聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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専門医になりたいあまりの行動だもの

2010-04-14 02:15:44 | 指導医日記
最近のマイブームが『専門職の自己形成モデルと研修医の行動学』
仰々しいけど
ま~簡単に言えば今の研修医の行動・言動も専門医を目指したいって気持ちの素直な表現
だからま~大目に見て気長に成長を見守ろうって自己暗示

憧れの指導医にように診察したい
あんな風に手術や手技ができるようになって
自分も信頼される医師になりたい!
一方で研究もやって論文を書いて
カンファレンスでは鋭い意見を言えて
外来ではちゃんと患者さんに『それはこういうことです』って説明できて
さらには患者さんの悩める問題を共有して
そして笑顔でサービスできるようになりたい!

まさにここに書いたことって
専門職の自己形成モデルを文章化したままのもの

だから仕方ないって思ってるわけです

まず目の前の指導医が師弟関係で自己形成を行ってきたわけだし
未だにそれが正しい姿と信じて疑わず
さらにそれを変えることは自己否定になりかねない(大げさ
さらに一方で
深い知識を持ち優れた技術を身につけてこそ専門家であり
その上で患者さんの問題に取り組み
余裕が出てきたら笑顔でサービス提供する
(あ~だから上の先生ほどネクタイで白衣もきちんと着こなすのか~)

そうなると
若い中堅の指導医が
白衣の前ボタンをかけずサンダル履きで颯爽と廊下を駆け抜ける姿は
そこに至る過程を見ているわけだ

指導医やすぐ上の直接指導する若い先生たちがそうしてきたのだから
憧れている研修医がスタイルを簡単に変えられないのは仕方ない

でもちょっと待って
そこに教育的な計画的なものがあるのか?って疑問

憧れの指導医は
目の前の患者を自分流のエビデンスに基づく治療で治すことに専念
そこで治療がうまくいき患者が喜ぶ姿をみて
研修医も凄いな~今度あれを真似てみようって頑張る
すると偶然そのときに話し方や診察の態度を真似て診療すると
『まさに先代の親方を彷彿とさせる診察手法だな~』なんて周囲の感嘆の声
老舗のお店の伝統の味の継承者
いずれのれん分けさせてくれるかもね

でも考えていると
ほら~それって研修医側の努力ですよね
そう研修医が頑張って真似ただけ


たとえば
『夜間指導医がどんな風に当直して頑張ってるか知ってるか?』
って研修医に力説したら
そりゃ~憧れの指導医の後ろ姿をみて技を盗みたい研修医は当直します
言われるがまま何日もね
確かに必修化後制限されるようになっても
後ろ姿をみて真似ることが良い研修って刷り込みがなされていれば
そりゃ~泊まるでしょう
自主的にね
でも一方で健全ではなく精神的に負荷がかかることは数多くの報告で明らか
ではそれに耐えられなかった研修医はダメ?ってことを聞きたい
センスがないのだ!と言わんばかりの研修は考え直さないとって思う

だからこそ自分の研修は自分で考えて
研修スケジュールを立てて自主的な研修を行う
そこがポイント
専門医になりたい!ってよくわかるその気持ち
だから何が専門医かってちゃんと指導する事の方が急がないといけないことなのかも
そう思う日々

さてここ数日夜中の緊急手術が連日続いているけど
診療を終えて帰って行く研修医の姿に
『お疲れ~!明日がんばれよ!』って声をかけながら
『(これでいいよな・・・・いいはず)』って思っている自分も
師弟関係自己形成モデルで手技を身につけ
技術的熟練者自己形成モデルが専門職の有るべき姿と信じて疑わなかった世代のひとり
苦悩しているのです
はい