たいようとともに

心臓病をもってうまれたわが子の成長日記
~左心低形成症候群と生きる~

左心低形成症候群

2005-12-21 23:50:31 | 生い立ち、病気について

今日はたいようの心臓病・・・左心低形成症候群について。

ややこしい内容なので興味のない方、ご存知の方はとばしてね。

おおまかにいうと心臓の左半分とそこからつながる大動脈などがほとんどなく、生きていくための血液の流れが確保できないため、手術なしでは生後数日で死んでしまう病気です。

現在の手術法は3回にわけて行うのが原則ですが、なかでも生後約1週間くらいに行うノーウッド手術が最も難しいといわれています。

ノーウッド手術は右心室を左心室のかわりに使うようにする手術です。生きるためには全身に血液を流す左の心臓の働きが最も大切なため、右の心臓に使えない左の肩代わりをさせるのです。

具体的には右心室からでる肺動脈を大動脈のかわりにつなぎかえ、その分肺には人工血管をつなぎます。酸素化は十分ではありませんが、これで全身・肺ともに生存可能な血流を確保できます。

ノーウッド手術後の生存率は他の心臓手術にくらべまだまだ低く、高い(といっても約70~80%)成功率を出している病院は日本でも限られています。

その理由は手術自体が困難であることに加え、術後の全身管理がまた非常に難しく、心臓血管外科、麻酔科、循環器内科などが密に連携し経過を注意深く観察、全身状態の変化にすばやく対応できる体制が整っていなければならないからです。

たいようは幸いにもこの術後は1ヶ月で退院することができましたが、このくらいの経過は稀なようです。

生後4~6ヶ月くらいには2回目のグレン手術を行います。この手術前は酸素化が不十分な血液が全身を流れていますが、それを改善するために上半身の血液を心臓ではなく直接肺に戻ってくるように血管をつなぎかえるものです。

3回目のフォンタン手術は下半身の血液を直接肺に戻すよう血管をつなぎかえるものです。

2回目、3回目の手術をすることで全身をまわって汚れた血液が肺できれいに酸素化されてから心臓にもどって全身に送られるようになり、チアノーゼがなくなります。たいようはまだ2回目を終えた段階で血液の酸素化はまだ85%くらいです。

これらを無事に乗り越えるには、心臓と肺の血流バランスがよいことや、心臓や他臓器合併症が少ないことなど厳しい条件が立ちはだかっています。

この病気に生存者が出はじめてまだ、約10年。全国、全世界のお友達が頑張っています。もっともっと多くの子達が元気で育っていけるようになってほしいと心から願っています。


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