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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

出血熱性ウイルス流行

2005-03-24 04:53:46 | 理系ネタ
眠れずにニュースなぞ見ていたらとんでもない記事があった。
アンゴラ、マールブルグ・ウイルスで96人が死亡 (ロイター) - goo ニュース
2005年03月23日(水)
アンゴラ、マールブルグ・ウイルスで96人が死亡
 [ルアンダ 22日 ロイター] アンゴラと国連当局者は22日、アンゴラ北部でマールブルグ・ウイルスに感染したことが原因で96人が死亡したと明らかにした。
 マールブルグ・ウイルスは、出血性の熱を呈する「高病原性」かつ「高伝染性」のウイルスで、致死性の高いエボラ出血熱と同じ型。体液を通じて感染するが、感染はこれまでほとんどなかった。
 感染は、死者が出ている北部のウイジェ州から拡大する恐れが出ており、当局者はロイター通信に、「潜伏期間は21日なので、近隣の州や、特にルアンダで調査を強化する必要がある」と語った。
 ウイジェ州では、これまでに107人が感染し、96人が死亡している。このウイルスに対する治療法は、確立していない。


マールブルグウイルスは、太さが約80nm、長さが約800nmの紐状のウイルスで、エボラウイウルスとは同じフィロウイルス科。

現在までに感染した例は、
1967年 ドイツのマールブルグ、フランクフルト、ユーゴスラビアのベオグラードで
    ワクチン製造のためにウガンダから輸入したアフリカミドリザルが感染源で
    感染者は31人、7人(23%)が死亡
1975年 南アフリカで感染者3人、1人死亡。
1980年 ケニアにて感染者
1982年 南アフリカ
1987年 ケニア
1999年 コンゴ
これまでに感染経路などが特定されておらず、接触感染はもちろん、飛沫感染もあるのではないかと言われています。
ワクチンもまだ開発されていません。
これまでの感染例から、致死率は1次感染で30%といわれていました。
ところが、今回は実に90%近い致死率です。
もともと、このウイルス、サルにおいては致死率が100%だというデータは明らかになっていました。
ウイルスの性質が変化している可能性が高いのではないかと思っています。
サルにおいて感受性が高かったウィルスが、人間に感受性が高くなるように変化したウィルス。
ウィルスの変異は容易です。
感染者が3桁まで拡大した今回の感染、更に拡大しないことを祈るばかりです。

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