中学生の頃に住んでいた小さな町。
親父の仕事の関係で3年置きくらいに引っ越しをしていた僕は、故郷のようなものがどこにもない。が、もしあるとするならこの室蘭かもしれないと思う。
この町で何かが僕の中で変化したように思う・・・取り立てて過去を思い出し「奴ら何やってるかな~」なんて思う事もほとんどないが、この室蘭の頃に遊んでいた奴らには、そんな思いが多少なりともあって、自分の中でも不思議な感情を持つ。
僕の住んでいた家から、港まで歩いて5分もかからなかった。その港で、一人ボーッと海を眺めているだけで楽しかった。飽きもせず眺めていたのを憶えている。その湾の向こう側には室蘭製鉄所があり、夜になると、その溶鉱炉の真っ赤な炎が夜空を赤く染めていた。夕焼けとも朝焼けとも違う、その赤い夜空を見るのが僕は好きだった。
「燃えよドラゴン」が一世を風靡し、カンフー映画にハマった僕は、その小さな街で上映されるカンフー映画を全て見倒した時代でもあった。そのいくつかあるうちの一つの映画館の向い側に、当時思いを寄せていた由香ちゃんの住むビルがあった。由香ちゃんの家は裕福で、自社ビルの上の階に住まいがあった。カンフー映画を見終えた後、僕はその対面にあるビルを見上げ、ビルの窓から由香ちゃんが顔を出す事を祈りつつ映画館を後にしていた。そんな甘酸っぱい思い出みたいなものが、さらに郷愁を募らせるのかもしれない。
僕が住んでいた頃は、小さいながらも賑わいを見せていたその街並も、今ではゴーストタウン化しているらしい・・・
そんな室蘭の空撮があり(僕が室蘭から越した頃かな?)、僕の住んでいた家も発見しました。真ん中近くに赤い太陽のようなマークを付けた所が、中学時代に住んでいた家です。僕以外の人にとっては全くどーでも良い話しでしょうが。笑