皆さんもテレビで目にしたことはあるだろう
「裸の大将放浪記」は、実在する天才画家山下清がモデルであるだけで、その人物像と言えばご本人とは、かけ離れた人物設定になっており、芦屋雁之助の芸が一人歩きしている結果となったが、日本中を放浪しながら、絵の世界で自分の心を表現するところは、実像と重なり合うものであった。下の作品は「長岡の花火(1950年)」。
彼が3歳時、重度の消化不良を患った結果、サヴァン症候群と言う知的障害などが起こる病気にかかる。これは勝手な思い込みだが、その頃は自閉症なる存在もなかったようで、現在の
自閉症のような気がしてならない節も数多くある。しかし、率直にものを感じ取る能力は鋭く、そんな長所が絵にも生かされたのだろう。彼の名言に「みんなが爆弾なんか作らないで、綺麗な花火ばかり作っていたら、きっと戦争なんて起きなかったんだな」と言うのがある。下の作品は「ロンドンのタワーブリッジ」。
裸の大将はドラマのイメージが強く、彼のトレードマークであるランニングシャツに短パンは、実際のところ夏が浴衣で寒くなると冬物の着物が主流だったらしい。そんな時代の作品は、ワシ自身あまり興味が湧かない程度の出来栄えで、その後ヨーロッパでゴッホの作品に出会ってからは、彼の技法が一変するのだった。特に10数点残した油彩の絵は、
和製ゴッホと比喩したくなる秀作揃いであった。下の作品は「パリのサクレクール寺院」。
画家としての「山下清」が、何を考え何を感じながら作品を生み出したのかと言う視点に立ち、その時々の彼のコメントも紹介しているのが今回の面白い試みでもあるし、彼の代表的な表現の貼絵をはじめ、油彩・水彩・点描・陶磁器の絵付けに至るまで紹介していた。
「放浪の天才画家 山下清展」は、滋賀県守山の佐川美術館で2015年6月14日(日)まで開催される・・・・休館日は月曜日らしい。次に東海道シリーズ作品のひとつ、地元草津宿の「姥ヶ餅」を紹介しておく。
余談であるが、ドラマ中の
「おむすび」の存在はテレビの脚色であって、ご本人とは無縁だったらしい。また、絵の創作は総て情景を暗記し、実家なり八幡学園なりに帰ってから取り組んだものなので、現地へ置き土産として残し置く作品はなかったようだ。
■佐川美術館 放浪の天才画家 山下清展
・場所:滋賀県守山市水保町北川2891
・期間:2015年4月3日(金) ~6月14日(日)
・時間:9:30~17:00
・休館日:月曜日
・料金:一般1000円・高大生600円・中学生以下無料
※平山郁夫画伯の常設展示も素晴らしいので、是非お運び頂きたい。
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今回は「CANON IXY」での撮影です。
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