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アレッポでの山本美香氏死亡報道食い違いの不思議

2012-08-21 21:19:33 | Latest Post

以下、最初の時事通信記事は既に消去されている。この時点ではAFP伝として、≪山本美香さん(45)は3人のジャーナリストと自動車に同乗していた際、親アサド大統領派の民兵組織に攻撃されたと報じた。AFP通信が伝えた。≫ としており、≪襲撃した武装勢力は反体制武装組織「自由シリア軍」のような装いだった。≫ と言う運転手の証言を伝えている。

ところがその後、≪山本さんと同行し、毎日新聞の電話取材に応じたジャパンプレス代表の佐藤和孝さん(56)によると、≫

≪佐藤さんによると、トルコから銃撃現場となったアレッポに入ったのは現地時間の20日。自由シリア軍に同行し、政府軍との空白地帯に入り、ドラム缶などで各所を封鎖しながら進んでいたという。 ≫  全く違うストーリーを伝えている。2番目の引用記事。

この各関係者報道機関の食い違い、時事通信記事消去、と言う事実だけで既に「報道のクレディビリティー」喪失が確立されてしまった。 

先ずは、CIAとトルコ共同で管理するトルコ・シリア国境を越えて「自由シリア軍」管理下地域へ入れた、と言う事実そのものが既に一方の「管理下取材」であった事実。

結果的に、実際の検証も証拠も無いにも拘らず、シリア戦争に無宣言で直接参戦しているフランスの外務省がシリア政府非難と言う形で「利用」した事実。

シリア戦争で欧米政府は「Massive Casualty Producing Events」と言う概念の作戦を導入している、と言う事を覚えておきたい。

 

以下コピーペイスト引用≪

親大統領派が銃撃か=シリアで死亡の山本さん―同乗の3人誘拐される? 

時事通信 8月21日(火)16時1分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120821-00000082-jij-int

 【カイロ時事】米政府が出資するアラビア語衛星テレビ、アルフッラは21日、激戦が続くシリア北部アレッポで20日に死亡した独立系通信社ジャパンプレスの日本人女性ジャーナリスト、山本美香さん(45)は3人のジャーナリストと自動車に同乗していた際、親アサド大統領派の民兵組織に攻撃されたと報じた。AFP通信が伝えた。
 同テレビが運転手の話として報じたところでは、襲撃した武装勢力は反体制武装組織「自由シリア軍」のような装いだった。しかし、同組織側は事件への関与を否定、政権側の仕業だと主張している。インターネット上の動画サイト「ユーチューブ」には、山本さんが親アサド大統領派の民兵組織「シャビーハ」に殺害されたとのタイトルの動画が投稿された。
 在英人権団体「シリア人権監視団」によると、アレッポではレバノン人女性記者と米メディアで働く男性、トルコ人記者の計3人が行方不明となった。3人は車に同乗していたとみられ、誘拐された可能性も浮上している。

≫引用終わり。

 

以下コピーペイスト引用≪

http://mainichi.jp/select/news/20120821k0000e030160000c.html

山本さん死亡:迷彩服の一団が銃乱射 同行者語る

毎日新聞 2012年08月21日 13時19分(最終更新 08月21日 15時41分)

 シリアで死亡した山本美香さんと行動を共にしていたジャパンプレスの佐藤和孝代表(56)は21日午後、毎日新聞の電話取材に銃撃を受けた当時の状況を語った。

 佐藤さんによると、トルコから銃撃現場となったアレッポに入ったのは現地時間の20日。自由シリア軍に同行し、政府軍との空白地帯に入り、ドラム缶などで各所を封鎖しながら進んでいたという。

 佐藤さんは「午後3時半ごろ、前方から迷彩服を着た10人以上の一団が向かってくるのが見えた。恫愒(どうかつ)するような大きな声を上げて銃を乱射してきたので、身をかがめながら一目散に逃げた。山本さんは最初、僕の右後ろにいたが、はぐれてしまった」などと語った。

 アレッポの病院で既に死亡していた山本さんと対面したという。

 ≫引用終わり。

 

以下コピーペイスト引用≪

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120821-00000112-mai-soci

<山本さん死亡>被弾時もビデオ撮影 国際社会もシリア批判

毎日新聞 8月21日(火)22時40分配信

シリア北部アレッポで20日、独立系通信社「ジャパンプレス」所属の女性ジャーナリスト、山本美香さん(45)が死亡した事件で、フランス外務省がシリア当局を批判する声明を発表するなど国際社会に悼む声が広がった。政府系民兵集団とみられる迷彩服を着た一団に銃撃されるまで、取材用のビデオカメラを回し続けていたことも分かり、国際団体「国境なき記者団」もホームページで追悼の意を表した。

【シリア:ジャーナリスト山本美香さん死亡 戦闘に巻き込まれ】

 山本さんと同行し、毎日新聞の電話取材に応じたジャパンプレス代表の佐藤和孝さん(56)によると、今回の取材はトルコ南部キリスを拠点にし、16日にシリア北部のアザーズを訪問。20日はアレッポを日帰りの予定で訪れ、10人以上の迷彩服を着た一団に突然、銃を乱射された。

 山本さんの遺体は病院で佐藤さんが確認。所持していたビデオカメラの映像にはアレッポ市民の様子などが映り、突然映像が途切れていた。佐藤さんによると、被弾時の映像といい、21日夜の日本テレビ「NEWS ZERO」で紹介された。

