SUBARUのラトビア便り。

ラトビアの伝統・人・自然・暮らし、全てが大好きな店主がお店のことや自身の活動、ラトビアについて綴っています。

#StandWithUkraine





*お知らせ*
◇2016.03.15 『持ち帰りたいラトビア:SUBARUとめぐる雑貨と暮らしの旅』誠文堂新光社より出版しました。→
◇2017.07.28 駐日ラトビア共和国大使より感謝状を拝受しました。→
◇2017.10.25 ウズマニーブ1stミニアルバムをリリースしました。→
◇2018.09.20 ラトビア投資開発庁のパンフレットを執筆しました。→
◇2018.09.26 関西日本ラトビア協会の常務理事を拝命しました。→
◆2019.09.17 神戸市須磨区に移転オープン!!
◇2020.03.13 『TRANSIT47号 バルトの光を探して』に協力しました。
◇2020.11.18 リトルプレス 『SUBARUのラトビア紀行 Lodziņš Nr.1』発刊しました!
◇2022.06.13放送 NHK「世界はほしいモノにあふれてる」に協力しています。
◇2022.11.14 『ラトビアのミトン200』誠文堂新光社より刊行!→

『北欧』ラトビアについて - 独立記念日に寄せて

2021年11月18日 | ラトビア情報
今日11月18日はラトビア103回目の独立記念日です。
なかなか現地でお祝いできない状況が続きますが、日本から祝意を込めて。
Daudz laimes, Latvija !!!




日頃よく「ラトビアって北欧?東欧?」という質問を受けます。
独立記念日にあたり改めて記載しておきたいと思います。

ラトビアは『北欧』です。

1918年11月18日にロシア帝国から初めて独立を果たしたラトビアは、その後の旧ソ連の占領期を乗り越えて、1990年5月4日に独立の回復を宣言しました。
2004年にはEUやNATOに加盟し、国連の分類でも「北欧」とされています。
数年前に外務大臣が「我々は北欧」と改めて言明したことも記憶に新しいところです。

恐らく旧ソ連の印象から、またはロシアと隣接しているイメージにより、「東」と連想される方が多いのだと思います。
(ちなみに私個人の肌感覚で言うと・・・、地図を眺めれば「北欧」、街並みは「ヨーロッパ」、民族・文化的には「バルトはバルト」です。)

ソ連が崩壊して30年の節目となる今年は、関連した講演などが沢山開催されています。
先日は日本ロシア文学会主催のシンポジウム「消えゆく記憶と繋がり -ソ連崩壊後30年の文学と社会を語る-」を拝聴しました。
ラトビア文学翻訳家の黒沢歩先生も登壇されていました。
(このシンポジウムの動画はしばらくの間公開されているそうなのでご関心がありましたら→ YouTube


また、ユーラシア研究所から刊行された「ユーラシア研究 64号」の特集記事「ソ連解体から30年を経た現在」を読みました。
こちらは京都大学(ラトビア語学、ロシア語学)の堀口大樹先生が寄稿されていました。
Amazonでも購入できます。)


この両講演・寄稿を通して、民族的な社会問題はあれど、やはりラトビアは今も昔もれっきとしたヨーロッパだと感じました。
同じ旧ソ連の構成国だった国々ですがその後の30年の歩みが異なるのは、(言葉の選択が間違っているかもしれませんが)興味深いところでした。

自由に海外旅行に行ける日が来ましたら是非ラトビア独特の魅力を感じに訪問してみてください。

※余談ですが・・・上記によりSUBARUは「北欧」か「バルト」括りのイベントしか参加しておりませんが、これは私の中の線引きによるものですので、他のお店様を批判する意図は全くありません。
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ラトビアの秋分の日、Miķeļdiena/ミチェリュディエナ

2021年09月23日 | ラトビア情報


今日は秋分の日。
ラトビアではMiķeļdiena/ミチェリュディエナと呼ばれる季節の節目の日です。
秋分の日あたりで作物の収穫の時期を迎えるラトビアでは、古来から豊穣の神様Jumis/ユミスをお祀りして収穫への感謝と翌年の豊穣祈願を行ってきました。
コロナ禍でなければ、ラトビアのあちらこちらで収穫祭の市も立ち、秋の恵みを感じる楽しい一日になります。

明日からは日ごとに日照時間が短くなっていきます。
季節は巡ります。
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ラトビアの春分祭、Lielā diena/ リエラー・ディエナ

2021年03月20日 | ラトビア情報
今日は春分の日。
ラトビアではLielā diena/ リエラー・ディエナと呼ばれ、季節の節目の日です。
春分祭では猫柳、色を付けた卵、ブランコが必須アイテムです。

猫柳では親しい人のお尻を叩きます。
叩きながら唱える言葉は、日本の節分の「鬼は外、福は内」のように
「猫柳のように丸く、小枝のように柔らかく、昇る日のように美しくあれ。病気は外へ、健康は内へ。」
ふさふさの部分の丸さが太陽、ひいては健康で満ち足りた状態を表しています。


