プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

ボリス・ゴドノフ

1918-07-24 | 日本滞在記
1918年7月24日(旧暦7月11日)

 麗しのアリアドナは、ここにもまた足跡を残していた。ホテルの庭を、無口なイタリア人がさまよいながら、『ボリス・ゴドノフ』のメロディーを口笛で吹いている。彼は『ボリス・ゴドノフ』に出演していたロシア女性に恋をし、思い出に浸っているのだ。今はもうアメリカに行ってしまったその女性の姓は……ルマノバ。


訳注・大田黒元雄の日記によれば、この日もプロコフィエフは午後3時ごろから大田黒を訪ね、ピアノを弾き、語り合い、「スクリアビン、メッナー(メトネル)、レーガー、ラヴェルなどの譜を十冊程」持ち帰ったという。

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