卓球に見る反復の重要性

 BSで松下浩二のドキュメントを(途中から)視聴。

 卓球はスピードとパワーを競うスポーツであると同時に、ボールの回転を読み合う頭脳のスピードを競うスポーツでもあります。本番組の松下浩二は希代のカットマンとして、日本の卓球界をリードしてきた名選手。彼が身につけてきたカットのテクニック、ボールコントロールの技巧、そして相手の特徴を見抜く戦術眼は、すべてこれまでの練習と試合で培われてきたものです。

 いわば、反復の報償。

 練習でひたすら技術を磨くと同時に、一流卓球選手はボールの回転の見抜き方、そしてその対処法を身につけていきます。おそらく彼らの中で、回転に対するスキルは容易に言語化できるスキルではないはず。<スピード><コース><パワー><回転>、プラスチックのボールに加えられたあらゆる要素を一瞬のうちに処理し、自らの打つべきボールを判断するには、いちいち言語に頼っていては試合が成り立ちません。

 そのシンキングスピードと正確な身体反応こそが、<反復の産物>。松下浩二は、いまだ衰えない戦術眼で日本卓球界を第一線で牽引しつづけています。
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