次に玉ねぎの皮で染めたゆで卵。
このゆで卵でこつんとぶつけ合って今年を占う「卵の戦い」を行います。
卵の丸みで太陽=永遠の命を表現しています。
※この卵の作り方は過去のブログをご参照ください。


最後にブランコ。
ブランコを漕ぐことで夏に蚊やウマバエに刺されないようにと願います。
ブランコの描く軌道で太陽の移動する軌道を表しています。


春分が終わるといよいよ春本番。
夏に向けて季節は進みます。
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ラトビアの立春祭、Meteņi/ メテニ

2021年02月03日 | ラトビア情報


今日は立春。
ラトビアでもMeteņi/ メテニという季節の節目の日です。
写真の仮装は大地を目覚めさせてくれるBudēļi/ブデーリという存在。
田畑を練り歩き、豊穣の神Jumis/ユミスを覚醒させ、この年の豊穣をもたらしてくれます。
同時に家々を練り歩き、枝の束で女性のお尻を叩きます。
枝の束で叩かれた女性には健康と出産の可能性がもたらせれます。
繁栄をもたらし春の到来を示唆するブデーリたちはとても喜ばしい存在なのです。

また、越冬の始まりである立冬祭、冬真っ只中の冬至祭と併せて続いた仮装行列はこの日を持って終了します。
春はすぐそこまで来ています。
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ラトビアとリガについて

2020年05月12日 | ラトビア情報
今更ですが・・・、きちんとブログで書いたことがなかったので、『ラトビア』と『リガ』について紹介しておきたいと思います♪




正式名称 :Latvijas Republika/ラトビア共和国、EU加盟国、公用語はラトビア語、通貨はユーロ。

北ヨーロッパ、バルト三国の中央に位置し、北海道の約77%の国土に200万人弱の人々が暮らす小さな国です。
国土の半数以上を森が占め、河川や湖が点在する自然豊かな土地で、稀少な動植物も生息しています。
最高峰でも標高312mしかないため、少し高いところへ登ると美しい大地がどこまでも広がるのを感じることができます。
北海道を彷彿とする四季があり、新芽が芽吹く緑眩しい春、花の咲き誇る色鮮やかな夏、黄金色に輝く紅葉の秋、白と黒のコントラストが眩い白銀の冬と季節はめぐります。
ラトビア人はこうした四季の移ろいに添った生活の楽しみ方を熟知しており、春先は白樺の樹液ジュースを採取し、夏はベリー摘みに出かけ、秋はキノコ狩りへ出かけます。
多くの人が田舎に別宅を持っていて、都会で暮らす人々も時間があれば自然の中で過ごします。

緯度が高く、夏と冬で日照時間が大きく異なる為、古来より太陽の動きを重要視し、その節目に祭祀を行ってきました。
特に夏至祭は民族衣装を身に纏って盛大にお祝いする代表的なお祭りです。
こうしたお祭りで欠かせないのが「歌」で、ラトビア人は「歌う民」と呼ばれています。
日々の生活、年中行事、冠婚葬祭の全てが詰まった民謡「ダイナ」は100万篇以上あると言われ、その自然観や伝統の結晶です。
ユネスコ無形文化遺産でもある「歌と踊りの祭典」は5年に一度開催され、フィナーレでは何と15,400人の大合唱が空気と一体となって深夜まで響き渡ります。
 
また、その豊かな自然や穏やかで忍耐強い国民性を背景にして、ミトンに代表される編み物、麻やウールの織物、樫や林檎の木などから作られる木製品、柳編みのバスケットなど美しい手仕事でも溢れています。




首都 Rīga/リガ。

リガは中心部にある旧市街全体が世界遺産で、ハンザ同盟時代から残る建築群が中世の雰囲気を今に伝える情緒ある街です。
馬車の轍の跡が残る細い路地や、時間をかけて丸くなった敷石からは歴史の積み重ねを感じ、「城通り」「職人通り」といった通りの名前からは当時の様子に思いを馳せることができます。
夜の街灯に照らされたり、雨に濡れて輝く石畳にはまた別の美しさが。
西側を流れるダウガヴァ川の対岸から旧市街を眺めると、教会の尖塔が立ち並ぶパノラマ風景を楽しめます。
また、頻繁に花束を贈る習慣があるラトビア人にとって花は生活の一部。
世界トップレベルのオペラやオーケストラなどの音楽も身近で楽しめる環境にあるので、旧市街はただ中世の面影を残すだけではなく、花や音楽、滲み出るラトビアの奥深い伝統文化が重なり合って独特の雰囲気を作っています。

更には世界最多の棟数を誇るアールヌーボー建築群やラトビア独特の木造建築群がリガの街に色を添えており、これらも世界遺産の一部を構成しています。
クリスマスツリー発祥の地というとっておきの一面もあります。

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