この数日はアクセスが多い。オーロラの写真が続いたからだ、本題であるサルミアッキとラクリツィの記事が続くとアクセスが減る。 なんだか複雑な心境。
今日ご紹介するのは、昨年のフィンランド旅行で初の試みとなったオーロラ写真の動画化である。
撮影地はロヴァニエミを流れる川の上、Arktiumを背にするロケーションである。
午後8時半、宿泊先のスカンディック・ホテルを出発。
ホテルを出るなり、日本人観光客が大勢乗り込んだモイモイ号が目の前を通り過ぎた。
モイモイ号を目で送り、一人とぼとぼ川原を目指して歩く。
凍った路面で転ばぬよう靴には滑り止めが着けてある。ちなみのこの滑り止めは、日本で買ったものだ。税込みで1050円也。地元荻窪で購入した。旅先でのケガはしたくない。かつて日本で凍った道で転んで肋骨を折った経験が周到な準備を私にさせる。油断は禁物なのだ。
15分後、川原に到着。昼間ロケハンした場所に三脚を据え、準備を始める。
カメラ周りの防寒装備、電池の充電も万全だ。
周囲には誰もいないが、川原の土手沿いの街路灯がオレンジ色の光を放っている。
暗い夜空に目が慣れてくると、ようやくオーロラの出現に気が付き、慌てて撮影を開始する。まったく、いつものパターンだ。もっと早く気付けるようになりたい。
これはと思う位置にカメラを向け、シャッターを切り始める。
以前のブログでご紹介した連続撮影用タイマーを使っているので、肉眼で見る事にも集中できる。ただ、ピント合わせのことが気になる。最近のカメラはオートフォーカスが当たり前なので、手動ピント合わせに切り替える。
オーロラや星の距離に合わせるのは以外と大変だ。昔はピント合わせの位置を無限遠(∞)にすれば良かったが、今はオートフォーカス機能の関係で無限遠で止まらなくなってしまったからだ。
撮影間隔は、15秒間シャッターを開けたままの撮影とメモリーカードへのデータ書き込みの時間15秒間の繰り返しで行う。後でこれを動画化するソフトでパラパラ漫画のようにつないで動画化するのだ。
オーロラの動きは予測しにくい。
本来は、一度決めた位置をキープしたまま撮影を続けなければ行けないのだが、ついつい動きに合わせてカメラを動かしてしまう。そんな自分がちょっと悲しい。
そして悪いことに、カメラをあっちこっちに向けているうちにピントがずれてくる。
撮影中にロバニエミの空港に到着するジェット機や夜間飛行を楽しむ小型機が引っ切りなしに飛んでくる。映像的には面白くなりそうだ。
撮影から約2時間半。メモリーカードが満杯になり、撮影がストップする。
メモリーカードを交換しようとカメラの防寒ケースを開けるが、手袋のままではうまく扱えないので素手になる。
完全に冷えきったカメラに手こずっている内に指先がしびれ始め、そのうち感覚が無くなってきた。
懐中電灯で指先を照らすと白くなっている、どうやら軽い凍傷になったようだ。まずいと思い、慌てて指を口に中に入れて暖める。
まだ、2週間残っている旅の事を考え、撮影を終了させた。
ちなみに、このときの総撮影数は196枚だった。
下記のアドレスに、その時の写真を基に制作した動画を置いてみた。ご覧頂ければ幸いである。
形式:QuickTime Movie
http://xc-museum.hp.infoseek.co.jp/revontulet.mov
2005年3月撮影