数値化の冒険

 近年、人々はさまざまなジャンルにおいて、行動を数値化することで客観評価を行うように努力してきました。それは企業においてSPIやコンピテンシーという形式で用いられ、スポーツ界ではサッカーのOPTAであり、アメフトにおけるレーティング、さらにはベストセラーとなった「マネーボール」では敏腕GMビリー・ビーンの功績として、彼独自の数値評価手法が描かれています。
 ビジネスにおいても、スポーツにおいても、目に見えぬもの、正解のないものを数値で表すことは、評価の正当性を希求する人間の欲求が生み出す根源的な行為なのです。

 しかし、そうした行いによって本当に「正当な」評価が生まれるのかには疑問が残ります。いかなる数値基準も、それ自体を定める際の主観を排除することは不可能であり、主観の産物である物差しによって測られた評価は、絶対客観ではあり得ないからです。

 今後もあらゆる社会で、評価の客観化を追い求める作業は続けられて行くことでしょう。スポーツにおいては、その数値自体がファンの目に多角的な視野を与え、よりエンタテイメント性を増すための道具となり、ビジネス界においては数値は人事査定の根拠として重用され続けます。
 私たちは、その数値を一歩下がった所から、感心し、批判し、学び、そして壊し続けていかなければならないのです。

小論文、コンピューターで自動採点 入試センターが試作


昨日のスポログは10点満点の7.5点
今日のこの文章は5.5点でした
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