 シリア取材前、山本さんは佐藤さんに「華やかなオリンピックの陰で、砲弾が落ち、空爆の下で暮らす人々が、どんな思いで生きているのか伝えたい」と話していたという。

 今回の事件後、フランス外務省報道官は「シリア当局は記者と報道の自由を守る義務があるのに、組織的に記者を抑圧している」と述べ、アサド政権を批判した。AFP通信が伝えた。また、「国境なき記者団」はホームページで、山本さんについて「戦争取材の経験豊富なベテラン記者」と紹介し、「遺族や友人、同僚のみなさんに心から哀悼の意を表する」と表明した。

 在トルコ日本大使館によると、遺体はトルコ南部の主要都市アダナに21日到着。司法解剖後、帰国手続きが取られるが、日程は未定という。【高島博之、川名壮志】

≫引用終わり。

 


「エジプト民衆革命」についての質問と解答

2012-06-28 13:12:31 | Latest Post

 

 

以下のご質問にお答えして。
 
【イスラム同胞団(兄弟団?)が信用できないとのことのようですが私にはどうも理解できない部分が多すぎて。2011年の民衆革命のおぜん立てをしたのがアメリカ政府の支援を受けていたイスラム同胞団傘下の「エイプリル6」ですと?外から見ればアメリカの傀儡であるムバラク政権よりはるかに扱い辛いであろう同胞団をアメリカが支援して民衆革命を起こさせたととれますが、何でまたそんな回りくどいことを??混乱するばかりです、お助け下さい。】
 
少しずつ分けてお答えします。
 
【お話があまりにも影の部分の偏りすぎているような感じで】
 
中東地域にいると、日々圧し掛かって来る巨大な西洋パワーをひしひしと感じ、時として暗く重い気分になるのですが、向かっている方向が、先進諸国の落ちぶれ方とは全然違う、西洋中世暗黒時代的な方向だと、さすがに心配になるのです。すぐ隣はサウジとイラン、パキスタン、アフガンですから。更に少しはまともだったエジプト、シリアが崩壊、宗教暗黒社会はリアリティーのある地域なんですよね。

【イスラム同胞団(兄弟団?)が信用できないとのことのようですが私にはどうも理解できない部分が多すぎて。】
 
日本でだれが最初にこの、Muslimbrotherhood と言う、はっきりした本来「兄弟的な関係団体」と言う意味をわざわざ「同胞」団と訳したか知りませんが、そもそもこの時点で正直じゃないですね。女性も平等に組織に含めて同胞と呼ぼう、と言う発想は兄弟団の中には無い事は、様々な女性に対する規制、社会進出を推奨しない政策からも明らかです。
 
【2011年の民衆革命のお膳立てをしたのがアメリカ政府の支援を受けていたイスラム同胞団傘下の「エイプリル6」ですと?】
 
この団体は必ずしも直接の「傘下」団体、と言う事ではないですが、中心メンバーは隠れイスラミストだと思います。この辺にもこの兄弟団と周辺シンパの「暗さ」が見え隠れし、怪しいとワタシは思っているんです。
 
「エイプリル6」と言う団体は昨年のエジプト民衆蜂起を組織した中心グループで、15人ほどの若者達から構成され、2008年から活動開始していました。その時点で既に在エジプト米国大使館へ協力援助を申し込んでいた事実がウィキリークスされています。
 
この後、2009年頃から既にアル・ジャジーラがドキュメント化に独占密着取材をしているのですが、それは即ち、同TV局と独占契約していたと言う意味ですから、契約金としても資金がアル・ジャジーラから出されていた事を証明していると言えます。 ですから同TV局は昨年、誰も近寄って外せない、タハリール広場の上空にカメラ設置することができ、常時中継できていた訳ですね。
 
その後、ムバラク政権崩壊後、アル・ジャジーラは、この団体の密着取材ドキュメンタリーを放送しました。その中で群集組織方法やデモ管理組織方法などのトレーニングをセルビヤから受けていた事も明かされています。その後更にウィキリークスで米国のトレーニング会社が訓練担当していた事も明らかになりました。
 
イスラム兄弟団に関して言えば、創設当初メンバーの次世代の人々は殆どが現在の組織からは抜けており、逆に如何に変容し、組織内部が堕落してきたかを主張、反対や改善活動をしている、熱心真摯な信仰者もいます。
 
その他、多くのイスラム教徒からの各地兄弟団への批判は少なくありません。 例えばシリアの反政府派中心団体の議長を務めていたフランス市民も兄弟団ですが、毎月大量の資金をドーハから受け取っていましたが、使い道は不明です。また同組織のスポークスウーマンはイスラエル訪問、ビルダーバーグ会議出席と、緊密にイスラエルとさえ共同してきています。
 
 
【外から見ればアメリカの傀儡であるムバラク政権よりはるかに扱い辛いであろう同胞団を…】
 
ムバラク政権、と言うよりムバラク一族が余りにも強欲、硬直老朽化した結果、新たな傀儡に挿げ替える必要があったのだと思います。
 
端的には、広大なエジプト市場に外資が参入しようとしても、賄賂要求の関係官僚の層が何重にもあり、賄賂払って参入しても結局利益は何も残らない程だった様です。これは、チュニジアもリビヤも同じです。資源豊かなで殆どインフラ未開発リビヤは更にです。
 
またリビヤは西アフリカ、ディープアフリカへのチャンネル、エジプトはスーダン他、東アフリカへのチャンネルですから、アフリカ全土を掌握するには、この二大アラブアフリカ国を完全に掌握する必要があります。
 
