SUBARUのラトビア便り。

ラトビアの伝統・人・自然・暮らし、全てが大好きな店主がお店のことや自身の活動、ラトビアについて綴っています。

「勇士ラチプレシス」

2024年03月17日 | ラトビア情報


勇士ラチプレシス。
日本で、日本語で、最初に出版されたラトビアの物語です。
1953年に講談社の世界名作全集(ほかは、トム・ソーヤ―の冒険、ガリバー旅行記、アーサー王物語などの誰もが知るような名作ばかり!)の一つとして出版されました。

歌う民の国、ラトビア。
原文は4800篇のダイナ(民謡)で、詩人 Andrejs Pumpurs(アンドレイス・プンプルス、1841-1902)が文学作品「Lāčplēsis/ラーチュプレーシス」としてまとめあげました。
ラトビアでの初版の発刊は1888年のことでした。
まだ独立国家としてのラトビアは誕生していませんでしたが、ちょうどラトビア人が民族として覚醒し始めた頃のことです。
ラトビアの人々の間で伝わってきた民謡から生まれたこの作品は、英雄譚でありながら、ラトビア人の心を代弁しているかのような唯一無二の大切な物語なのです。


この本の存在を知って以来ずっと欲しいと思っていましたが、古い本なので流通しておらず、インターネットで探しても見つかりませんでした。
が、ついに!ウギス・ナステビッチさんの情報提供のおかげで入手することができました!
届いた時の興奮たるや・・・。










挿絵は有岡一郎氏ですが、巻頭には原本の絵も4点掲載されていました。


長編なのでまだ読めていないのですが、邦訳版の著者の袋一平氏による前書きと那須辰造氏による解説に感動しました。
邦訳版が出版された1953年といえば、旧ソ連占領下の時代。
旧ソ連を構成する共和国の一つとしてではなく、ラトビアという国と民族とその文化への深い敬意と理解が伝わってきました。
情報が正確に届かなかったであろう時代のご尽力に心が打ち震えます。



とても貴重な宝物がまた一つ増えました。
気になる方がいらっしゃいましたらお声かけください。

そして!ウギス・ナステビッチさん用にさらに貴重な初版を入手。
一時的に私の手元に「勇士ラチプレシス」が2冊も揃うというミラクルが起こっています!




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