中国、潜水艦戦力を増強 米議会報告書「米海軍の主要な脅威」
【ワシントン=古森義久】米国議会調査局は二十四日までに中国の海軍力増強の実態を詳述した報告書を作成した。議会の政策指針となる同報告書は米海軍が中国の海軍増強を脅威とみていることを明らかにし、特に中国が潜在敵の海軍艦艇を攻撃する各種ミサイルを大幅に強化する一方、潜水艦戦力では「世界でも最も野心的な拡張」を進めているとして議会に防衛政策面での対応措置の必要を訴えた。
「中国の海軍近代化=米国の海軍力への意味」と題された約八十ページの同報告書は上下両院議員の法案審議の資料として作成された。報告書は国防予算を審議する同議会にとっても中国の軍拡は主要な懸念の対象になったと冒頭で明記、ジョン・ウォーナー上院軍事委員長が「米海軍にとって中国海軍はチャレンジ」と定義づけたうえ、米海軍のベルン・クラーク作戦部長が同軍事委員会に「米海軍にとっての主要な脅威は中国海軍であり、その動向には重大な懸念を抱いている」と報告したと記している。
報告書は米国にとって最も意味の大きい中国海軍関連パワーの近代化としてまず、「台湾や日本の目標に照準を合わせて中国側に配備された合計七百三十基ものCSS6、CSS7などの中・短距離弾道ミサイルの多くが複数機動型個別誘導弾頭(MaRV)ミサイルへと改造されつつあり、将来は海上の艦艇をも攻撃できるようになる」と警告した。
さらに中国が新配備あるいは開発している海軍関連攻撃兵器として(1)地上攻撃巡航ミサイル(2)対艦巡航ミサイル(3)地対空ミサイル(4)艦艇攻撃の航空戦力-などを指摘した。
同報告書は中国の潜水艦戦力の増強が米側に深刻な懸念を生んでいるとして、中国がいま同時に少なくとも五種類の潜水艦を取得しようとしていることは「世界でも最も野心的な潜水艦拡張の努力」と判定し、特に最近の動きとして「中国は九〇年代に購入したロシア製のキロ級潜水艦四隻に加え、さらに同八隻を取得中」と述べている。そのほかに新規に開発中の潜水艦として(1)戦略弾道ミサイル原潜094型(2)攻撃型原潜093型(3)攻撃型通常潜水艦041型「元」級(4)攻撃型通常潜水艦039型「宋」級-の四種があげられた。
報告書はさらに既存の潜水艦として最近、日本領海に侵入した攻撃型原潜「漢」級や戦略弾道ミサイル原潜「夏」級、旧式の「明」級、ロメオ級などをあげ、中国は世界の「潜水艦大国」を目指し、このままだと二〇二〇年までに三十五隻の新潜水艦を取得して、合計五十隻以上の新鋭攻撃型潜水艦を配備、米海軍を圧倒すると予測した。
報告書は中国海軍がロシア製のソブレメンヌイ級駆逐艦や敵艦の電子機能を破壊する電子爆弾の配備をも進めているとしてその軍拡の異常なまでの規模と速度を強調し、その狙いは「台湾攻撃の際の米軍介入の阻止」「アジア地域での軍事主導権の主張」「中国の海洋領土、経済、エネルギー権益の防衛」などだとしている。
とまぁ、具体的な開発や配備(予定含む)状況を指摘してこう言う報告が出てるんですけど…
この前、前原氏の中国脅威論を真っ向から否定した鳩山君にこれについて再び発言をいただきたい物です。
中国の軍拡と言うと、高性能な正面装備(直接戦闘する)が目立つ一方で、後方装備(直接戦闘しない)があまり目立たなかったわけですが、実際、調べてみるとこちらもかなり充実してきているのがわかります。
あとは近代化装備に対応できる兵士の育成と言った所でしょう。
具体的な高脅威としては
中国空軍
・J-11
J-11はロシア製のSu-27戦闘機の中国での名称。
Su-27はロシアがF-14・15・16に対抗するために作られた機で、能力は同等、もしくは上である。
