EBRD shareholders approve fund to start investment in emerging Arab democracies
The European Bank for Reconstruction and Development が
モロッコ、チュニジア、エジプト、ヨルダンを中心に10億ユーロの投資を開始する。
いままでは主にソヴィエト崩壊後の中央/東ヨーロッパ諸国へ投資してきたが、昨年以降の「アラブの春」の結果、「民主化」されたアラブ諸国の民間部門、特にも中小企業育成、金融業分野の強化、エネルギー供給の改善標準化などのプロジェクトを中心に投資する、と言う。
投資資金は同銀行独自準備から割り当て、現行業務地での資金からは割り当てない。
今後毎年25億ユーロを投資していく。
既に夫々に投資運用地に現地会社を開設、専門家のリクルートも行っている。
「アラブの春」と言うよりは、実際には沈みそうな「欧州の春」を呼び戻すため、MENA市場の経済民主化という名の市場開放であるのは、この点からも実証されることになる。
特にアラブの春、社会改革とは直接的に大きな影響でもなかったモロッコ、ヨルダンが選ばれているのが興味深い。
いずれにしても、モロッコ、チュニジア、エジプトは政治活動はもちろん、政権担当経験がまるでないイスラム原理主義系新政党が突然、国家統治を始める状況下にあえて投資を決定した、欧州金融界の動きは興味深い。
「経験の無い」保守的回教政府への欧州専門家の「産業構築アドバイス」が必要になってくるのは当然だが、実際には、教育の高い有能なアラブ専門家達はイスラム化した自国、アラブ世界には残らず欧米へ頭脳流出し続けるのは、旧政権時代となんら変わらない。
今後も、「アラブの春民主化後のアラブ諸国」への欧米の投資、市場参入状況を注意深く観察していきたい。