わかりにくいところがあればコメントください。私も頭がこんがらがってくるような話なので巧く説明できる自信がありません。
細菌たちの会話、クオラムセンシング(QS)について本編第1回目です。
今日は会話のポイントがDNAである細菌に焦点をあててみます。
細菌が周囲の菌の存在を知り、その存在の量比が新たな活動や抑制を生みだす仕組みがQSです。
お互いの存在を知るツールは細菌の種類によって様々であり、その生命活動も様々です。
中でも、会話が重なった結果、最終的にDNAを受け取る能力が上がったり、受け取ったDNAそのものが更に内部で活動を生みだしたりする細菌を紹介します。
■肺炎双球菌
肺炎双球菌というのは高校の生物でも出てくる有名な細菌で、形質転換、つまり、外部のDNAを取り込んで、自分が持っているDNAにすることができる細菌です。
この外部のDNAを取り込む性質がQSによって調節されています。
①肺炎双球菌の comC というDNA領域から、 ComC というペプチド(アミノ酸のつながったもの)が翻訳(つまりDNA情報がタンパク質に変換)されます。
② ComC は少し消化され、更に小さなペプチドである CSP になります。
③ CSP は細菌の外へ出て、他の細菌の中に入り込みます。
この CSP が肺炎双球菌の会話の言語ツールです。
==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== 肺炎双球菌のDNA(位置は適当です)
↓
↓①翻訳
↓
ComC(ペプチド)
↓
↓②消化
↓
CSP(小ペプチド) 細胞内
===↓=========================
↓③分泌 細胞外
CSP
CSP
CSP CSP
CSP CSP
④ CSP が他の細菌に認識されると、他の細菌は「あ、周りに仲間がいるんだなー」と(人間的に言えば)認識することになります。
ここでポイントなのは、菌の数が増えれば、細胞外は総体的に CSP の濃度が高くなってくる点です。密度が高くなると言うとわかりやすいでしょうか。
1つの菌だけポツンとあって、CSPを分泌していたって、そのCSPは他の菌に接触する機会は少ないわけです。
周囲に菌がたくさんいる
||イコール
CSP がたくさん存在するようになる
||イコール
CSP が菌に認識される頻度も上がる
というわけです
⑤この CSP は、 comX というDNA情報の転写を活性化する働きがあります。
⑥活性化されて出来た ComX は、 形質転換遺伝子領域 の転写を開始させる働きを持っています。
(専門的に言えば、 ComX はRNAポリメラーゼと結合、形質転換遺伝子領域の開始部分を決定する役割。このように開始地点を決定する働きを持つものをシグマ因子といいます)
⑥形質転換開始信号
←←←←←←←←←←←←← ComX
↓ ↑
↓ ↑⑤転写
==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== DNA
↑
↑④活性化
CSP
↑ 細胞内
========================↑=========
↑ 細胞外
CSP
CSP
CSP CSP
CSP CSP
従って、見た目には、「菌数が多いと形質転換の形質が見受けられる」ということになります。
その実際は、このような機構となっていたわけですね。
長くなりました・・・・・・・・疲れました。
何が疲れるって、ブログでこういう図式を色つきで書くのは面倒・・・・。
何を隠そうこの図を完成するまでに3日間かかってしまいました。
こんな調子で続きが書けるかなぁ・・・。(涙)
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今日は会話のポイントがDNAである細菌に焦点をあててみます。
細菌が周囲の菌の存在を知り、その存在の量比が新たな活動や抑制を生みだす仕組みがQSです。
お互いの存在を知るツールは細菌の種類によって様々であり、その生命活動も様々です。
中でも、会話が重なった結果、最終的にDNAを受け取る能力が上がったり、受け取ったDNAそのものが更に内部で活動を生みだしたりする細菌を紹介します。
■肺炎双球菌
肺炎双球菌というのは高校の生物でも出てくる有名な細菌で、形質転換、つまり、外部のDNAを取り込んで、自分が持っているDNAにすることができる細菌です。
この外部のDNAを取り込む性質がQSによって調節されています。
①肺炎双球菌の comC というDNA領域から、 ComC というペプチド(アミノ酸のつながったもの)が翻訳(つまりDNA情報がタンパク質に変換)されます。
② ComC は少し消化され、更に小さなペプチドである CSP になります。
③ CSP は細菌の外へ出て、他の細菌の中に入り込みます。
この CSP が肺炎双球菌の会話の言語ツールです。
==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== 肺炎双球菌のDNA(位置は適当です)
↓
↓①翻訳
↓
ComC(ペプチド)
↓
↓②消化
↓
CSP(小ペプチド) 細胞内
===↓=========================
↓③分泌 細胞外
CSP
CSP
CSP CSP
CSP CSP
④ CSP が他の細菌に認識されると、他の細菌は「あ、周りに仲間がいるんだなー」と(人間的に言えば)認識することになります。
ここでポイントなのは、菌の数が増えれば、細胞外は総体的に CSP の濃度が高くなってくる点です。密度が高くなると言うとわかりやすいでしょうか。
1つの菌だけポツンとあって、CSPを分泌していたって、そのCSPは他の菌に接触する機会は少ないわけです。
周囲に菌がたくさんいる
||イコール
CSP がたくさん存在するようになる
||イコール
CSP が菌に認識される頻度も上がる
というわけです
⑤この CSP は、 comX というDNA情報の転写を活性化する働きがあります。
⑥活性化されて出来た ComX は、 形質転換遺伝子領域 の転写を開始させる働きを持っています。
(専門的に言えば、 ComX はRNAポリメラーゼと結合、形質転換遺伝子領域の開始部分を決定する役割。このように開始地点を決定する働きを持つものをシグマ因子といいます)
⑥形質転換開始信号
←←←←←←←←←←←←← ComX
↓ ↑
↓ ↑⑤転写
==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== DNA
↑
↑④活性化
CSP
↑ 細胞内
========================↑=========
↑ 細胞外
CSP
CSP
CSP CSP
CSP CSP
従って、見た目には、「菌数が多いと形質転換の形質が見受けられる」ということになります。
その実際は、このような機構となっていたわけですね。
長くなりました・・・・・・・・疲れました。
何が疲れるって、ブログでこういう図式を色つきで書くのは面倒・・・・。
何を隠そうこの図を完成するまでに3日間かかってしまいました。
こんな調子で続きが書けるかなぁ・・・。(涙)
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結局そのときの状況ですかね。
培養条件を一定にして、菌数とCSP濃度の検量線を書くことで、菌数を調べることしか出来なければCSPがわかるし、タンパク量しか調べることが出来なかったら菌数がわかるという程度でしょうか。
図は記事を書くときにというタグを使って等幅フォントにして書いています。文字に色をつけなきゃ楽なのですが、今回は色をつけたり背景をつけたりしたので面倒でした。
でも文章じゃわからないなぁ。。。と思って頑張りました。わかりやすく伝わってよかったです。
それにしても、QSの機構がここまでスマートに解明できるなんてすごいですよね~
あと、図は見やすかったです。すごいですね~どうやって書いたんですか?