S  U  G  A   A  T  E  L  I  E  R  

すがアトリエ : スガショウタロウ + A t e l i e r 生きる空間へ

再び解体現場

2005-11-30 | Co RCの円環 

051130_090904.jpgもうすっかり空き地の状態になっていた。
コンクリート小片の小山が、最後のダンプを待っていた。
これが建築の最後の姿と言えるかもしれない。
大量の資材とエネルギー、もちろん人の情熱の塊でもある建築が、
こうして小山になってしまう。
建っているときは、不動に見え、不朽のようにも見えるものが、
最後を終える。
地面を覆い占有していたものが消えてなくなる。
このように考えるのは、この仕事をしているからかもしれない。
もっとリサイクルできる建物のあり方も考えねばならない。
でも建築行為の真髄には、
人力で不動永遠のものを作りたいという願いもある。
ストーンヘンジもピラミッドもそうしたものと思っている。
ある種祈りのような、現実世界への仮託の願いがある限り、
破壊と建設は、車の両輪のように繰り返し絶えないのだろう。
今こうして更地に立って歩き回って、
寂しさと同時に、
心の底にかすかな蠢きのようなものを感じているのだから。

 


Co現場051126

2005-11-26 | Co RCの円環 

051126_104825_m.jpg051126_093824
上写真左手が、クライアントご家族です。
今日は定例で、現場で3時間程度ご一緒しました。
あちこちゆっくり見て回る中、いろいろ話をしました。
無駄話もありますが、そうした中からも大事な調整事項も見えてきます。

発注物が終わっていますので、
今日は、細かいものを話し合いしました。
洗濯機上の洗剤を置く小棚、玄関引戸横の柵棟、ガラスに貼る目隠しフィルムの品番、明障子の紙等でした。
          
下写真。丸いのが浴室トップライトのガラス枠と、
中庭開窓です。両方ともスチールサッシュです。この開き窓がつくのは、実はレンガ壁です。レンガの方は現在九州の方で焼いてもらっています。またこのRC建物の荷重の一部をレンガ壁が担っています。
珍しい試みですが、壁厚210のレンガ壁工事が再来週から始まる予定です。
竣工まで1ヶ月を割りました。
楽しみも高まりますが、緊張感も高まってきます。

 


江坂ミアビア

2005-11-24 | 日記    

middle_1132844574新しい結婚式場のチャペルを見に行ってきました。
設計は竹原義二さんです。
内部は真っ黒な空間の奥に大きな御影石の石壁があり、
その上から天光が入ります。
残念ながら夜で、太陽光の時の効果は分かりませんでしたが、
黒い洞窟のような空間との対比がとても強く、
悠久の石と対面しているような気分に浸れました。
外部周りには、ロウソク照明が多数灯され、
幻惑的なランドスケープに、演出されていました。
用途的に、非日常の世界ということなのでしょう。
左の写真奥にかすかに見えるのが、黒いタイルが張られたチャペルです。

チャペル以外の空間は、デザイナーの工夫がされていましが、
非日常の演出が強く、(夜景は素晴らしいかったのです)
落着きや、飽きのこないといった空間とはなっていないようでした。
結婚式は、最っとも晴れやかな日ですが、
しっかりと包容するような暖かい空間性も大事ではないかと、
疑問がわいてきました。

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Co現場051122

2005-11-22 | Co RCの円環 

屋根スラブの押えコンクリートが午前中に打たれ、
現在左官屋さんによる押さえ作業中です。
まだそんなに寒くないので、夕刻には押さえ終わるそうです。

pig平滑になった屋根は本当にきれいでした。
真ん中に雨水の落とし口があるので、
すり鉢になっているのが実際には感じられます。
単純な形であってそれでいて、
美しくて見飽きないいというのが、
理想だと思っています。

