以下、最初の時事通信記事は既に消去されている。この時点ではAFP伝として、≪山本美香さん(45)は3人のジャーナリストと自動車に同乗していた際、親アサド大統領派の民兵組織に攻撃されたと報じた。AFP通信が伝えた。≫ としており、≪襲撃した武装勢力は反体制武装組織「自由シリア軍」のような装いだった。≫ と言う運転手の証言を伝えている。
ところがその後、≪山本さんと同行し、毎日新聞の電話取材に応じたジャパンプレス代表の佐藤和孝さん(56)によると、≫
≪佐藤さんによると、トルコから銃撃現場となったアレッポに入ったのは現地時間の20日。自由シリア軍に同行し、政府軍との空白地帯に入り、ドラム缶などで各所を封鎖しながら進んでいたという。 ≫ 全く違うストーリーを伝えている。2番目の引用記事。
この各関係者報道機関の食い違い、時事通信記事消去、と言う事実だけで既に「報道のクレディビリティー」喪失が確立されてしまった。
先ずは、CIAとトルコ共同で管理するトルコ・シリア国境を越えて「自由シリア軍」管理下地域へ入れた、と言う事実そのものが既に一方の「管理下取材」であった事実。
結果的に、実際の検証も証拠も無いにも拘らず、シリア戦争に無宣言で直接参戦しているフランスの外務省がシリア政府非難と言う形で「利用」した事実。
シリア戦争で欧米政府は「Massive Casualty Producing Events」と言う概念の作戦を導入している、と言う事を覚えておきたい。
以下コピーペイスト引用≪
親大統領派が銃撃か=シリアで死亡の山本さん―同乗の3人誘拐される?
時事通信 8月21日(火)16時1分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120821-00000082-jij-int
【カイロ時事】米政府が出資するアラビア語衛星テレビ、アルフッラは21日、激戦が続くシリア北部アレッポで20日に死亡した独立系通信社ジャパンプレスの日本人女性ジャーナリスト、山本美香さん(45)は3人のジャーナリストと自動車に同乗していた際、親アサド大統領派の民兵組織に攻撃されたと報じた。AFP通信が伝えた。
同テレビが運転手の話として報じたところでは、襲撃した武装勢力は反体制武装組織「自由シリア軍」のような装いだった。しかし、同組織側は事件への関与を否定、政権側の仕業だと主張している。インターネット上の動画サイト「ユーチューブ」には、山本さんが親アサド大統領派の民兵組織「シャビーハ」に殺害されたとのタイトルの動画が投稿された。
在英人権団体「シリア人権監視団」によると、アレッポではレバノン人女性記者と米メディアで働く男性、トルコ人記者の計3人が行方不明となった。3人は車に同乗していたとみられ、誘拐された可能性も浮上している。
≫引用終わり。
以下コピーペイスト引用≪
http://mainichi.jp/select/news/20120821k0000e030160000c.html
山本さん死亡:迷彩服の一団が銃乱射 同行者語る
毎日新聞 2012年08月21日 13時19分(最終更新 08月21日 15時41分)
シリアで死亡した山本美香さんと行動を共にしていたジャパンプレスの佐藤和孝代表(56)は21日午後、毎日新聞の電話取材に銃撃を受けた当時の状況を語った。
佐藤さんによると、トルコから銃撃現場となったアレッポに入ったのは現地時間の20日。自由シリア軍に同行し、政府軍との空白地帯に入り、ドラム缶などで各所を封鎖しながら進んでいたという。
佐藤さんは「午後3時半ごろ、前方から迷彩服を着た10人以上の一団が向かってくるのが見えた。恫愒(どうかつ)するような大きな声を上げて銃を乱射してきたので、身をかがめながら一目散に逃げた。山本さんは最初、僕の右後ろにいたが、はぐれてしまった」などと語った。
アレッポの病院で既に死亡していた山本さんと対面したという。
≫引用終わり。
以下コピーペイスト引用≪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120821-00000112-mai-soci
<山本さん死亡>被弾時もビデオ撮影 国際社会もシリア批判
毎日新聞 8月21日(火)22時40分配信
シリア北部アレッポで20日、独立系通信社「ジャパンプレス」所属の女性ジャーナリスト、山本美香さん(45)が死亡した事件で、フランス外務省がシリア当局を批判する声明を発表するなど国際社会に悼む声が広がった。政府系民兵集団とみられる迷彩服を着た一団に銃撃されるまで、取材用のビデオカメラを回し続けていたことも分かり、国際団体「国境なき記者団」もホームページで追悼の意を表した。
【シリア:ジャーナリスト山本美香さん死亡 戦闘に巻き込まれ】
山本さんと同行し、毎日新聞の電話取材に応じたジャパンプレス代表の佐藤和孝さん(56)によると、今回の取材はトルコ南部キリスを拠点にし、16日にシリア北部のアザーズを訪問。20日はアレッポを日帰りの予定で訪れ、10人以上の迷彩服を着た一団に突然、銃を乱射された。
