ぼちぼち スウェーデン

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「コールガール」はどこにいる?

2013-02-08 | 書きとめておきたい事など

 この世の中には、とてつもないおっちょこちょい、ドジ、偏見と思いこみが強い、KY(空気が読めない)人がいる。幸か不幸か、わたしもそういう人間の種類にはいる。そのおかげでしょっちゅう、遭わないでもよい出来事に遭遇する。

その中でも自分ながらも傑作すぎるというケースを書きとめておきたい。とは言え、これを読む人全部が学習して同じような失敗はしないとは思わない。ドジな人はドジであり、自分で経験して始めてわかるのだから・・。

もう大分前のことである。70年~80年代だったと思う。

その頃わたしは、ストックホルムでガイドや通訳をしていた。当時、ガイド仲間でとり沙汰されていたのは、一流のSホテルのバーに夜な夜な出没するというコールガールのことであった。ある日、仕事が終わってから、やはりガイド仲間のMさんを誘って、くだんのSホテルに出かけて行った。

どのような女性たちなのか、一目見てみたい一心であった。すてきなインテリアのバーをゆっくりぐるっと一周する。女性は誰もいない。

あっ、ひょっとしたら2階ではなく、1階の方なのかもと、わたしたちは時間をかけならが1階と2階にあるバーを順繰りに偵察して回った。

バーには背広にネクタイのビジネスマンらしい男性がかなりの数で、静かにお酒を飲んでいるが、女性はひとりもいない。段々と焦りを感じた。

「噂はウソだったのか?」。時間だけがどんどんと経ち、焦りがはげしくなっていく。

何度も何度もあたりをウロウロしていたので、バーに腰かけている男性たちは、遠慮のない目でわたしたちを見だした。それ以前はそっと目立たない目でちらりと見ていたのであるが、それがいつの間にか意味あり目つきに変わっていた。その頃になった始めて、わたしたちこそが、探している「コールガール」ではないのかと気がついた。

考えてみれが、同行のMさんは小柄で一重まぶたの目じりがすっと上向きで、ちょっとした「東洋の美女」系だ。私もまだ若く、そんなふたりが飲み物をとるわけでもなく、男性のまわりをウロウロ、ウロウロしているのだから、誤解を招くのは当然だろう。それに気付いてから、ほうほうのていで逃げ出した。

あとから考えると、きっと時間が早すぎたのだ。まだ、夕方だった。多分、彼女たちが出没するのはもっと遅い時間だったのだろうと思う。とにかく、自分はそうでないと思いこんで、とん馬な行いをするなんて信じられない。それから何十年もたっているいまなら、もっと早く分かっただろうか。疑問である。

 

 


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