JUSSI SALMIAKKINEN (ユッシ☆サルミアッキネン)

フィンランド各地の日の出、日の入り時間の変化をウィークリーでご紹介します。

FILE-055 イースターのナショナル(国家的)・デザート

2006-03-28 12:11:44 | フィンランドぶらぶら紀行
【 写真:KYMPPI(10番)というメーカーのカップ入りMÄMMI 】

 
「Timoおじさんの家に行く」の文中にも登場した MÄMMI(マンミ)のご紹介である。
これをデザートに出された時、はっきり言って目が点になった。

“これは何なんだ?!”

カップ入りゼリーか何かと思って、蓋をめくるとその中にはペースト状の黒い物体がそこにあった。
海苔の佃煮?
そういえば、西洋人は日本人のように海藻を食べる習慣がないので、ヨード分(ヨウ素)の補給が足りないらしい。
それでTimoさん夫婦は、ヨード分の補給のために健康食品としてこの黒い物体を食べるのかなと思った。何かとんでもないものをお付き合いさせられているのかなと勘ぐってしまった。

しかも、その物体にミルクかクリームをかけて食べろというのである。
え~~~!

出された限り、口に運ばないわけにはいかない。恐る恐る、まずはミルクもクリームもかけずに食べてみる。
アッ甘~~~~~~い! 激甘!(自分的には劇甘の方が適語だと思うけど)

しかし、その風味に頭の中で?が湧いた。あれっ? どこかでお会いしたような...
子供の頃に味わったような? でも、私はフィンランド人じゃないし...
そう、この香ばしさは「麦焦がし」の風味だ。
麦焦がし(関西では、はったい粉というらしい)とは大麦の粉を煎ったもので、それに甘みが加えれたお菓子である。
粉のまま口に運んで食べるものらしいが、私の場合はふるさとの銘菓「麦落雁」として食べた記憶がある。

少しばかり親近感が湧き、食べ続けることにした。
ただ、甘みの強さにはノックダウンされそうなので、ミルクとクリームを大量に加え、飲む込めるようにして完食達成!
ふぅ~~。

MÄMMIについて調べてみると、フィンランドの南西部で13世紀頃に生まれたものらしい。
それが、他国では見受けられない食べ物だったので、フィンランドのアイデンティティーを示すものとして、フィンランド国内に普及したというナショナル・デザートなのだ。

原料は、ライ麦、ライ麦のモルト、黒いシロップなど。
黒いけれど、サルミアッキやラクリツィの仲間ではない。

そしてこれは、キリスト教の大事な祝日「イースター(復活祭)」やその前の期間に供されるデザートらしい。
イースターといえば、イースターエッグ。
クリスチャンでなくてもご存知の方が多いと思うが、MÄMMI についてはその時期にフィンランドにいた方、しかも個人のお宅に訪問された方ぐらいしか知らないだろう。
貴重な体験をさせて頂いた。Timoさん、Riittaさん、KIITOS!

ちなみに今年2006年のイースターは、4月16日だそうである。



【 写真:手前の黒い物体がマンミ(MÄMMI)だ 】
「FINLAND THIS WEEK」より

フィンランド政府観光局公式サイトの「FINLAND THIS WEEK」にMÄMMIについての記事があるので、参考にして頂きたい。