兄弟団の資金はサウジ、カタールから出ていますから、扱いが難しいどころか、欧米にとっては実に簡単です。資金源を完全に抑えてありますから。また低所得者、低教育層の多くは、宗教師の言う事は鵜呑みにする傾向が強く、管理は更に簡単な訳です。
 
だから「自力思考停止型のイスラム原理主義化」が欧米にとっては望ましい訳です。サウジが米国の最友好国である事実が何よりも明白に語っていると思います。
 
【アメリカが支援して民衆革命を起こさせたととれますが】
 
そのとおりです。
 
【何でまたそんな回りくどいことを??混乱するばかりです。】
 
イラク戦争後、欧米、特に米国は、もう同じパターンの高コストで印象悪い古いタイプの侵略戦争は望ましくない、と見たからでしょう。
 
世界世論、イスラム世論からの激しい攻撃批判を受けない、表からは全く見え難い新たな別の方法での、中東アフリカ地域戦略、資源管理、市場開放、再編成を必要としたと言うことです。
 
あたかも「アラブ民衆自らが望んで、民主的自発的に変えた政権」の形をとる必要があったからです。
 
米国の新しい外交戦略は、米国税金と米市民の命を使わずに、資源豊富で膨大な開発市場である途上諸国の市場開放、管理支配することです。これから次世代大経済圏、スーパーパワーの候補国を、グローバル資源へのアクセスを掌握管理する事でコントロール、外交カードとしたいからです。
 
それには原油高値を起こし、増産させたサウジ、カタール(はガスですが)の余剰資金を利用し、軍事ビジネス会社からの派遣プロ傭兵を潜入させて「民衆蜂起」の形をとり、国連、アラブ連盟を利用した上で、あたかも合法的に、世界世論をバックにした「民衆革命」と名付けた政権替え、社会解体、国土再編成、新傀儡政権樹立を成し遂げたのが、チュニジア、リビヤ、エジプトです。
 
シリアは今その途上。 
 
リビヤとエジプトがアフリカへのチャンネル、アラブ世界全体への強い影響力に対して、シリアの場合は旧ソ連圏諸国、ユーラシア大陸へのチャンネルに当たり、同じく膨大な資源と未開市場への入り口になります。
 
シリア落しはイラン落しへの予備戦ですが、これはロシア、イラン、中国、インド他、ユーラシア諸国にっては、どうしても譲れない正念場がシリア戦争です。
 
何故かと言うと、もしシリア落しのパターンが成功し、国連、国際世論が認めれば、これらの国々にとっては「次は我が身」の問題だからです。
 
自国民の意思と決定を遥かに超えて、国連と西洋諸国が政権交替を強行する、と言う既成事実を認める事になるからです。
 
その意味では、西洋日本メジャーメディアが決して報道しない、上海協力機構と旧ソ連諸国協力組織加盟諸国は、シリア、イラン落しに深刻に反対し、軍事協力準備を進めている訳です。
 
 
 

トルコ戦闘機の撃墜について

2012-06-24 16:57:51 | Latest Post

 

シリア軍がトルコ戦闘機を撃墜した事件についての報道を簡単に追い、比較してみた。 ハイライトはブログ管理者によるもの。

レバノンのシーア派ヒズボァッラのテレビ、アル・マナールが23日に伝えるバージョン。中略あり。 ↓ この時点ではトルコ大統領はトルコ軍機のシリア上空侵犯を認めている。

Damascus Confirms Downing Turkish Jet: Plane Violated Syrian Airspace

23-06-2012 - 13:15 Last updated 23-06-2012 - 13:15 | 1131 View

Damascus confirmed its anti-air defenses had downed a Turkish fighter jet on Friday, as it stressed that the plane had violated the Syrian airspace.

turkish jet

Meanwhile, Ankara conceded that the jet might have violated the Syrian airspace, with President Abdullah Gul said the violation was not ill-intentioned.

An unidentified aerial target violated Syrian airspace, coming from the west at a very low altitude and at high speed over territorial waters,” Syrian state news agency quoted a military spokesman as saying.

“So the Syrian anti-air defenses counteracted with anti-aircraft artillery, hitting it directly as it was 1 kilometer away from land, causing it to crash into Syrian territorial waters west of Om al-Tuyour village in Lattakia province, 10 kilometers from the beach.”

The spokesman added that the target turned out to be a Turkish military plane that entered Syrian airspace and was dealt with according to laws observed in such cases.

For his part, Gul said Saturday the jet fighter shot down by Syria might have violated Syrian airspace.
"It is routine for jet fighters to sometimes fly in and out over (national) borders ... when you consider their speed over the sea," Gul told Anatolia news agency.

The president also said contacts were under way with Syria though Turkey withdrew its diplomats from its embassy in Damascus in March, and expelled the Syrian diplomats from the Ankara embassy after the escalating violence.

 

6月24日午後のロシアのRTの報道は、トルコ外相の言を伝えている。 トルコ機はシリアへのスパイ活動ではなく、自国のレーダーシステムのテスト目的であった、としシリア軍は警告無しにトルコ機が「シリア領空を脱出する際」に砲撃した、と言っている。 外相もこの時点では、トルコ機がシリア領空侵入していた事を認めているが、間違えで侵入してしまった、と主張している。

‘Syria downed our unarmed jet without warning’ – Turkish FM

Published: 24 June, 2012, 13:20

The Turkish foreign minister says the military jet shot down by the Syrian military on Friday was not spying on Syria. It was testing a domestic radar system and was fired upon without warning upon leaving Syrian airspace, he said.

