プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

未来派の夕べ

1918-05-26 | 日本滞在記
1918年5月26日(旧暦13日)

 今日は自作の物語に取りかかった。「夢」をモチーフにした話を威勢よく書きだした。気分もじきにかなりよくなる。
 午後は競馬場に行った。バリモントの友人ヤンコフスキー夫人の馬が出場し、賞をとった。スタートの瞬間は面白かったが、一、二時間もすると、あとは退屈だった。

 地元の未来派の夕べに出席。彼らは本物の未来派のような活躍を目指しているが、その作品はずいぶん無邪気なものだ。私は地球議長、すなわち彼らの直接の指導部として喝を入れようとしたが(というのも本場イタリアの未来派には素晴らしい規律があるから)、はたして効果があったものか。