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すがアトリエ : スガショウタロウ + A t e l i e r 生きる空間へ

木造住宅リフォームと耐震補強の実際 大和シロアリ

2017-05-29 | Misc.  

前回階段下の収納壁をめくって壁内部を見たのですが、

床板がどうも緩んでいました。

怪しいと思って床板をめくってみると、床板を支えているべき根太が

全くスカスカ状態 写真が床板を外した瞬間

少し棒でたたくと古紙のように、こなごなに散ってしまいました 下記写真

床板の下すぐそこに土間が迫り、床板にたくさんの段ボール箱が置かれていたので

土間からの湿気が、結露して湿潤状態になっていたのでしょう

シロアリの格好の餌場を作ってしまったようで、根太が実質消えてしまっていた

そこからよく見ると、土台の方にも幾筋かの蟻道が見られた

蟻道というのは、シロアリの道となるチューブ状の空間で

この中で、いわば湿度等コントロールされた空間内で生きている

シロアリが白いのも、いわば外皮が未発達で幼虫のような状態で一生を過ごす

シロアリの体を守っている蟻道全体が、シロアリのコロニーとなっている

 左に見える束材の表面につく蟻道を発見、おうど色の部分が蟻道です

 

 


築後60年超の木造住宅のリフォーム+耐震補強の実際

2017-05-25 | SH

入手した当初図面を参考にしながらも、

分からない部分は、現地を訪問しては、

何とか知りたい部分を壁をめくったりしないで、わからないか検討した

たとえば、当初図中にある筋交いのサイズを知りたかったのだが、

図面にこのサイズが書いていない

一方耐震性については、その筋交いサイズによって耐力が異なる

最後になって、階段下収納部では壁が薄く、下が写真

くぎ抜き程度で仕上合板をはずして、

筋交いサイズを見ることができることが分かった

ということで壁合板を外して、筋交いのサイズが75角であることが分かった

このように、築後の長い住宅は往々にして図面があっても、わからないことが多々ある

それらを調査で補って、できるだけ建物の実際に肉薄することが、まず初段階となる

 


木造住宅のリフォームと耐震補強の実際

2017-05-25 | Misc.  

木造住宅の耐震補強には次のバイブルがある

「2012年版 木造住宅の耐震診断と補強方法」

でこれを基に、あれこれ該当する項目をチェックし計算していく

その計算法には、いくつかの方法があり、一般法と精密法その他があり、

精密度を上げていくこともできる

精度の高い方法は。より建物を調査徹底して、計算対象要素も増やし

高度の計算をして精度を上げていくのだが

住んでいる既設の住宅をあちこち、天井や壁をめくったりしても

見れない所や材の劣化等不可知な範囲も残るので、

一概により精密な計算法の方が良いともいえないと考える

調査や計算法を高度化させるより、

多少雑な精度でも、より建物の全体的な劣化の把握を心掛け、診断の客観性を確保し

実際の構造補強の際には、建物の劣化その他がわかる場合がほとんどなので、

その時に、適切なや融通ある対処をできるようにしておくべきだと考える

一方、診断の結果は、耐震性を示す構造評点という数値で判定する

値が1を超えていれば、「大規模な地震において、一応倒壊しないレベル」と呼ばれる

評点の数値の意味は、大規模な地震に対する耐震性で

・1~1.5…一応倒壊しない。
・1…建築基準法に定める最低限の耐震強度があると考えられます。
・0.7~1未満…倒壊する可能性がある。
・0.7未満…倒壊する可能性が高い。

となっている

リフォーム住宅が目指すレベルは、現基準法と同じ1.0目標といってよいのだろう

なぜなら周りの新築住宅と同じレベルと考えられるからだ

耐震補強は、この数値をシュミレーション的に算出しながら、

部分の耐震性を上げる、または耐震要素の配置バランスをよくする

対処をしていくことで、ことで数値を上げていく

通常一番有効な方法は、建物の弱点となる壁に合板を貼ることや耐震金物を設けること等で、

耐震性をよくしていくことになる


住宅の耐震診断と補助金

2017-05-24 | Misc.  

