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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

昆虫で研究を

2005-02-20 11:42:19 | サイエンストピック

*注意!
今日の話題は虫が駄目な人は読まないほうがよく、食事時の人はまたあとで来て下さい。



ゴキブリ退治に妙薬? メスの性フェロモン解明 (朝日新聞) - goo ニュース

日本にはびこる2大ゴキブリのひとつ、チャバネゴキブリのオスが引きつけられるメスの性フェロモンが特定された。人工合成したその化合物を使って、1晩に30匹以上のオスを捕まえることにも成功した。オスにしか効かないが、ゴキブリ退治の妙薬として使える可能性がある。
 見つけたのは米コーネル大の元研究員、野島聡さん(現・信越化学工業主任技術員)やウェンデル・ローロフ教授らのチーム。18日付の米科学誌サイエンスに発表する。
 チャバネゴキブリの性フェロモンが存在することは93年に行動観察などで確認されていたが、少量しかない上、壊れやすく、特定が困難だった。野島さんは加熱を抑えた質量分析方法を編みだし、1万5000匹のメスを使って解明した。新しい化合物で、チャバネゴキブリの学名などからブラテラキノンと命名した。

 フェロモンに詳しい佐久間正幸・京都大農学研究科教授は「このゴキブリには性フェロモン以外に、仲間を見分けるものなど数種のフェロモンがあるので、使い方を工夫すれば、メスや子にも効果が上がるはずだ」と話す。


これで家庭用の薬が開発されれば、我が家のゴキブリも激減しそうな、かなり嬉しい研究データが発表です。

毎度毎度、この手の話題を目にするときに思うのですが、昆虫相手に研究をしている人を私は尊敬します。
何を隠そう、私は昆虫がダイッキライです。
正確には、「甲殻類」が苦手です。硬い殻を持った動物で節があるもの。(海老や蟹も含めます。)
このニュースで、15,000匹とありますね・・・。
なまじどういう実験か想像できるだけに、かなり脅威です。
解体したり潰したりするんですよー、ドロドロにしたりするんですよー(多分)。

ウヒー ブルブル

でも、その状態になったあとなら抽出作業は多分できます、私。
なにせ実験好きなもんで。(笑)
毎日新聞社の記事では「最終的に5μgを精製」と掲載されていました。
ということは、5μg÷15000匹≒0.33ng(ナノグラム)=330pg(ピコグラム)/1匹。
グラムに直せば0.00000033g。
それを抽出回収して、解析して、同定して、化学合成する手法を確立して・・・と考えると、なんとも気が遠くなるような作業量であることが想像されます。

野島さんの「熱を抑えた質量分析手法」が確立されたことが、この研究を成功させた鍵。
こういう研究に携わることが出来たら研究者冥利につきるというものです。

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レーザーの質量分析計って熱かかりましたっけ?
学生時代に新機種で触らせてもらったことがあるような。
ちょうど入れ替わりで出てきてしまったのであんまり覚えていないのですが・・・。
ご存知の方いらっしゃいましたら、是非教えてください。
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