古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

書翰用文鑑8 暑中見舞文の返辞及び月見の文の前半部

2016-07-01 00:05:15 | 書翰用文鑑

玉札辱拝見仕候如芳

諭厳暑難凌候處御渾

家御揃益御安寧被

成御座奉恭悦候且

為暑中御見舞江

戸団扇三拾本御恵

玉札かたじけなく拝見仕り候芳諭 の如く厳暑凌ぎ難く候ところ御渾 家御揃ますます御安寧 御座なられ恭悦奉り候且つ暑中御見舞として 江戸団扇三拾本御恵

※ 3行目は文体として不備があります。「御揃益御安寧」というところは「被成御揃益御安寧」と書くべきところです。外の箇所では正しい表記になっていますから、ここは書き忘れたのでしょう。

投被下御深情忝次第

奉存候右御礼貴答

迄如此ニ御座候 恐々謹言

中元之文

中元之御祝儀細微

之至ニ候得共三輪素麺

投くだされ御深情忝き次第に 存じ奉り候右御礼貴答  迄此の如くに御座候 恐々謹言

中元之文 中元之御祝儀細微 の至りに候らへども三輪素麺

※ 三輪素麺(みわそうめん)は、奈良県桜井市を中心とした三輪地方で生産されている素麺(そうめん)で、特産品となっている。三輪地方はそうめん発祥の地とも言われる。(ウイキ情報)

壱箱差鯖五拾致進呈

之 候何方も盆中嘸々

御取込与奉推察候 謹言

月見之文

三五夜中新月色

殊無比類清天ニ御座候

一箱、差し鯖五十これを進呈致し候 何方も盆中嘸々 御取り込みと推察奉候 謹言

月見之文 三五夜中新月の色 殊に比類なき清天に御座候

※ 差鯖・・盆の差鯖、正月の鏡餅と言われる縁起物。鯖を背開きにして塩漬けにし、二尾を刺し連ねて一刺とした乾物をいう。盆の間、父母の長寿を祈る祝儀ものとして食し、蓮の飯とあわせ、親類縁者や世話になった人々にも贈った。

※ 三五夜・・中秋の名月のこと。ここでは唐の詩人白居易の詩によっている。「三五夜中の新月の色、二千里の外の故人の心」の詩句。


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