住宅の耐震診断・補強の重要性から、いくつかの公的な補助金が出ている

地方公共団体とか、国土交通省とかからでている

もちろん条件等もあるが、補助額が100万円のものまであるので、

リフォーム時には、もらえそうなものがないか必ずチェックするべきだ

たとえば金額としては15万円程度しかもらえない住宅ストック循環支援事業とかは、

金額も大きくはないが、そのハードルも小さくなっているようだ

またこの支援事業では、耐震以外にもリフォームに関係して、

条件に沿えば最大で30万円が補助される

こうした補助金も利用して多少助けられながら、

住宅の耐震化、高品質化をを、

個々の住宅条件に即してこまめに進めていくことが、

日本の伝統や文化を大切にすることにもつながるし、

また、その家族の生活はもとより

人間的で自由に感じられる街としていくためにも大事だといえる

 


木造家屋のリフォームと耐震診断

2017-05-22 | Misc.  

木造建物の耐震診断の診断技術の進歩について、前回ふれたが

こうした解析と補強技術の進歩は、

耐震に付きまとっていたハードルを下げ、より普通に耐震補強することを可能にする

以前は耐震というと、かなり特殊、もしくはアバウトな世界でしかなかった

それが、木造ほど増改築等の改修が容易にできる工法はないわけだから、

耐震性の向上を数値的に見据えながらも、各種側面とも併せて合理的に耐震改修できる

シュミレーションしてやっていける訳である

部分的リフォームであっても、耐震改修的な観点を加えたりもできる場合もある

厳密にこだわると、古くなるほど木造の構造評価は難しいが、

それは、RCやS造でも大きくは変わらないことであり、

今後木造の本格的な耐震化と長寿命化が進むことも考えられる

日本の木造伝統建築の長寿命性を考えれば、

今までの木造に対する、安易な安普請で短寿命という常識を覆していくべきだと考える

断熱化や気密化等の技術変革も大きく、工法は過渡期的ともいえる状況ではあるが

技術的に、大筋理にかなったものに集約していくのだと考えている

ハードルとして残っている問題は、

耐火性についての対応の考え方と、シロアリについての対策は残るのではあるが

耐火性の欠如をもって、木造を町から締め出すことは反対だ

低密度であれば、木造は決して危険というものではないと考える

有毒ガスの発生の少ない木造は、倒壊に至る時間も長く、

内部の人の避難に有利でもある

最後にシロアリは、無知な設計と建物に対する気遣いの欠如が重なれば危険なこともあるが、

一年や二年で重大な結果になるものではない、対処は可能である

ということで

住宅は耐震化も含めて、より総合的な器として整備されていく方向にある

ひとまずはメデタシと考える

 

 

 


木造住宅の耐震診断と補強の物差し

2017-05-17 | Misc.  

新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法 というのが、この5月に発表されている

これは何か?

1981年以降(新耐震基準)に建てられた木造住宅の耐震性能の検証方法

とある、以前からでていた下記の

1981年以前を対象とした、木造住宅の耐震診断と補強方法(2012年版)

と相まって、今建っている木造住宅のほゞ全体を、

ほゞ平等に耐震診断ができるという話のようだ

構造診断の技術的進歩と、耐震に対する最低基準の底上げが、

過去に建てられた木造住宅全体に、大まか面が残ることは争えないとは思うが

一定の網目がかけられ、今後それら勘案して、

一層の耐震防災化を求められることになるのだろう

今こうした検証法に掛けずに、安全と考えられるのは2000年以降の住宅ということらしい

今までは、地震国日本であっても

過去の建物とくに住宅については、技術的にどうすればよいか

とくに定量的な物差しがなかったに等しい

それが、ようやく物差しめいたものがでたことはできたこと

技術者として、きちんと評価しておきたい

火災からの防災で著しい弱点をもつ木造であるが

文化的にも、日本にしっかりと根付いてきた

耐震的にも、古い住宅であってもきちんと一定水準を確保することが可能となり

木造が、より幅広く一層発展することを期待している

 

 

 

 


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