一昨年の3月に出版した『
持ち帰りたいラトビア』、本文で書けなかったこぼれ話のブログ記事です。
*出版のお知らせを書いたブログはコチラ→
☆ 。
*これまでのこぼれ話はコチラ→
☆ 。
出版からまもなく2年経ちますが最後まで続けたいと思います。
今日はP.160~「4章 ラトビアの楽しみ方」の部分について書きたいと思います。
P.160上段3枚の写真はリガ旧市街の風景です。真ん中には猫がいますが、リガは本当に猫が多く、猫好きのラトビア人も多いです。
中段右の写真はラトビア西部クルゼメ地方にあるTalsi/タルスィ、9つの丘と2つの湖に囲まれた小さな可愛い町です。
左下の写真はダウガヴァ川上流Pļaviņas/プリャヴィニャスにあるダム湖です。そばに人気のパン屋兼カフェ“Liepkalni/リエプカルニ”があり、湖ではバイキング船でクルーズも楽しめます。
下段右の写真の鳥はコウノトリです。幸せをもたらすとして人気の高いコウノトリは、旧通貨の1ラッツコインでも人気の柄でした。ラトビアの田舎ではあちらこちらで巣や親子を見ることが出来ます。
下段右の写真の花はライラックです。ラトビアでは初夏にたわわに咲き誇るライラックを楽しめます。私はまだ行ったことがないのですが、Dobele/ドゥアベレには広大なライラック園があるそうです。
P.163には私のメモ書きを加えた旧市街マップを載せています。
上の方に「ここの路地が素敵!」と書きこんだ場所はP.161の写真の路地のことです。
ドゥアマ広場の地面をよく見ると、昔の敷地境界を示す敷石がそのまま残っています。また、地面より大聖堂の方が低いのは、かつて大聖堂の高さであった市街地が洪水対策の為に嵩上げされたのに大聖堂だけそのままの高さになっているからです。現地訪問の際に確認してみてください。
ラトビアはクリスマスツリー発祥の地ですが、リガ歴史と航海の博物館ではその根拠となる最古のオーナメントが展示されています。
P.164下段でラトビアのアイスクリーム事情について触れましたが、北海道の東川町と姉妹都市であるRūjiena/ルーイエナのアイスクリームも人気です。
P.168の前後で中央市場について紹介しています。
左下の写真のとおり、魚は燻製にされるのも一般的なのですが、以前友人にラトビア北部にある燻製屋さんに連れて行ってもらった際に「ここの燻製が一番フレッシュ!」と言われ、魚の鮮度に関する感覚の違いに驚きました。
他の魚介類では、実はラトビアにはキャビアのマル秘の養殖技術があり世界に輸出しています。
P,172でラトビアの花文化を紹介しています。
ラトビアでは9月1日は「先生の日」で、先生に贈る花束を携えたたくさんの生徒が登校する様子を見ることができます。
また「名前の日」についても触れていますが、カレンダーどころか毎日ラジオでも「今日は○○さん、●●さんの日。おめでとう!」と流れるのでうっかり忘れることは出来ません。最近ではアプリもあるほどです。
P.175の地図にアールヌーボー建築群のエリアを記入していますが、世界最多規模の棟数を誇るリガではこのエリアに限らずそこら中で見ることができます。
リガにおけるアールヌーボー建築の変遷は3期に分かれるそうで、3期目にはラトビアの伝統的な凝った木造家屋の影響を受けているそうです。
知人のラトビア人は「幼少期にこういった建築群の中で育ったので、家とはこういうものだと思っていた」と言っていました。とてもビックリしましたが、ラトビア人の美的感覚の源流を垣間見た気がしました。
P.176下段で紹介しているベルガバザールのマーケットは現在行われていませんのでお気を付けください。
(カルンチエマ地区の方は毎週開催されています。)
P.177で紹介しているFabrikas Restrānsは現在営業していませんが、同じ場所でĢimenes restorāns Hercogsが営業しています。昨秋連れて行ってもらいましたが新店もとても美味しかったです!
P.178-179の「上を向いて歩こう!」にリガの建築物の造作部の写真をたっぷり載せていますが、アールヌーボー建築の彫像は誰も気づかないような上の方にあることが多いです。
ギリシャ彫刻のような像、忠犬ハチ公のような犬の像、煙突掃除夫の像、など見所がたくさんありますのでリガでは是非上空も見上げながら散策してください。
右ぺージの上の方にある少年の像は「生徒」で、実はこの建物の向かいには「教師」の像があります。この教師の像は生徒よりも低い位置に設置されているのですが、それは「教師は生徒を押し上げる存在だから」だと言われています。素敵!!