­The jet was unarmed, Turkish Foreign Minister Ahmet Davutoglu said in an interview with TRT TV channel on Sunday.

The minister confirmed that the aircraft did enter Syrian airspace before being engaged by the country’s air defenses, but stressed that it had happened by mistake.

He insisted that the jet was taken down in international airspace after leaving Syrian territory.

Davutoglu further said the attack happened without warning in violation of international law, and that Ankara will take the necessary steps in response.

Turkey will report on the incident to other NATO members next week, he added.

A meeting to discuss the incident will be convened on Tuesday, a NATO spokesperson said on Sunday.

Meanwhile, UK Foreign Secretary William Hague derided the downing as an "outrageous act" and a "deplorable incident that underlines the urgent need to find a solution to the current crisis in Syria." He said Britain is ready to pursue robust action on Syria at the UN Security Council.

Damascus insists that it acted in defense of its national sovereignty in shooting down the aircraft, which violated its borders.

 

24日午後のロイターは、北大西洋条約機構メンバーであるトルコが、この件をNATOレベルで討議すると伝えている。この時点では既にトルコは、シリアがトルコ機を国際領空上で撃墜したと言っている。巧みに表現を変更し「両国の領海線近く」で撃墜された、と述べている。トルコ機は明確にトルコ旗が示され「非武装」だった、と強調している。後半でシリア領空を15分間侵犯した事実を認め、前日には「Mistake・間違って」領空侵入してしまった、と言っていたが、ここでは、「こう言う領空侵入は、他の国との間で良くあることだ」と表現している。

トルコ大統領、外相は発言しているが、トルコ首相はまだこの時点で発言していない。26日火曜日、党大会場で正式声明を発表するとしている。

Turkey to consult NATO allies over downed jet

ANKARA (Reuters) - Turkey said on Sunday Syria had shot down its military aircraft in international airspace on Friday without warning and declared it would formally consult its NATO allies on a reaction.

Turkish Foreign Minister Ahmet Davutoglu, speaking some 48 hours after the jet was shot down near both countries' sea borders, told state broadcaster TRT the plane had been clearly marked as Turkish and dismissed Syria's earlier statement it had not known the plane belonged to Turkey.

He said the downed jet was unarmed and had been on a solo mission to test domestic radar systems and that the flight had no connection to the crisis in neighboring Syria.

"Our plane was shot at a distance of 13 sea miles from Syria's border in international airspace," Davutoglu said.

"According to the radar images, our plane lost contact with headquarters after it was hit and because the pilot lost control, it crashed into Syrian waters after making abnormal movements," he said.

"Throughout this entire period no warning was made to our plane."

He said the downed jet had briefly crossed into Syrian airspace 15 minutes before it was shot down but had then also received no warning from Syria. He said such flights often cross into other countries' airspace.

Turkish Prime Minister Tayyip Erdogan would make a statement at his ruling party's meeting in parliament on Tuesday, the foreign minister added. He said Ankara had begun to implement its response to the incident, but gave no details of the plan.

興味深いのは、トルコ大統領と外相の「論理」と表現の使い分けだ。

大統領は「速いスピードだから、つい領空侵犯してしまう様な事も起こる」

外相「間違って領空侵犯してしまった」「他国とのあいだでこう言う侵犯は良く起こる」「何の悪意もない」「シリア危機とは何の関係も無い」「シリア領空を出る時に攻撃された」「国際領空上で撃墜された」「非武装だった」「トルコ旗は明らかに示されていた」

トルコは、シリア大使を追放しており、シリアのトルコ大使館も閉鎖している。反政府派自由シリア軍の拠点はトルコにあり、トルコ南部からのシリアへの武器輸送、傭兵移送は既に報道され、よく知られた事実だ。 そうした事実背景をもった上で「何の悪気も無い、間違った領空侵犯だった」と言っても、イスラエル以外、中東最大最強のNATO加盟軍事国家トルコの言い訳としては、余りに稚拙過ぎる。

一方既に英国外相は「アウトレイジャス」と強い表現でシリアを非難している。

「何の悪意も無い間違ったシリア領空侵犯」のトルコ戦闘機撃墜事件は、NATO全体としてのシリアへの報復機会、人道目的軍事介入の口実を作り出すための「演出」だったのではないか、と疑われてもおかしくない。 もちろん、そんな一般民の国際世論など気にも留めないことは、既に現在までの行われてきたトルコ政府の所業を見ればよくわかる。

興味深い点は、トルコ国内世論、軍内部の反対意見にどう対応するのかだ。

Turks oppose Syria intervention: poll

トルコ市民の3分の2はシリア危機介入に反対しており、トルコは中立を保つべきだと言う意見が強い事が明らかになっている。

 

 

 


UAE原油輸出のホルムズ海峡迂回戦略

2012-06-21 17:50:17 | Latest Post

First oil flows through UAE's Hormuz bypass - sources

UAEの東海岸に位置するフジャイラ首長国は、アラビア湾の出入り口、ホルムズ海峡の外、インド洋へつながるアラビア海に面している。

この戦略的地理を活用して、ホルムズ海峡封鎖危機を脱出すべく、産油地アブダビからフジャイラまで370キロの原油輸送パイプラインを建設していた。

そのパイプラインが完成し、6月21日朝から初めてアブダビ産原油がパイプラインを通ってフジャイラに輸送されたことが確認された。フジャイラターミナルからの最初のタンカー積載は7月1日を目標としている様だ。