山本さんの遺体は病院で佐藤さんが確認。所持していたビデオカメラの映像にはアレッポ市民の様子などが映り、突然映像が途切れていた。佐藤さんによると、被弾時の映像といい、21日夜の日本テレビ「NEWS ZERO」で紹介された。
シリア取材前、山本さんは佐藤さんに「華やかなオリンピックの陰で、砲弾が落ち、空爆の下で暮らす人々が、どんな思いで生きているのか伝えたい」と話していたという。
今回の事件後、フランス外務省報道官は「シリア当局は記者と報道の自由を守る義務があるのに、組織的に記者を抑圧している」と述べ、アサド政権を批判した。AFP通信が伝えた。また、「国境なき記者団」はホームページで、山本さんについて「戦争取材の経験豊富なベテラン記者」と紹介し、「遺族や友人、同僚のみなさんに心から哀悼の意を表する」と表明した。
在トルコ日本大使館によると、遺体はトルコ南部の主要都市アダナに21日到着。司法解剖後、帰国手続きが取られるが、日程は未定という。【高島博之、川名壮志】
≫引用終わり。
シリアの状況を見ていると、個人的には、シリア政府なのか反シリア政府なのか、という状況ではないと思うのですが、何故、はっきりと政府側が悪いという印象の断言をしたのかが気になっていました。
また、反政府派の拠点、欧米軍、諜報部の拠点を置き、シリアへ武器輸送、戦闘員輸送しているトルコから自由シリア軍管理下へ取材に入るジャーナリストの全ては、一方的なバイアス意見報道、統管制報道しかしてきていない、と言う厳然とした事実があります。
事実を伝える取材のためではなく、欧米政府が伝えたい歪曲情報、プロパガンダを流すための取材許可であることがハッキリしているからです。
そう言う条件を事前に承知しない限りトルコからシリア自由軍支配下現地に入れないですし、もし条件に反すれば誘拐、殺害と言う見せしめが外国人記者に既に何件も起こっています。
夫がレバノン出身なので,レバノンにはよく行きますし,シリアにも行ったことがあります。不思議なのは,彼女が「日本人」と特定されていたことです。私は何回あちらに行っても,一度で「日本人」と特定されたことがありません。中東でなじみがあるアジア系は,出稼ぎの多いインドネシア,マレーシア,フィリピン,あとは映画で知っている中国で,「日本人ですか?」とか「韓国人ですか?」などと聞かれることは滅多にないのです。
それに,彼女が残したという映像を見る限り,彼女を特定した人物は自由シリア軍のバリケードの内側にいます。それでは政権側のスパイの意味がありません。
政権側には,彼女を攻撃してもメリットは何もありませんが,自由シリア軍側には,国際世論に訴えるというメリットがあります。
非常に不自然だと感じます。
日本人特定できる可能性の不思議については、5週間シリア入りしていた安田純平氏も指摘していました。
日本人記者がその地域に入っている事を確実に知っていたのは、そこまで同行させた自由シリア軍であって、政府軍或いは親政府グループではない筈ですね。
またご指摘のとおり、この時期に日本人女性記者を殺して最も利するのは誰か? を考えてた時、明らかに政府ではなく、反政府派であることも判ります。
状況を論理的に分析した上で推測できる範囲を超えることはできない事も確かです。
同地域文化をよくご存知の方なら、恐らくお気付きかと思いますが、日本にいて地域事情に深くない記者やコメンテイター、評論家などの意見と地域社会の現実の温度差の激しさは何とも言い表し様が無いものがあると思います。
私も、いろいろ検証していますが、この事件は不可解な点が多いです。
突然表れた「シリア政府軍」
奇妙に感じています。
更にまた
http://jp.reuters.com/article/jpAntigovernment/idJPTYE87Q00Y20120827
当初のAFP報道とはくい違った情報を出してきて、ますます怪しさを増してきたと思わざるを得ないと思います。
この件からだけでも推察できることは、それほどまでに激しい情報戦、イメージ管理、情報管理がこのシリア戦争にしかれている... と言う事は殆ど実態は事実はメジャーメディアからは露出されていない、ということなんだと思います。
実感します。
突然現れた、「政府軍」の兵士。
前方の「反政府軍」兵士には目もくれず、山本美香さんだけ狙う。
近くにいた佐藤氏は撃たれなかった。
そして、山本美香さんは首の後ろから、弾丸が貫通。
カメラの落ち具合から見ると、振り返って逃げたようには思えません・・。
いろいろ不可解です。
また自由シリア軍側がしつこく後出し情報を出してくる事自体がまた逆に怪しさを招いています。他の殺害されたジャーナリストには関しては、それほどこだわったフォローアップ情報を出していない様ですから。
拘れば拘るほど、計画されていた可能性を強くすると思えるのですよね。
いずれにしても、明らかな事は、情報操作戦争であると言う点です。