あまりに素晴らしい屋根なので、
竣工後も簡単なはしごで上がれるようにする予定がありますが、
取外しのきくいい案がないか思案しています。


Co現場051119

2005-11-19 | Co RCの円環 

雑鉄骨の取付工事が始まりました。
写真の職人さん等が、
玄関庇、レンジフード、テラス下地、雨樋をつけてくれました。
051119_110223_m.jpg
普通は既製品を使うところなのですが、
こうしたものもアトリエでは、オリジナルに作っています。
耐久性+経済性+デザインの三点からです。
写真にはありませんがレンジフードでも、
人が2人位ぶら下がっても、大丈夫な感じでした。
照明も取付けていますが、そうした複合化も自在です。
話は飛びますが、日本の職人さんの腕は世界最高レベルです。
図面どおり以上の物を作って下さり、
現地立会さえいとわなければ、
多少の現場改良もその場でしてくださいます。
最良のものが、経済的にできる訳です。
specifix(独特の、明確な)という、
ボクの好きなドナルドジャッドが良く使った言葉ですが、
そうした世界に近づけようともしています。


Co現場051118

2005-11-18 | Co RCの円環 

構造家の福永さんがチェックに来てくれました。

051118_141515.jpg
写真奥です。構造家は、力の流れが見える人です。
また、素材の性質と物を作るプロセスが見える人です。
話が論理的で、視覚的です。
(構造の人は、一般に明るい人が多いと思っています)
人を守る空間の安全の元締め、野球で言えばキャッチャー
のような役回の人ではないかと思っています。
でも新しい空間を作る際の立役者になる場合も少なくないと思います。
建築設計者がもやもやと、非論理的イメージで考えることを、
彼らは、「こういうことではないか」と具体的に返してくれるからです。
そうしたキャッチボールで、新たな空間が実体化していくものだと思います。
このCoの場合、
最初ボクのイメージは屋根は板状の鉄骨で考えていたのですが、
彼との話で、全体がRCに変わり、
すっきりとしたフレーム空間になりました。


解体現場にて

2005-11-14 | Co RCの円環 

DSC08849コンクリート建物の解体現場にいます。
鉄筋がぐしゃぐしゃです。
あの硬いコンクリートも重機にかかれば、
なんか柔い感じです。

この建物が解体されたのは、
プランがあまりに固定的だったからと聞きました。
難しいものですが、このあたりが大事だと思います。
計画には、融通性の確保が大切です。でもこの言葉は抽象的です。
ボクとしては、構造を中心とする骨格の素直さを考えています。
いろいろな難条件を解決しながら、建物はできるのですが、
骨格は、細かい諸条件にあまり影響を含めないで、
土地や空間に見合うシステムとして筋を通すというやり方です。
そうすることで、それ自身が美しいものになりえます。
細かい問題は、もう少し下位のしつらいで対処しようと考えます。
現在の空間の多くは、あまりに即応的に考えられていて、
時間を生きる空間としての、
ある意味での強度や完結性というものがなくなっている、
と考えています。


Si定期検査

2005-11-12 | 日記    

051112_152702_ed_m一年目の定期検査で和歌山まで行って来ました。

春夏秋冬が過ぎて、
夏すごしやすく、冬暖かだったと、
クライアントから評価いただきました。
また、すごく大切に使っていただき、
竣工時より家全体が、きれいになっておりました。
木肌も少し焼け、赤みがさして、
なんともいえない美しさになっていました。

この家は無垢米松材を使った
一方向フレーム構造の住宅です。
写真に見える柱、梁は、
米松無垢120×270の大材で作っています。
最大部で10mのスパンとなっています。
民家のように、大きな構成のゆったりとした空間です。

床板やテーブルも米松材で特別にあつらえました。
柱間の壁は白色に自然素材塗壁(天井も)です。
外装も、優れた左官屋さんに、
特別あつらえの掻落し仕上です。
左手の窓が10m巾の南面大開口です。
ペアガラス入のへーベーシーべ6枚戸で、
大きく左右に開きます。(框材も米松です)
Scan10005

伝統の家のように、
自然に素直につながる、明るい一つ屋根の家です。


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