丁度この日からEUの対イラン原油経済制裁が実効する。

UAEの原油総輸出量、日量240万バレルのうち、150万バレルをこのパイプラインを通じてホルムズ海峡の外側へ輸送できる。 最大で日量200万バレルまで輸送できるされている。

この戦略的エネルギーインフラ投資は、UAEの生命線収入源、原油輸出の地域政情依存度を大幅に軽減する。

アラビア湾岸の西端に位置するクウェートやバハレーン、カタールに比べ、アラビア海沿岸部にまでいたるUAE領土の地理的有利点をフルに活用した賢い戦略投資だった。

 

 


サウジアラビアがドイツ戦車の購入数を増やす理由

2012-06-17 16:37:20 | Latest Post

【Saudi wants to buy more tanks from Germany - paper 】

サウジアラビアがドイツ戦車購入数を大幅倍以上、600~800台を希望している。

ドイツは、イスラエルとの関係上、アラブ諸国への重装備軍事品の輸出を控えているが、(実際にはサウジアラビアは既にイスラエルとの友好国でさえあると言えるのだが)最近のドイツの軍備縮小計画により、ドイツ軍事産業にとっては新しい市場創出が緊急の課題となっている。ドイツ議会、外務省、国防省はこのサウジへの戦車輸出取引に反対しているが、経済省はドイツ軍事産業救済のため、取引交渉を強く推している。

以下記事本文:ハイライトは管理者による

≪Saudi Arabia wants to buy 600 to 800 Leopard battle tanks from Germany, at least twice the number previously expected, a German newspaper reported on Sunday.≫

≪"The Saudi order could secure the future of German tank-makers Krauss-Maffei Wegman and Rheinmetall, which urgently need new markets because of the restructuring of the German army," said Bild am Sonntag.≫

≪Arms exports are a sensitive issue in Germany given its Nazi past as well as the role arms makers like Krupp played in feeding 19th and 20th century wars with exports to both sides of conflicts.≫

Spanish firm General Dynamic/Santa Barbara would produce the tanks under licence by the German firms, the newspaper said.≫

↑ この最後の〆でも判る様に、この取引もまた倒産寸前のEUユーロ圏諸国、スペインの救済措置を、イラン・ホルムズ危機煽動で高騰した原油価格と同じく制裁イラン原油不足を補うべく記録的増産したサウジアラビアの余剰収入でカバーさせる動きであるかとがよく示されている。 

ロイター伝タイトルと、取引の形は飽くまでもサウジアラビアの希望… とされているが、バハレーンや自国内の民衆蜂起制圧に新たに追加戦車が800台も必要な訳はない。ましてや対岸イランとの戦争が仮に起こったとしても、戦車戦になる訳はないのだから、今この時期に、当初の270台から800台に増やす希望を出す「りくつ」など、倒産諸国へ資金注入するドイツと、高い失業率のスペインへの救済以外には見当たらない。

 

 


カタール、オマーン 12億ドルの米国武器売先

2012-06-15 13:30:59 | Latest Post

Qatar, Oman eye US military sales worth $1.2bn

中東産油諸国が高額の武器購入するのは、「買いたい」からだけではない。「買いたい」様に思い込まされ誘導される、更には嫌とは言えない「買わされる」圧力が厳然とあるからだ。

≪"The US Defence Security Cooperation Agency is eyeing military sales of more than $1bn to Qatar and Oman."≫

≪"This proposed sale will contribute to the foreign policy and national security of the United States by helping to improve the security of a friendly country which has been, and continues to be, an important force for political stability and economic progress in the Middle East," the agency added about both potential sales.≫

≪"The proposed sale of the helicopters will improve Qatar's capability to meet current and future threats and provide greater security for its critical oil and natural gas infrastructure, and significant national events," the statement said.≫

「アラブの春」と称する、西洋のアラブ諸国政政権替え戦略に積極的に融資してきたカタールだが、自国内の潜在的民衆蜂起にも十分に警戒してきた。現役退役とも国軍、警察、公務員の給与の大幅引き上げる現金ばら撒き政策と同時に、治安軍の武装能力も引き上げている事がこの新たな武器購入でもよく示されている。

カタール首長家族はカタール軍が護衛するのではなく、米軍が直接に護衛しているにしても、総勢170万人口のうち、地元カタール人は30万人程だ。その半数は首長一族と同部族だ。 軍事基地の上に建てられたと同様の極小都市国家の首長族が、世界第3の大天然ガス田を「所有」していると言う事は、言ってみれば「人質」と同然だ。生かされている事だけでも有難いのかも知れない。

 

 


ロシアの警告

2012-06-14 17:41:56 | Latest Post

ロシア警告射撃 

シリア危機の様態が変わった、として、NATOのシリアへの軍事介入計画に対し、ロシアはシリアへの派兵を準備している。

6月12日ロシアのNezavisimaya Gazeta紙は、シリア危機状況の悪化から、ロシア軍はシリアでの軍事行動準備をしていると伝えた。

何よりも注目したいのは、軍事行動詳細計画はCSTO(Collective Security Treaty Organisation=旧ソ連構成諸国による集団安全条約機構)加盟諸国により準備されている、と言う点と、中国の合意賛同を得ている、と言う点だ。CSTO加盟諸国は同時に、ロシア・中国が加盟する上海協力機構(SCO)加盟国でもある。

