せわしい季節になってきました。一週一週があっという間に過ぎていきます。
ここ2年ほどは軽い風邪はひいても本格的に体調を崩すことはなかったのですが、今週はちょっと危なかったです。
それでは、2010/11/14実施の新HSK5級・結果記事の続きです。
聴力と閲読は、旧HSKとも比較してみます。出題方法や問題数、時間も変わったため単純比較はできませんが、受けてみて大きなレベル差は感じなかったので。
【聴力】80点 試験後の予想:66点
ある程度の自信を持って解答したのは3分の2程だったので66点という点数を予想したのですが、8割の得点でした。
残り3分の1が意外に正答できていたようです。これはちょっと嬉しい誤算でした。
2007年~2009年に受けた旧HSKの聴力の得点推移は、25⇒33⇒54⇒60⇒53⇒64⇒74 です。
前回(2009年12月)くらいから、「さっぱりわからん」という問題がほぼゼロになり、どんな問題でもなんらかの推測はできるくらいには聞き取れるようになってきているので、リスニング力は少しずつ伸びてきているのでしょう。
旧HSKと比べた難易度は、簡単な問題の割合がやや上がり、難しい問題は同数・同レベル、という感触でした。
【閲読】80点 試験後の予想:84点
こちらは悪い方に予想外でした。試験前は9割目標、試験後は84点予想、結果が80点です。
旧HSK閲読の得点推移は、82⇒80⇒75⇒71⇒86⇒85⇒87 です。この7回分の平均80.9点よりも低い点でした。
旧HSKは前半に語彙問題が20問、後半に読解問題が30問あり、点を落としていたのはだいたい語彙問題の方だったと思われます。
新HSKは全問が読解問題なので本来ならもう少し取れていなければならないはずなのですが、ずいぶん間違っていたようです。
難易度は旧HSKの読解問題と同じくらいだと思います。
なお、初めて受けた旧HSKの聴力は25点で、閲読(82点)との差は57点もありました。怪記録です。
当時は、まさか聴力と閲読の点が並ぶ日がくるとは思ってもみませんでした。
【写作】82点 試験後の予想:60点
「写作」は旧HSKにはなかった出題形式です。80字程度の文章を書かせる問題が2題(※)あり、配点は約40点ずつと推測します。
約20点を占める語句並べ替え問題は全て正答しているはずなので、作文問題だけの得点率を出してみると、(82-20)/(100-20)=77.5%となり、8割近くの得点があったようです。
作文問題は5~6割の得点だと予想していたのが、大きく外れました。
(※)1題目は、5つの与えられた単語を用いて80字程度の文章を作るというもの。2題目は、1枚の写真を見て、それに関する80字程度の文章を作るというもの。
作文は採点が難しい問題形式です。基準をどこに置くかによって点数は大きく変わってくるし、どうしても採点者の主観が入ります。
例えば、
「『大きい』『レストラン』『ごみ』の単語を使って、100字以内で文章を作りなさい。」・・・という問題(私が勝手に考えた問題です)に対して、
『お母さんはマナーを守りなさいとよく言います。私はごみを道にすてる人きらいです。レストランで大きい声の人もきらいです。そうゆう人はマナーがいけないと思う。だから私はマナーを穴ろうと思います。』
・・・という文章を作ったとします。入学・入社試験であれば一発で不合格の低レベルな文章ですが、小学2年生や日本語を学習中の外国人が書いたのだとしたら十分合格点をあげられます。
今回のHSKで私が解答した文章は、上の例とレベル的には大差ないと思います。
つまり、作文で8割近い得点が取れたのは、「中国語学習中の外国人であることを前提に採点されたから」であることは明白です。
・・・といっても、あまりにもでたらめではこれほどの点は取れなかったはずなので、ちょっと考察してみます。
<作文の際に意識した点>
・与えられた5つの単語は、必ず用いる。(これは当然。)
・80字ぎりぎりまで埋める。(2題とも70数文字埋めた。80字詰めの解答用紙なので、超えることはできない。)
・先頭か末尾に結論か主張を書く。(何を書きたいのかがわかるような文章にする。)
・言い回しは簡単にする。(文法ミスをおかさないため)
・単に短文を羅列するのではなく、接続詞や後続の文を導く語句(例:「比如说・・・」、「~比起来」、「按理说・・・」、など)を用いる。
