S  U  G  A   A  T  E  L  I  E  R  

すがアトリエ : スガショウタロウ + A t e l i e r 生きる空間へ

RCの家 2

2016-01-07 | Co RCの円環 

こここでRCの家について、考えていることを書きておきましょう

上記写真のCoの正面外観です

RCの頑丈な特徴をその外皮だけに使っています

宅地販売時に設けられていたコンクリート製ガレージの奥の天井部を掘り抜き、

地上の家のナカニワ部に階段を新たに設けています

一方道路に面してあった階段を撤去して緑地斜面(写真右下)として、道路と家を視覚的に連続させています

ひな壇上部の家の内には、エントランスにもなっているナカニワと水回りがありますが、

レンガとか木を使って回遊性が生まれるように柔らかく仕切っています

また南北に設けた大開口が、道路から裏山の緑へと続く大きな流れを作っています

一方外断熱とすることで、内側をコンクリート打ち放しとしています

間口は10.5mありますが、中間で小さな鉄骨で補助することで、合理的なものとしています  

ナカニワの壁のみ、このために焼いた白いレンガの組積造としています

これも屋根を支えていますが、垂直荷重を受けているだけなのでできることです

ガラスの継ぎ目となるマリオン部に構造鉄骨となるフラットバーが入っています

浴室部の屋根から飛び出しているトップライトもコンクリート製ですが、

実際にはヒューム管という既製品を流用しています

RCはこのように、構造というものでありながら、

道路面からの接続、台地から湧き上がるような大きな表現、プランニング、

そして開口部の設定、表面の仕上げという視覚的なものまで

一つのシンプルなストーリーとしてまとめることができます

このように、

RCという一つの材料でこのように幅広いことができ、

それできてとても安定した空間とできることは素晴らしいことだと思います 

 


Coは無事年末に竣工しました。

2006-01-11 | Co RCの円環 

051224oh_083051224oh_055051224oh_037



 

 
 Coは年末に竣工し、24日には、クライアントのご厚意で、
OHさせていただくこともできました。
たくさんの方に見ていていただき、意見を頂きありがとうございました。
また、出来上がって改めて感じたのは、
工事を担当されたハンドハウスさんの高い技術力は、
聞きしに勝るものでした。それによって、
大変素晴らしい空間ができたと感じております。
今後、出来上がっての感想や、
色々いただいているご意見等についても、
まとめて書かせていただこうと思っておりますが、
今はまだ頭の中が混乱しておりますので、
また落ち着いてからと考えております。
とりあえずの竣工報告をさせていただきます。


Co現場051216

2005-12-16 | Co RCの円環 

051216_135101.jpg最後のガラスが入りました。
風があったので、8人で吸盤を使って抱えています。
ガラスは2.5トン/m3で、だいたいコンクリートと同比重です。
鉄の約1/3の比重でもでもあります。
このガラスで厚10ミリ、約125キロです。
ガラスは硬いがもろいとの印象がありますが、
衝撃にはめっぽう強いそうです。
粘り強い鉄は意外に衝撃力に弱いという話を、
インパクト(衝撃力)の専門学者に聞いたことがあります。
ガラスは、ゆっくり力がかかる方が割れやすいようです。
運んでいる時に、わずかの力がかかって割れることがあります。
そんなわけで、こうしてたくさんの人が必要になります。

私は鉄が好きでよく使いますが、
ガラスはあまり好悪の対象とはみてません。
素材というより、
透明という、存在感の希薄なものとみているのだと思います。
でも、ガラスは重量を持っているのです。
今回も、ガラスがはまって、
内部空間が急に、締まった感じがしました。
視覚的にガラスが入っているかどうか分からないような時でも、
感覚としては、大きく違います。
一つには、音の反響やら、外部音の遮断の影響でしょう。
でも重量という物質感は、あるようにと思っています。
透明ではあるが重量がある。これがガラスの良さだと思います。
透明であっても、しっかり仕切られて感じる。
この特性をもっと積極的に使えないかと考えています。


Co現場051214

2005-12-14 | Co RCの円環 

051213_162005.jpg中庭のレンガ積みが始まりました。
最初の1段目なので、割付等もあり、
かなり慎重に始めてもらっています。
レンガにしたのは、この中庭の特性と、
構造的には軸力負担だけという表明でもあります。
それもレンガを円周にそって2列並べて積みます。
2重にするのは、構造壁としての安定性と、
目地からの漏水防止対策、そして断熱性です。
ですから、量感のある壁(厚みは210ミリ)になります。
そこが私にとっても初体験なのです。
もちろん本来の構造レンガ壁は、
こうした組みものように積んだ厚みのある壁です。
時としてレンガを積んだよう見える壁がありますが、
現在ほとんどは、RC壁にタイル状のレンガを貼るか、
お金をかけている場合は、RCに持たせてレンガを積みます。
似てはいますが全然違う好行為です。
RCの空間の中に、レンガの構造壁を立ち上げるわけです。
キャスト(流し込んで)でできる一体的なコンクリート空間に、
焼いてできる小さなピースを積み上げていく。
その起源の異なる材料の共生に、ロマンを感じているのも事実です。
でも実際がどうなのか、それはこれから分かります。

