北朝鮮が予告した衛星打ち上げまで2週間である。北朝鮮は衛星と称しているが、長距離弾道ミサイルを搭載可能であるとされ、成功した場合日本本土全体が射程内に収まり、日本の防衛上大きな問題を抱えることになる。ミサイルはテポドン2号を改良したものと見られている。
それに対応して、麻生首相は今回の北朝鮮によるミサイル実験に対抗して、追加経済制裁の検討を示唆している。国際社会は国連安保理決議に基づき北朝鮮に対してミサイル開発の中止を求めてきたが、アメリカや韓国の軟化、中国の保護の下北朝鮮は開発を続け、とうとう現在の状況に至る事になった。その意味で、日本国内外の北朝鮮融和政策の失敗を示す出来事と言って良いかもしれない。
北朝鮮の金正日主席は去年の脳梗塞以降体調不良が囁かれ、かなり痩せたとも伝えられている。主席のこのような状況は後継者問題も含めてこれからの展開に大きな影響を与えるかもしれない。中国は三世代に渡る世襲に難色を示しているとも言われ金王朝のこれからが危惧されるが、同時に国家の危機を乗り切るために瀬戸際外交により日本に対する脅威が増している。
このような状況で日本政府としてはまず東アジアの平和と安定のために、北朝鮮に対して断固とした態度を示す必要があるだろう。これまでの北朝鮮に対する軟弱な外交姿勢が北朝鮮を増長させ問題を悪化させてきた。日本政府としては、あからさまな他国への威嚇行動に対して厳然たる態度で臨むことによって、脅迫が通じないことを示し、その先にあるさらなる北朝鮮の軍備拡張による東アジアの不安定化に対処していく必要があるだろう。