また同機を改良発展させたSu-30MKKや海軍仕様のSu-30MKK2も配備され、さらなる改修型であるMKK3も配備予定である。
・IL-78
今年9月にロシアから8機購入すると発表された空中給油機。
Su-30MKKの行動範囲が大幅に拡大される。
・Y-8EW
先日紹介した電子戦機。
EP-3Eから流出した米軍でも最先端の技術を搭載している可能性あり。
中国海軍
・蘭州級
昨年に一番艦が就役。
「中国版イージス」の異名をとる中国の最新鋭艦
・ソブレメンヌイ級
ロシアから購入した駆逐艦。
冷戦時代の船だが、対空母艦隊を意識した高い水上打撃力、とりわけ同艦に搭載されている対艦ミサイルは世界最高レベルの超音速対艦ミサイルのため、対処は極めて困難。
またソブレメンヌイ級の改良型も2隻発注している。
・馬鞍山級
今年2月から配備され始めた新型フリゲート
船体のステルス形状は、中国海軍艦艇で最も優れているとされる。
・094型
現在開発されている弾道ミサイルを搭載した、新型原子力潜水艦。
・093型
新型原子力攻撃潜水艦、今年1番艦が就役予定だったので、既に実戦配備されているかもしれない。
・元級
昨年に初めて存在が確認された通常型潜水艦。
詳細は不明だが、従来艦より性能が上がってる事は間違いないだろう。
・キロ級
ロシアから輸入した通常型潜水艦
冷戦時代の遺物と思っている人も多いが、3番艦以降は636型と呼ばれるタイプでそれ以前の物とは比べ物にならない性能を持っており、「世界で最も静かなディーゼル潜」と目される。
その他、多数の揚陸艇を配備している他、ガス田近海では新型情報収集艦の活動が確認されていたり、まだ目処は立たないが空母を持つ計画もあり、実際、ロシアから買い上げた退役空母の構造調査を行っている。
こいつは早目に叩いておかないと駄目だと思う人はクリック
【ワシントン=古森義久】米国議会調査局は二十四日までに中国の海軍力増強の実態を詳述した報告書を作成した。議会の政策指針となる同報告書は米海軍が中国の海軍増強を脅威とみていることを明らかにし、特に中国が潜在敵の海軍艦艇を攻撃する各種ミサイルを大幅に強化する一方、潜水艦戦力では「世界でも最も野心的な拡張」を進めているとして議会に防衛政策面での対応措置の必要を訴えた。
「中国の海軍近代化=米国の海軍力への意味」と題された約八十ページの同報告書は上下両院議員の法案審議の資料として作成された。報告書は国防予算を審議する同議会にとっても中国の軍拡は主要な懸念の対象になったと冒頭で明記、ジョン・ウォーナー上院軍事委員長が「米海軍にとって中国海軍はチャレンジ」と定義づけたうえ、米海軍のベルン・クラーク作戦部長が同軍事委員会に「米海軍にとっての主要な脅威は中国海軍であり、その動向には重大な懸念を抱いている」と報告したと記している。
報告書は米国にとって最も意味の大きい中国海軍関連パワーの近代化としてまず、「台湾や日本の目標に照準を合わせて中国側に配備された合計七百三十基ものCSS6、CSS7などの中・短距離弾道ミサイルの多くが複数機動型個別誘導弾頭(MaRV)ミサイルへと改造されつつあり、将来は海上の艦艇をも攻撃できるようになる」と警告した。
さらに中国が新配備あるいは開発している海軍関連攻撃兵器として(1)地上攻撃巡航ミサイル(2)対艦巡航ミサイル(3)地対空ミサイル(4)艦艇攻撃の航空戦力-などを指摘した。