ちなみに私の組んでいるラトビア音楽ユニット名「UZMANĪBU」と書かれた看板もさりげなく右のページに載せてます♪
P.178-179の「下を向いて歩こう!」に載せた記念プレートの設置個所(いずれも旧市街)を書いておきます。リガ訪問の際にぜひ探してみてください。
1→聖ペテロ教会内、3→大聖堂広場、4→Kaļķu ielaとVaļņu ielaの交差点近く、5→市庁舎広場
P.180でリガ大聖堂のパイプオルガンコンサートについて記載していますが、昼のショートコンサートはサマーシーズンは日曜を除く毎日、シーズンオフは週2回開催されています。また、夜は一年を通じて週2回程度主にクラッシックのフルコンサートが開催されていますので必聴です。
コンサート情報は
コチラで確認できます。
大聖堂内部のステンドグラスや奥の回廊散策と併せてお楽しみください。
P.182~ラトビア料理の紹介をしていますが、ラトビア料理の美味しさの秘密の一つは「旬」にあると思っています。
P.166~の中央市場の紹介の冒頭でも触れましたが、ラトビアではレストランでも家庭でも一般的に旬の食材を使って調理されます。
とても印象的で出来事なのですが、某雑誌の取材をしていた際にその雑誌の発行時期に提供されるメニューを各レストランに質問したことがあります。
全てのレストランから返ってきた回答は「その時期に採れる食材を使うのだから今の時点では言える訳がない!」でした。
軽い衝撃とともに、やっぱりそうか!だから美味しいのか!と納得した瞬間でした。
P.188-189にラトビア4つの地方それぞれ一泊滞在プランを書きました。
小さい国土なのに地方それぞれの風景が異なり、ゆっくり周遊してその違いを楽しんでいただければと思います。
ラトビアで別名「琥珀の海」と呼ばれるバルト海を眺めて、観光も楽しむならリエパーヤやヴェンツピルスがお勧めです。
ラトガレ地方は「湖の大地」と呼ばれています。様々な顔を持つ湖のほとりでのんびりしてください。
音楽が盛んなラトビアではよく地方でも音楽祭が開催されますが、トゥライダ城のオペラフェスティバルやツェースィス城の芸術祭、ルンダーレ宮殿のバロック音楽祭が特に有名です。
変わった体験で言えば、スィグルダではオリンピック選手も使用する本物の
ボブスレーコースを見学し、場合によっては挑戦できます。一度体験したのですが、コースは想像の3倍程長く、時速120kmの世界は姿勢の維持すらままならない物凄い重力との戦いでした!
P.194-195でルツァヴァの刺繍のコラージュ写真を掲載しています。
ラトビアの民族衣装ではブラウスにカラフルな刺繍が入ることはあまりないのですが、このルツァヴァは特別です。
刺繍の技法も面白く、裏側を見るとこんな風に糸が渡っています。
P.197の真ん中でアルスンガ博物館を紹介しています。
その希有な文化でユネスコの無形文化財に指定されているラトビア西部クルゼメ地方にあるアルスンガ村には「Suiti/スイティ婦人たち」という合唱団があり、ことさら目を惹く民族衣装を身に纏う彼女たちは、豊富な言葉を用いて低音で掛け合いを行う「ブルドーン」と呼ばれる即興歌を歌います。
この村でフィールドワークを行った日本人女性のドキュメンタリー映画もありますので、機会があれば鑑賞してみてください。
ルッチと宜江
P.200~四季のお祭りを紹介していますが、ラトビア古来のお祭りとキリスト教由来のお祭りが混在しているのが興味深いです。
特に、春のお祭りはLielā diena/リエラー・ディエナは春分祭、Lieldienas/リエルディエナスは復活祭のこと、冬のお祭りはZiemassvētki/ズィエマススヴェートゥキは冬至祭とクリスマスの両方を表します。
P.201~最も大切なお祭り「夏至祭」について紹介していますが、民謡や言い伝えで多く語られているのも夏至祭です。
ロマンチックなものでは「シダの花を探す」というものがあります。シダは花が咲きませんので、これは恋人同士が森に入って戻って来なくてもいいということを表しています。
P.205にクリスマスのことを書いています。
クリスマスツリー発祥の場所、市庁舎広場では毎年大統領も参列されて点灯式が行われるので、タイミングが合えば見学してみてください。
また、発祥の地にふさわしくリガでは毎年
Ziemassvētku Egļu ceļšという展示イベントが開催されています。芸大生が作ったクリスマスツリーがリガの至る所の飾られていますので、散策がてら見て回るのも面白いです。
本文に書いているPiparkūkas/ピッパルクーカスの写真はP.15の上の方に載せていますが、その歴史は何と150年前に遡るそうです。
同じくP.206の本文に書いているZirņi/ズィルニの写真はP.16の真ん中の辺りに載せています。
P.207の右側にラトビアのお祭りスケジュールを載せていますが、観光向けでは無いので掲載しなかったものでとても印象的だったものを追加で紹介したいと思います。
11月24日のロウソクの日、先祖の御霊を表すロウソクを沢山灯し故人を思い出して偲ぶ日です。
詳しくは
当時のブログをご覧ください。
P.208で紹介している5年に1度の「歌と踊りの祭典」は今年2018年6月20日-7月8日に開催されます。
今年はラトビア建国100周年と重なる特別な祭典になります。
正直言ってチケットの入手はとても困難ですが、この時期にラトビアに居ることはとても意味のあることだと思いますので是非その雰囲気を感じてください。無料のコンサートやパレードだけでも充分楽しめるかと思います。
本文に書ききれていませんが、フィナーレのステージの後の深夜の時間帯にはチケットを持たない人も入場可能となります。余韻の残る会場で朝まで出演者と観客による「歌い合い」が続き、夜通し走るトラムは別名Singing trainとなり興奮冷めやらぬ乗客の歌声が車中まで続きます。
祭典の情報は公式サイト
https://dziesmusvetki.lv/ でご確認ください。
・・・以上、4章のこぼれ話でした。
次回はいよいよ最終章の5章について書きたいと思います!
【CM】
このようなラトビアを深く感じたい方は、2018年6月開催でご予約受付中のフィンツアーさん合同企画
ラトビア森の民芸市6日間にご参加ください!
手仕事いっぱいの民芸市をお楽しみいただき、バスケット職人さんの工房兼サマーハウスを訪れトレイ作りのワークショップにチャレンジ。
自然の中でラトビア人の夏の過ごし方にも触れていただけます!もちろんリガ市内観光も♪
フィンツアーさんでしか体験できない特別なプログラム、ご予約お待ちしております。