・話を脱線させずに、テーマを絞って書く。(ごく短い文章なので、脱線させていたら内容が空中分解してしまう。)
・同じ語の繰り返しは極力避ける。(例:「但是」を一度使ったらその次は「可是」、「非常」を使ったらその次は「相当」、など。)
これらを意識したことが活きて、稚拙ながらも「言いたいことはわかるし、問題の条件も満たしているし・・・」という印象を採点者に与えられたのでしょう。「言いたいことがわかる」というのは大事なポイントです。
また、書けない漢字は使わない、文法ミスに気を配る、という点も意識しました。(といっても、上記の例レベルか、それ以上に間違っているとは思います。)
・・・・正直なところ点数はどうでもよいので、きちんと添削した結果を返却してもらえると嬉しいんですけどね。
【合計】242点/300点満点 試験後の予想:210点
ちょっと話が飛びますが、以前、「ぎりぎりで達する7級(7△)と、8級にわずかに足りない7級(7+)とでは、大きな差がある。まずは7△をクリアし、その次に7+を目標にしよう。」と考えていたことがありました。
例えば、「聴65、語75、閲82、総79 合計300(*1)」でも「聴82、語90、閲90、総81 合計342(*1)」でも7級ですが、その間には4級⇔6級間に匹敵するほどの実力差があるのではないかと想像していたのです。
(*1)合計は加重平均。計算方法はこちら。
さて、話を今回の試験に戻します。以前の記事で、こんなことを書いています。
***抜粋始まり********************************************
私について言えば、2009年12月(日本で行われた最後の旧HSK)の旧HSKで7級を取得しましたが、新HSK5級で210点程度の得点では、1ランク上の実力(=旧HSK8級)に達したとは思えません。
やはり、以前予想(新HSKのレベルについて)したとおり、最低でも8割(240点)くらいは得点しないと、旧HSK8級レベルとはみなせないと思います。
==<再掲>新旧HSK難易度比較=====
新HSK5級(180点~194点) = 旧HSK6級
新HSK5級(195点~209点) = 旧HSK7級
新HSK5級(210点~300点) = 旧HSK8級
====================
***抜粋終わり********************************************
現在の自分に8級レベルの実力はない、・・・という前提で「最低でも8割(240点)」と書いたのですが、ぴったり達してしまいました。「最低でも」と書いておいてよかったです。8級レベルを自称する気にはなれません。
しかし、今回聴力で80点取れたことを考慮すると、上で書いた「7+」のレベルには達したとみなしてもよいのではないか、とも思います。
2009年12月の旧HSKは、合計点だけがあと1点足りず8級に達しなかったのですが、あまりにもできすぎで、私の中では「7+」扱いにはなっていませんでした。
2010年に大きくリニューアルされたHSKですが、以上のように考えてくると、ある程度は旧HSKとの比較における実力測定もできそうです。
さて、2011年はどうしよう・・・。C.TESTを中心にしようと思っているのですが、気が向いたら新HSK6級にチャレンジするかもしれません。
(本項終わり)
<ふろく>
<旧HSK受験歴>
聴力 語法 閲読 総合 総分 取得級
'07.05 25(1級) 49(4級) 82(7級) 72(6級) 228(5級) | 4級
'07.10 33(2級) 55(5級) 80(7級) 78(7級) 246(5級) | 4級
'08.10 54(4級) 73(7級) 75(7級) 64(6級) 264(6級) | 5級
'08.12 60(5級) 81(7級) 71(6級) 72(6級) 278(6級) | 6級
'09.06 53(4級) 81(7級) 86(8級) 79(7級) 295(6級) | 5級
'09.11 60(5級) 83(8級) 85(8級) 74(7級) 299(6級) | 6級
'09.12 74(7級) 94(8級) 87(8級) 85(8級) 336(7級) | 7級
赤字:過去最高更新
【HSK結果記事】
2008年10月(5級取得)
2008年12月(6級取得)