 


Co木建具051213

2005-12-13 | Co RCの円環 

051213_135211.jpgCoは東西面がガラススクリーンです。
コンクリート部は床下や壁と屋根は、
きれいに外断熱をしています。
ということで、ガラス部からの熱逃げが激しいわけです。
ペアガラスにするという手もあったのですが、値段が高いし
夜に内部が見えすぎるという点の克服もあったので、
内に明り障子をつけることにしました。
(それでカーテンはなしです)
普通の機械すきの和紙ですが、両面張りします。
その骨となる枠の工場チェックで和歌山市に来ています。
実際の材料を前に、細かい加工問題を確認し、
寸法とプロポーションのチェックに、
工場床に骨組みを置いての確認させていただきました。
そして少し調整させていただきました。
工場の方にはご迷惑をおかけしました。
ありがとうございました。


Co現場051209+一乗寺GLOBE

2005-12-10 | Co RCの円環 

051210_103828

Coいよいよガラスが入りました。
大ガラスなので、心配していたのですが、
10時過ぎについた時には、もう既に、
シール作業が半分程度残っているのみでした。
300㌔以上もあるので、10人ほどで作業されていました。
ガラスが入るとだいぶ内外の感じが変わりました。
昼からは小窓等の作業も始まります。

その後、
京都一乗寺のAirに1年目の検査に行ってきました。
クライアントご夫妻と田中工務店さんと、1時半ほど、
主に外装関係ですが、見て回りました。
小さな問題が少し見つかりましたが、
建物としては非常に良い状態でした。
少しほっとしました。

Airさんの1階に入っておられる家具のGLOBEさんにも、
内部に入らせてもらいました。
北欧で学ばれた家具デザイナーのアトリエで、
家具がいつもながら素晴らしかったです。
ただ、今回目に付いたのは、
写真のイアリングです。
美しい曲線を描いたデザインなのですが、
耳穴に一部かかる形で、ピアスや締め金具もなしに、
耳たぶにうまく止まるようにデザインされているのです。
うーんすごい、頭がよじれる感じがしました。
ちなみにこのデザインは、GLOBEさんの友人の方だそうです。
友人の人もやはりすごい。

051210_161233.jpg


Co家具051209

2005-12-09 | Co RCの円環 

051209_141759_m.jpgCoのキッチン台のチェックに東大阪の
ミト建装さんに来ています。
今回はフィンランドのバーチ(かば)の積層材を使っています。
シナ合板より、ずっと硬そうですし、なんといっても面がきれいです。
それも表層材1.2×2.4mまでジョイントがありません。
この材料も、南港の倉庫の輸入元に見に行かせていただき、
ほれ込んだ材料です。
作る方は、やはり大変だったとのことでしたが、
その分、耐久等も良いのだと考えています。
ほぼ出来上がっていました。現場入りが楽しみです。


Co現場051208

2005-12-08 | Co RCの円環 

051208_162209.jpg
ペレットストーブ(暖炉)の下部床のレンガ張りが始まりました。
床なので、レンガ表面が一部出るだけなので、
タイルでも良いのですが、
もちろん、壁で使うレンガを流用しています。
家という一つの世界をつくる訳ですから、
単にどんな材料でもよいというのではなく、
その世界を作る素材の調和とか、一貫性を考えて、
レンガ張りとしています。
(昨日見たレンガが出荷されるのは1週間後の14日です。
このレンガは、穴のないもので少し前に焼いてあったものです)

 


Co現場051207

2005-12-07 | Co RCの円環 

岐阜にレンガをチェックに来ています。
このあたりに来ると焼き物の街で、瓦屋根が断然多くなります。
Coでは、中庭の壁をレンガを積んで作ります。
珍しいのですが、構造壁としてレンガを使っています。
写真は、工場内で、成型仕立てでまだ粘土状態です。
触れば簡単にへこみます。
051207_111024.jpgDSC09228

この後、窯に入って1350度で焼かれます。
一割ほど小さくなり、このグレー色ですがほぼ白色になります。
話は飛躍しますが、
レンガは、20世紀初頭まで日本でも大いに活躍しましたが、
地震に弱いという理由+伝統復古保守化の波で、廃れていきました。
確かに地震にそんなに強くなかったのは事実ですが、
その後に起こった関東大震災や戦災で、
多数の人が焼死したことを考えると、ちょうど同じころ、
防災化から、木造建物をレンガ化の選択をした上海の街と、
(上海では、共同住宅等は木造が禁止されました
今見る上海のレンガ建築群は20世紀以降の建物がほとんどです)
どちらが正しかったのかは、微妙だったと思います。
歴史的にも古く、いろいろな利用法があり、
土でできているこの材料は、
現在の材料の中では、代えがたい味があります。
タイルは、同類なのですが、
張るだけの仕上げ材料ですし、大量生産になってから、
味わいがほとんどない工業製品になってしまいました。
レンガという美しく強度もあるこの素晴らしい材料を、
もう一度再評価して、新たな利用を考えて行きたいと考えています。

 


About us

Profile プロフィール    Flow 仕事の流れ    HP ホームページ