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すがアトリエ : スガショウタロウ + A t e l i e r 生きる空間へ

池辺陽が考えたこと 4

2017-11-02 | No.32継続

池辺陽の本に載っている池辺の写真が楽しい

の当時の建築家の写真というのは、

いわゆるポートレイト写真で、普通それなりの良さげなポーズをとっていたりする

しかし池辺の場合、自宅でくつろいだ、家族も含めての写真が載っている

そして、もう一つの特徴は、後年の写真では特にそうだが

家の内外がうっそうとまではいかないが、緑が入ってくる

家内部にゴムの木等が繁茂したりしている

一説によれば、植木鉢ではなく地植えをしていたという話がある

写真ではその詳細は分からないが、木の茂り具合でいうと、地植えの感じがする

ただこれらに終わらず、まだすごい特徴がある

池辺は植物に限らず動物も好きだったようで、写真に

鳥、フクロウ、猫?等がいるのだ

それもフクロウまでが、ケージでなく、部屋飼い状態になっているのだ

近年ペットでの室内飼いは珍しくはないが、その当時、かつフクロウを室内で飼っているのは、

全く特殊と言ってよいのだろう。

フクロウは生肉しか食べないし、人に慣れたりする動物ではない

なぜ池辺は、例の少ないこのようなことをしていたのだろう

彼に特殊な友人がいて、その感化を受けたとは信じにくい

池辺というと工業化、モデュール等に結びつきがちだが、

実際は、もっとスケールの大きな人で、各種のことに興味があったのだろうと思う

池辺が、省エネルギーについての文章で、その当時批判していたのだが、

材料やエネルギーを使って何が成し遂げられるかがまず大事で、

効率のように、枠を決めての論には、発展性がないと言ったことを書いていた

池辺はこのように何かににおいて、チャレンジすること、新しい達成を求めていた

寒さや暑さ、多少の不便さ、動植物との共同生活等の困難を差し置いても

今とは異なる新しい未来、進歩史観のようなものが強くあったのだと考える

むろん敗戦からの新生が、彼の底辺にあったと想像できるし、

釜山生まれの彼には、大陸の原風景があったのかもしれない

一見クールそうにも見えるのだが、情念が渦巻いていたようにも思える

 

 


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