同報告書は中国の潜水艦戦力の増強が米側に深刻な懸念を生んでいるとして、中国がいま同時に少なくとも五種類の潜水艦を取得しようとしていることは「世界でも最も野心的な潜水艦拡張の努力」と判定し、特に最近の動きとして「中国は九〇年代に購入したロシア製のキロ級潜水艦四隻に加え、さらに同八隻を取得中」と述べている。そのほかに新規に開発中の潜水艦として(1)戦略弾道ミサイル原潜094型(2)攻撃型原潜093型(3)攻撃型通常潜水艦041型「元」級(4)攻撃型通常潜水艦039型「宋」級-の四種があげられた。
報告書はさらに既存の潜水艦として最近、日本領海に侵入した攻撃型原潜「漢」級や戦略弾道ミサイル原潜「夏」級、旧式の「明」級、ロメオ級などをあげ、中国は世界の「潜水艦大国」を目指し、このままだと二〇二〇年までに三十五隻の新潜水艦を取得して、合計五十隻以上の新鋭攻撃型潜水艦を配備、米海軍を圧倒すると予測した。
報告書は中国海軍がロシア製のソブレメンヌイ級駆逐艦や敵艦の電子機能を破壊する電子爆弾の配備をも進めているとしてその軍拡の異常なまでの規模と速度を強調し、その狙いは「台湾攻撃の際の米軍介入の阻止」「アジア地域での軍事主導権の主張」「中国の海洋領土、経済、エネルギー権益の防衛」などだとしている。
とまぁ、具体的な開発や配備(予定含む)状況を指摘してこう言う報告が出てるんですけど…
この前、前原氏の中国脅威論を真っ向から否定した鳩山君にこれについて再び発言をいただきたい物です。
中国の軍拡と言うと、高性能な正面装備(直接戦闘する)が目立つ一方で、後方装備(直接戦闘しない)があまり目立たなかったわけですが、実際、調べてみるとこちらもかなり充実してきているのがわかります。
あとは近代化装備に対応できる兵士の育成と言った所でしょう。
具体的な高脅威としては
中国空軍
・J-11
J-11はロシア製のSu-27戦闘機の中国での名称。
Su-27はロシアがF-14・15・16に対抗するために作られた機で、能力は同等、もしくは上である。
また同機を改良発展させたSu-30MKKや海軍仕様のSu-30MKK2も配備され、さらなる改修型であるMKK3も配備予定である。
・IL-78
今年9月にロシアから8機購入すると発表された空中給油機。
Su-30MKKの行動範囲が大幅に拡大される。
・Y-8EW
先日紹介した電子戦機。
EP-3Eから流出した米軍でも最先端の技術を搭載している可能性あり。
中国海軍
・蘭州級
昨年に一番艦が就役。
「中国版イージス」の異名をとる中国の最新鋭艦
・ソブレメンヌイ級
ロシアから購入した駆逐艦。
冷戦時代の船だが、対空母艦隊を意識した高い水上打撃力、とりわけ同艦に搭載されている対艦ミサイルは世界最高レベルの超音速対艦ミサイルのため、対処は極めて困難。
またソブレメンヌイ級の改良型も2隻発注している。
・馬鞍山級
今年2月から配備され始めた新型フリゲート
船体のステルス形状は、中国海軍艦艇で最も優れているとされる。
・094型
現在開発されている弾道ミサイルを搭載した、新型原子力潜水艦。
・093型
新型原子力攻撃潜水艦、今年1番艦が就役予定だったので、既に実戦配備されているかもしれない。
・元級
昨年に初めて存在が確認された通常型潜水艦。
詳細は不明だが、従来艦より性能が上がってる事は間違いないだろう。
・キロ級
ロシアから輸入した通常型潜水艦
冷戦時代の遺物と思っている人も多いが、3番艦以降は636型と呼ばれるタイプでそれ以前の物とは比べ物にならない性能を持っており、「世界で最も静かなディーゼル潜」と目される。
その他、多数の揚陸艇を配備している他、ガス田近海では新型情報収集艦の活動が確認されていたり、まだ目処は立たないが空母を持つ計画もあり、実際、ロシアから買い上げた退役空母の構造調査を行っている。
こいつは早目に叩いておかないと駄目だと思う人はクリック