6月6~7日に開催された第12回SCO年次会議

閉幕声明でも明らかにされた、CSTO・SCO加盟諸国のシリア危機に対する懸念の深刻度には、もっと注目するべきだ。

NATO、欧米 GCC諸国のシリア危機に対する軍事介入は、国連安保理承認無しで行われる得る、と言うユーゴスラビアモデルへ移行しようとしている欧米GCC諸国に対して、ロシアと中国は、CSTO/SCO加盟諸国の支援協力をバックして、同じくシリア領内への派遣用意を表明している。

国連が初めて「シリア内戦」を認め、ロシアはシリア国際フォーラム構成を呼びかける一方、2発の大陸間弾道弾ミサイルの試験発射を行っている。1発はロシアが認めている陸上サイロからだが、2発目は地中海配備の潜水艦から発射されたと思われるトレースを複数諸国が確認している。

これらの動きからロシアがNATO/GCC加盟諸国に発しているメッセージは、CSTO/SCO諸国を含む、世界戦争規模へ発展の覚悟をもってシリア危機に対応する、と言う確固とした、譲れない線引きスタンスと読める。

シリア不安的化に深く、グロテスクに入れ込んできたNATO/GCC諸国は、「イグジットプラン」無しに深入りし続けるが、中東全域からユーラシア大陸へも拡がりかねない「世界戦争」へのトリガーを引く用意があるのかどうか。

 

以下、上記サイトからの抜粋:カラーハイライトはブログ管理人による

June 12, 2012 "Information Clearing House" -- Given the worsening crisis in Syria, the Nezavisimaya Gazeta newspaper reported that the Russian army is apparently being prepared for a mission in Syria. Citing anonymous sources in the military leadership, the newspaper said that Russian President Vladimir Putin ordered the general staff to work out a plan for military operations outside Russia, including in Syria.

The units being prepared for an intervention are the 76th Division of airborne forces (an especially experienced unit of the Russian army), the 15th Army Division, as well as special forces from a brigade of the Black Sea fleet, which has a base in the Syrian port of Tartus.

The details of the operational plan are being prepared by the working parties of the Collective Security Treaty Organisation, to which most of the post-Soviet states belong, as well as the Shanghai Cooperation Organization, to which China and Russia belong.


 

 ロシア警告射撃 

↑中にはNATO加盟諸国による様々な非公式軍事行動が報告されている。

At the same time, the armed opposition stepped up its attacks not only against security forces but also against civilians and all the symbols of national culture and of Syria’s multi-confessional character.

They assassinated progressive Sunnis, then randomly killed Alawites and Christians in order to force their families to flee. They burned more than fifteen hundred schools and churches. They proclaimed an ephemeral Independent Islamic Emirate in Baba Amr where they instituted a Revolutionary Tribunal which condemned more than 150 felons, who were then beheaded in public one by one by an executioner. It is certainly not the woeful spectacle of some vagrant politicians, meeting up at the exiled Syrian National Council and erecting a facade of democracy having no relation to the reality of the crimes being committed by the Free "Syrian" Army, that will prevent the truth from coming out much longer. In the circumstances, who can believe that the secular Syrian regime, whose exemplary character was celebrated not so long ago, would have turned into a confessional dictatorship, while the Free "Syrian" Army, supported by the Wahhabist dictatorships of the Gulf and obeying the injunctions of Takfirist preachers would conversely be advanced as a paragon of democratic pluralism?

 

In Turkey, opposition legislators have visited the Syrian refugee camps. They have confirmed the absence of more than one thousand refugees registered by the United Nations in the main camp and noted, by contrast, the presence of an arsenal in the camp. They have also demanded in Parliament that Prime Minister Recep Tayyip Erdogan reveal the rising amount of humanitarian aid being given to phantom refugees. The deputies maintain that the refugee camp is a cover for a secret military operation, sheltering in reality combatants, principally Libyans who are using it as a rear base. The deputies are asserting that the combatants are those who were introduced in the district of Houla when the massacre was being perpetrated.

 

 

 


「灰色の色調」-ホウラ虐殺の再考

2012-06-14 01:14:54 | Latest Post

'Shades Of Grey'- Rethinking The Houla Massacre

国連監視団の調査報告が提出する前にいち早くシリア政府の犯行と断定、非難始めた大手西洋メディアの報道を細かく再現、検証、議論している記事。

BBCのジャーナリスト達が報道しているが、編集戦略で露出度を調整している点や、ブログ記事での報道形態にしている。

6月7日のドイツの日刊主要紙Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ)のレポートを引用し、英国BBCやガーディアンとは全く違った報道を指摘しているが、英国紙は一紙も独紙の報道を引用していない、と。

According to a June 7 report in Germany’s leading daily newspaper, the Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ), the victims in Houla were almost exclusively from the Alawi and Shia communities, and were killed by anti-Assad Sunni militants. The National Review commented:

‘The FAZ report echoes eyewitness accounts collected from refugees from the Houla region by members of the Monastery of St. James in Qara, Syria. According to monastery sources cited by the Dutch Middle East expert Martin Janssen, armed rebels murdered “entire Alawi families” in the village of Taldo in the Houla region.’

