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「灰色の色調」-ホウラ虐殺の再考

2012-06-14 01:14:54 | Latest Post

'Shades Of Grey'- Rethinking The Houla Massacre

国連監視団の調査報告が提出する前にいち早くシリア政府の犯行と断定、非難始めた大手西洋メディアの報道を細かく再現、検証、議論している記事。

BBCのジャーナリスト達が報道しているが、編集戦略で露出度を調整している点や、ブログ記事での報道形態にしている。

6月7日のドイツの日刊主要紙Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ)のレポートを引用し、英国BBCやガーディアンとは全く違った報道を指摘しているが、英国紙は一紙も独紙の報道を引用していない、と。

According to a June 7 report in Germany’s leading daily newspaper, the Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ), the victims in Houla were almost exclusively from the Alawi and Shia communities, and were killed by anti-Assad Sunni militants. The National Review commented:

‘The FAZ report echoes eyewitness accounts collected from refugees from the Houla region by members of the Monastery of St. James in Qara, Syria. According to monastery sources cited by the Dutch Middle East expert Martin Janssen, armed rebels murdered “entire Alawi families” in the village of Taldo in the Houla region.’

We have found no evidence of any UK newspaper covering the FAZ story. ...≫

更にガーディアン他がよく引用する "Syrian ‘opposition activists’ based in the UK." の例として

‘The British-based Syrian Observatory for Human Rights (SOHR) said the massacre was carried out at a farm by pro-regime shabiha militiamen armed with guns and knives after regular troops had shelled the area.’≫

と伝えているが、この Syrian Observatory for Human Rights (SOHR) は、ロイターによると、ラミー アブドゥルラハマーンと言う、コベントリーの2LDKテラス式アパートの自宅で働く服飾店主一人の「組織」である言う。

≪the organisation consists of a single individual, Rami Abdulrahman, the owner of a clothes shop, who works from his ‘two bedroom terraced home in Coventry’.≫

既に欧州メジャー報道局ジャーナリスト、大新聞記者達自身が、隠し切れないシリアの実態を認め、伝えつつあるシリアの「灰色の色調」の現実は、欧米政府、国連、アラブ連盟によって「白か黒=反政府派かシリア政府」図式として、無理矢理にでも国際世論に押し付けようとしている強い政治意図により、ぼやかされ見え難くくなている。

更に話題になったのは、ホウラ虐殺の直後最初に現場に到着した記チャンネル4の記者アレックス トムソンは、政府軍に射殺されるように「自由シリア軍」により、おびき出し罠を仕掛けられ殺されそうになったことを伝えてた事件だ。 同氏のツイートに同様の経験を伝えたジャーナリストも名乗り出ている。

国連は初めてシリア現況を「内戦」と認めたが、「自由シリア軍」そのものが既に諸外国から集められたアルカイダ外人系傭兵が殆どとも伝えられることから、実際には内戦ではなく、不宣告対外戦争であるとみるべきだと考える。

新時代の侵略戦争は、宣戦布告された上に、各国政府連合の正規軍による戦闘などではなく、税金の無い資源豊富諸国の収益や金融ゲームによる商業ベースの資金で雇われるプロ傭兵による「民衆蜂起」や「テロ活動」という名の全く新しい戦略スタイルをとる、と言うことが「アラブの春」に学ぶレッスンだと言える。

 



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