4番手の笑顔

 村主が優勝、恩田は2位 フィギュア4大陸選手権

 この記事だけを見ての感想ですが、恩田美栄の笑顔が印象的です。

 この大会で日本人最高、つまり村主章枝を上回らなければ、世界選手権への出場を阻まれる恩田。結果、SPでもフリーでも村主に次ぐ成績で、3人(残り2人は荒川静香と安藤美姫)の代表枠に入ることができませんでした。しかし上記リンク先にある写真での晴れやかな笑顔を見ると、力を出し切った充実感があったのでしょう。

 今度の世界選手権では、日本代表3選手は全員が表彰台に上る可能性があるレベルの選手。この大会も翌年のトリノオリンピックへの代表選考材料となるようですので、全員が好成績をおさめると恩田のオリンピック連続出場は難しくなるかも知れません。ソルトレークでは思うような結果が出せなかった彼女ですから、トリノへの想いは人一倍強いのではないかと思います。

 表彰台での彼女の気持ちはいかばかりのものだったのでしょうか。今シーズンは、あまり調子が良くないので、はじめから諦観の念があったのか? それともくやしさを押し殺しての笑顔だったのか?
  今年末の全日本やグランプリファイナルもオリンピック代表への選考材料となるらしいので、すぐに気持ちを切り替えていたのかもしれません。

 フィギュアスケートは言うまでもなく個人競技です。団体戦などというものはありません。けれど、一人ひとりの精神状態が周囲に与える影響は、団体競技に劣らないものがあるものです。ここで恩田が充実した表情を見せていることは、村主に、荒川に、安藤に与える影響も小さくないでしょう。それはフィギュアに、あるいはスポーツに限りません。

 直接の成果を手にすることができなくても、腐ることなく努力を続ける人がいれば、成果を手にするできた者は、努力をおこたるわけにいきません。たとえば、営業成績上位3人にインセンティブボーナスが与えられる状況で、4位だった人が誰よりも努力する姿勢を欠かさなければ、上の3人も安穏とはしていられません。

 私は恩田の笑顔で、モスクワでの3人の活躍を確信しています。そして年末には、恩田も加え4人で、さらに浅田姉妹や太田などの若手も加わって、世界一レベルの高い日本フィギュア界が盛り上がりそうです
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