ぼちぼち スウェーデン

スウェーデンで見たこと、聞いたこと、考えたことを、同時代に生きるみなさまとシェアーを!

スウェーデンのお墓

2012-11-04 | 人々のくらし

今週末はスウェーデンのお盆にあたる。

親族の墓石を掃除し、針葉樹が主材料の花輪を飾り、長時間持続のローソクをともす。

暗くなってから墓地に行くと無数のローソクの灯がきれいだ。

ついでだが、こちらには「たましい」は墓場にいない。空気が乾燥しているためであろうか。

日本式の先祖代々の墓は、昔はあったと思うが、人の移動が激しくなるとともに、核家族が家族体系の主流となった。家族の墓というと、たいてい夫婦と未婚の子どもが入っている場合が多い。

ついでにいうと、こちらでは苗字に関係なく同じお墓に一緒に入れる。いつか街中のある教会墓地であった女性は自分の一人娘のお墓に花を供えに来ていた。そのお墓には娘さんのイギリス人の夫、それに一番最後に亡くなった女性のおつれあいが入っておられた。小さな墓石には4名の名前が彫られるようになっていて、最後の空白が私の場所よ、とその彼女は言って涙した。一人きりになってさびしいのでよくお墓を訪れるのだそうだ。人の絆には苗字は全然関係ないようだ。

もう少し付け加えると、埋葬の仕方には3種類ある。一番、一般的なのは火葬、つまり故人の骨のつぼを墓石のしたに埋める方法であり、次が遺体をそのまま葬る土葬がある。Wさんはこの第二の方法を選ばれた。3つ目は無名の墓に葬られることである。これについては前に書いているので参考にされたい。(ブログ2011-08-18, 近所のWさんが亡くなった)、(ブログ2011-08-23, ミンネス・ルンドで泣いた人)。

 

 

 近所にある公園墓地の一般的なお墓

  

  左 寿命5ヶ月にしかならなかった赤ちゃんのお墓 この辺りには幼児の墓が集中的にある

 

 墓地権

日刊紙DN(11月2日)によると、国籍や宗教に関係なくスウェーデンに登録されている人は全員、墓場をもつ権利があるそうだ。経費は税金で賄わるれ、葬られてから25年無料で墓場を維持できる。複数の人が入る場合は最後の人が入ったときから25年間の墓地権と計算されるそうだ。その期間が過ぎると、地方によって異なるが、有料あるいは無料で15~25年間の墓地権が更新される。

時期が過ぎても遺族による更新の申し出でがない場合は、場所は新しい人の手にわたる。取り払われた墓石は粉砕機にかけられ再使用される。

更新率はこれも地方によって差がある。ストックホルムの場合は66%が更新される。3分の1の墓石の寿命が一世代25年で終わるのだ。しかし、ずっと北にある地方都市ルレオ(Luleå)での更新率は90%である。