We have found no evidence of any UK newspaper covering the FAZ story. ...≫

更にガーディアン他がよく引用する "Syrian ‘opposition activists’ based in the UK." の例として

‘The British-based Syrian Observatory for Human Rights (SOHR) said the massacre was carried out at a farm by pro-regime shabiha militiamen armed with guns and knives after regular troops had shelled the area.’≫

と伝えているが、この Syrian Observatory for Human Rights (SOHR) は、ロイターによると、ラミー アブドゥルラハマーンと言う、コベントリーの2LDKテラス式アパートの自宅で働く服飾店主一人の「組織」である言う。

≪the organisation consists of a single individual, Rami Abdulrahman, the owner of a clothes shop, who works from his ‘two bedroom terraced home in Coventry’.≫

既に欧州メジャー報道局ジャーナリスト、大新聞記者達自身が、隠し切れないシリアの実態を認め、伝えつつあるシリアの「灰色の色調」の現実は、欧米政府、国連、アラブ連盟によって「白か黒=反政府派かシリア政府」図式として、無理矢理にでも国際世論に押し付けようとしている強い政治意図により、ぼやかされ見え難くくなている。

更に話題になったのは、ホウラ虐殺の直後最初に現場に到着した記チャンネル4の記者アレックス トムソンは、政府軍に射殺されるように「自由シリア軍」により、おびき出し罠を仕掛けられ殺されそうになったことを伝えてた事件だ。 同氏のツイートに同様の経験を伝えたジャーナリストも名乗り出ている。

国連は初めてシリア現況を「内戦」と認めたが、「自由シリア軍」そのものが既に諸外国から集められたアルカイダ外人系傭兵が殆どとも伝えられることから、実際には内戦ではなく、不宣告対外戦争であるとみるべきだと考える。

新時代の侵略戦争は、宣戦布告された上に、各国政府連合の正規軍による戦闘などではなく、税金の無い資源豊富諸国の収益や金融ゲームによる商業ベースの資金で雇われるプロ傭兵による「民衆蜂起」や「テロ活動」という名の全く新しい戦略スタイルをとる、と言うことが「アラブの春」に学ぶレッスンだと言える。

 


NATOが準備している偽装情報大キャンペーン

2012-06-12 23:57:04 | Latest Post

 

『ここ数日のうち、恐らくは早くて6月15日金曜日正午、シリア各局のテレビ番組を見よと思っていたシリア市民達は、 それら同じチャンネル画面で米国諜報局によって作製されたテレビプログラムを見ることになる。

スタジオ撮影された、政府による複数の虐殺事件、デモに参加している民衆、大臣や将校達は次々辞任し、アサド大統領は終に国外脱出し、反政府派グループは主要都市中心部に終結、そして新政府が自ら大統領府に樹立を宣言する...』

 NATO加盟諸国と湾岸アラブ協定諸国はシリアでのクーデターと宗派虐殺を準備

↑ 必読推薦

アラブ連盟は既にアラブサットとナイルサット TV衛生会社にシリア局のカットを要請している。アラブ諸国民はシリアからのテレビ情報を一切受けられない事になる。 実際に何が起こっているのか分からなくなる。

NATO加盟諸国とサウジアラビア、カタールは、ここ数週間で大掛かりなスタジオ撮影とコンピューターグラフィックによる、偽「シリア陥落」情報を作成し、シリア国内他、全世界に報道する大虚偽情報作戦を準備していると言う情報。

 

リビアのトリポリ陥落と、緑の広場の民衆結集集会の様子もドーハで撮影された完全な偽装陥落映像だったことが既に実証されている。

今後のメジャー西洋、GCCテレビ報道を注目したい。

 


コフィ・アナン シリアの平和に「Bold steps」が必要と

2012-05-29 20:21:51 | Latest Post

ホウラ虐殺に関してのコフィ アナンの公式コメント 

Annan: 'Bold steps' needed for Syria peace

国連とアラブ連盟からのシリアへの特使に任命されているKofi Annan,  has called on the country's government to take bold steps to prove its commitment to restoring peace during a visit to Damascus.

元国連事務総長は called on "every individual with a gun" in Syria to lay down arms, saying he was horrified by a weekend massacre in Houla that killed about 110 people, including 49 children.

"I urge the [Syrian] government to take bold steps to signal that it is serious in its intention to resolve this crisis peacefully, and for everyone involved to help create the right context for a credible political process," Annan said.

"I am personally shocked and horrified by the tragic incident in Houla two days ago, which took so many innocent lives, children, women and men."

 アナン自身の言葉をよく注意して読む。

 一方AFPの日本語版 フーラの「虐殺」、シリア情勢の転換点に

での論調に注視。アナン計画がどうして失敗すると最初から予測しているのかを熟慮した。特に誰が、そう予測し、何故その人物をリファレンスとして取り上げているのかも考えたい。

Bloodshed in Syria Houla's horror

ロイター提供で使用しているこの↑ 記事の画像は現時点のホウラの画像か、2003年のイラクで撮られた資料かのを確認したい。

ホウラ虐殺に続いている、西洋諸国のシリア外交官追放の動きにも要注目。国連は虐殺がシリア政府の行いであると、現地を訪れた国連監視団の確定報告を受けているわけではなく、シリア軍の砲撃事実だけを認めている。 ところが当初発表された虐殺場面動画と報道では、ナイフと至近距離での銃殺であり、破壊されていない家屋内で殺されている死体を映していた。

個別の武装民兵による虐殺と、政府軍の砲撃被害を意識的に混合して「ホウラ虐殺」と描くことで、虐殺のすべてをシリア政府の犯罪と断定している極めて政治的なマニピュレーションである事を見抜きたい。

 

シリア ホウラ虐殺の現場レポート: アレックス トムソン

【シリア ホウラ虐殺の血なまぐさい事実をつ突き刺し抜いてみる】 

シリア軍統率地域には既に市民は一人も残っておらず、まだシリア軍制圧していない反政府派地域には市民が残っている点を、アレックス トムソン記者が目撃証言している。すなわち、民家に政府軍或いは親政府派の民兵であるにしても、一般民家に入り込んで一人一人110人、それも49人もの子供を反政府軍に気付かれず、止められもせずに殺害し続ける事ができた、としたなら、大きくつじつまが合わない。

110人もナイフや至近距離銃殺して、だれも悲鳴を聞かなかったのか?

