の契約金を一部制限しその代わり多くの若手選手の待遇を改善すればいい。しかし、問題は高額の契約を手にする選手に比べて低年俸の若手選手の数が圧倒的に多いので少し若手選手の待遇を改善するだけでドラフト上位指名の選手の契約削減分を使ってしまい、逆にオーナーの利益を削ったりベテラン選手の年俸を下げる必要が出てきてしまうことだ。だから、実は全体としてはベテランが若手を搾取しているという日本のプロ野球と同じ構図が起こっている。

上に言ったように本当の意味で解決する方法は簡単などだが、それがベテランやオーナーの利害を損なうので議論が迷走しているというのが現実だ。日本のプロ野球のドラフト制度や契約金の問題もそうだったり、NBAやNHLのルーキーの契約の変更もそうであったが、ちゃんと活躍していない選手がベテランから収入を奪っていると言いつつ、若手から年俸分働いていないベテランに収入を移転させるという天と地がひっくり返ってしまうようなことを目指しているので話が訳の分からない方向に行ってしまう。スポーツビジネスの専門家にとっては若手が搾取されているのは常識である上、若手からの搾取の分はオーナーの取り分にもなっているので新人の契約を制限するだけの制度変更には懐疑的である。しかし、活躍している若手の待遇を上げる変更はどこから必要なお金を持ってくるのかという問題を抱えている。だから、もめているのである。

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