例年のごとく、今年も7月31日の土曜日、プライド週間の最大の出し物、プライド・パレードが行われた。
主催者によると、今年のパレードの参加者は4万人、見物人は35万人であった。
いま、HBTQ(7月26日の「ストックホルム・プライド」ーホモやレズたちの最大の祭典の記事を参考にしてください)問題は、人はみんな平等であり、ありたい自分として生きることができる、という民主主義的な観点から、社会の大きな関心事となっている。
しかも、今年はあと1月半後に総選挙が行われるので、各政党は競ってパレードに参加し、積極的に性的マイノリティーをバックアップする姿勢を示した。キリスト教民主党(KD)だけは例外で不参加。この党の支持層はコンサバ志向で、従来からの家族形式を好んでいるからだ。
毎年、党首クラスも参加する。保守系現政府からも、数人の大臣が参加している。ただし、なかでも目を引いたのはブルンディ出身の平等大臣のニャンコ・サブーニと、ホモであることをカミングアウトしているアンドレアス・カールグレン環境大臣であろうか。
次をクリックするとパレードの様子がうかがえる。ニャンコ・サブーニは8番目、アンドレアス・カールグレンは13番目の写真にみられる。
http://www.svd.se/nyheter/inrikes/arets-prideparad-i-gang_5067231.svd
写真に見る平等大臣のサブーニは、スパイダー・ウーマンの扮装で、パレード参加を楽しんでいるように見える。彼女は12歳のときに、両親と共にスウェーデンに移住してきている。そして現在は大臣。なんだか、「誰でも努力すれば成功する」と表わされる、アメリカン・ドリームを地でいっている感じだ。
他方、環境大臣カールグレンは、1995年にホモセクシャルであることを公表し、自分のボーイフレンド(?)とパートナー登録をしている(その後、法律が変わり、今は同性婚が可能)。前妻との間に子どもが3人ある。
アフリカからの移民や、国によっては重刑に処されるゲイが、大臣になっているなんて、考えようによってはすごいことではないか。マイノリティーが公の場に姿を現わせば現わすほど、一味変わった市民に対する社会の許容度と市民社会の成熟度が高くなっていくのだと考える。スウエーデン社会の将来が明るくみえて、なんだか心強い。
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