もし110人の虐殺が砲撃によるもので、見分けがつかない程に死体はバラバラならば、どうして数々のナイフで抉り殺された子供の死体の画像が多数ネットに掲載されているのか?

国連監視団の現場調査、シリア軍の捜索からは、すでに欧米政府が記録として保有している特定個人の指紋が見つかっている、と言う報道もある。

もし、このホウラ虐殺を機に国連ほか、欧米政府がシリアへの軍事攻撃進入を決定したとすれば、

ウィキリークスで流された、今年2月の「話し合い」で触れられている、「メディアを惹きつける虐殺などが必要になる」とする西洋戦略を思い起こしたい。 サダムフセインのイラク南部シーア派の虐殺は米軍が仕掛けた、とは既に元米軍人が語っている。 リビアでもカダフィの虐殺が口実にされた。 ホウラ虐殺が、シリア侵攻アサド殺へ繋がるかは、これから注目し続けたい。

 


ドバイ空港免税店会社の成長

2012-05-29 13:53:17 | Latest Post

Dubai Duty Free 社の海外進出予定は当面無い

ドバイ空港で免税店を経営するDubai Duty Free社の副会長

Colm McLoughlin氏が第6回アラビアン ビジネス フォーラムのスピーチで明かす。 以前ベイルート、コロンボの空港免税店経営権入札に参加をしたものの、現時点では海外進出する計画は無いと。

ドバイ市場の成長飽和化するまでは海外進出はない。

今年第1四半期の総収入はAED14億2000万(3億9000万ドル)に達した。

2012年末までの目標AED60億

2020年までにAED100億(27億ドル)を目標

 


シリア ホウラ虐殺の現場レポート: アレックス トムソン

2012-05-27 22:10:59 | Latest Post

【シリア ホウラ虐殺の血なまぐさい事実をつ突き刺し抜いてみる】

チャンネル4ニュースのアレックス トムソン記者の現場取材ブログ記事

国連監視団の現場調査中、報告書も提出してない先、既に国連安保理ではシリア政府非難決議案を提出する不思議な動き。

同じく欧米アラブ諸国もいち早くシリア政府の責任追及、非難声明を発表している。【英国外相 シリア政府の虐殺責任否定を拒否】

 

実態はまだ判明していない事は、国連自身が知っているにも関わらずだ。

また、反政府側の自由シリア軍(FSA)自身は国連監視団へ、虐殺は「シャビーハ」武装民兵(親シリア政府)の仕業と報告し、近隣市民も一様に全く同じストーリーをトムソンにも国連監視団にも語っている。

違った話が全く出て来ない、この点にトムソンは疑問を抱いている様だ。

シリア政府軍に同行している同氏のブログ記事でも、ツイッターでも触れているが、シリア政府軍が制圧している地域には一人も市民が残っていない事を目撃しており、国連監視団からも確認されている。 一方、反政府軍が制圧している地域にはまだ市民が残っている。

これらの諸点を繋ぎ合わせてみて、シリア政府軍制圧下で同軍が市民を虐殺できる論拠が無い。 一方、市民が犠牲になる可能性が高いのは、依然市民が残っている反政府FSA支配下地域である事になる。

こうした現場の実態とは、全く別な次元で欧米諸国、国連自身が、虐殺事件をシリア政府の犯罪とし公式非難しようとする試みは興味深い。

 


カタールのブルガリア投資

2012-05-25 16:34:33 | Latest Post

Qatar part of $965m highway project in Bulgaria

 

EUの最貧メンバー国ブルガリアとトルコを結ぶ300キロのハイウェー建設(9億6503万ドル)にカタール政府が2億ドルの投資保証金を出す。

ブルガリア、トルコ、カタールの三国政府間交渉で実現決定した、PPP方法によるインフラ投資。 長年の切望と尽力にも関わらず、どうしてもEUクラブに入れてもらえなかったトルコと、貧困欧州国ブルガリアを繋ぐロジスティック インフラ建設に、崩れ落ちそうなEU経済に替わってカタールが資金を出す。

EUがトルコ加盟を拒んだ事が、どれほどEU圏経済にマイナスかを、カタールの資金バックで見せ付けたいかの如くに見える共同プロジェクトだ。

イスタンブールとダニューブ河の街Ruseを結ぶ高速道路建設は4年で完成予定。貧困未開発な東欧諸国へのオイルキャッシュ豊富なカタールからの投資で、開発市場活性化、雇用創出に導くが、何処の誰への雇用創出になるのか? EU政府ができない公共投資をカタール マネーの使い回しで実現する。

当のカタール、GCC諸国はもちろん、中東アフリカ全域での若年層無職率は26%を超える現状でも、アラブのマネーはアラブ人材開発のためには使われない。

カタールは今後更に、農業、観光産業、インフラ分野他でブルガリアへ1億2708万ドル相当の投資を続ける予定だと言う。

 

EU経済弱体化とGCC諸国、特にもカタールからの資金の「投資」と言う名の流用、投資先傾向を観察していきたい。