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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

雪がちらちら

2006-03-13 20:58:28 | 日記
関東では、チラチラ雪が降ったみたいです。
昨日はあんなにポカポカ、春一番も吹いていたのに。
桜が待ち遠しいです。

大学時代に私は北海道に住んでいたのですが、「春が待ち遠しい」と感じるのは、ここに住まないとわからない気持ちだな、と思ったものです。
なにせ一年の半分は雪と氷で地面が覆われてるんです。
(札幌ではないことがばればれ。笑)
地面が見えたときには、ああ・・・・春だ・・・とホッとしたものです。



HDふぉ~・・・・

2006-03-04 22:44:38 | 日記
ノートパソコンのHDがご臨終です。
1年間眠らせていたパソコンを稼動しています。
このパソコン、動くのはいいのですけど、もううるさくてうるさくて・・・。

明日は修理に出してきまーす

実験は体力勝負?

2006-03-03 21:47:40 | 実験ネタ
デスクワークによる事前資料のまとめなどが終わって、最近は実験が密です。
実験する前日に用意できるところはしておいて、当日は、文字通り出社してから帰社時間まで実験。

本日は約80検体、各検体につき3枚のシャーレで混釈培養(注1)、すなわち約240枚のシャーレに作業をしました。
これ全部一人でやるのー?と計画した自分を呪ったのは、半分が終わったころ。

実は培養だけの作業ならいいんですよ、200枚くらい。
検体の試験条件の設定やセッティングや実行から何から、ぜーんぶ一人。
誰か手伝ってくれるといいな・・・とは思ったのですが、実は私、手伝われるのが苦手です。
だから、手伝ってくれる人がいるといいなーとは思いますけど、実際手伝われるとかなり気を使ってしまいます。

あ、話がそれました。

それで最後のほうはですね、体力落ちてきまして。
しかも金曜日ですし。残りの体力もほんの僅かです。
ビンの蓋がきっちりしめられないんですよ。
検体は全部ビンに入っている液体なんですが、ねじ回すタイプのフタ付きで、フタを閉めてガチャガチャと振って混ぜるんです。
しっかり閉めてるつもりが、振ってみて漏れてくることに気づく、の繰り返しでした。
握力落ちちゃってるんですね。

あーちかれた。
明日は計画きちんと練ろう・・・。
でも一番仕事が進むのがこの時期なんですよ。なにせ一心不乱に何も考えず実験に没頭しているから。
消耗は激しいが結果が出るのも多い。
体力は落ちるが成果は上がる。
こうやってワーカーホリックは生まれるんですね。


注1:混釈培養
 検体(検液)をシャーレに取って、加温滅菌で溶けている温かい培地を直接シャーレに流し込み、そこですかさず水平に動かして、ゆさゆさグルグル混ぜ混ぜする培養方法)

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鯨油の資化細菌と共生

2006-02-27 20:28:22 | 微生物との共生
世の中には、まだまだ知らない生き物がいるものなのですね。

新種か、鯨の骨にゴカイ 相模湾で海洋機構が採取(共同通信) - Yahoo!ニュース 2月22日18時29分更新
海洋研究開発機構は22日、静岡県熱海市沖の相模湾に沈んだ鯨の死骸(しがい)から、新種とみられるゴカイの仲間を発見したと発表した。23日から神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館で公開する。
 同機構がことし1月、無人探査機ハイパードルフィンで、深さ約900メートルの海底に沈んだマッコウクジラの骨に取り付いているのを採取した。
 この仲間は、いずれも鯨の死骸から見つかることから「ゾンビワーム」とも呼ばれ、2004年に米カリフォルニア沖で見つかったのが最初。これまでに世界で3種の報告がある。日本では同機構が04年に鹿児島県南さつま市沖約10キロの東シナ海でやはり鯨の骨から見つけ、別の新種とみて調べている。


文中、2004年に見つかった「ゾンビワーム」についての英文記事はこちら→'Zombie worms' found off Sweden
さて、このゾンビワーム、なんだか変な生き物らしい。
その名の由来は鯨の死体に取り付いているように見えたから。

探せど探せどメスしかいない、と思っていたら、メスはそのヒダヒダに小さな小さなオスを内蔵していた、とか。
そして、その生体構造はもっと不思議。
身体には管しかなく、どうやって栄養を得ているのかと思いきや、鯨の骨になっている部分は根っこのようになっており、その部分に細菌を共生させているのだとか。(写真を見るとわかると思いますが、すごく内蔵っぽい
その細菌は油を分解する能力があって、そのおかげで骨の中の油を栄養にしつつ、この「ゾンビワーム」は生きているらしい。
油を分解する能力があるってことはリパーゼとか持ってるのかな?
油が分解できると、廃油の浄化槽とかで使うことができるんですよ。
どんな細菌なのか見てみたいなぁ。培養が難しそう。

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カテゴリ整理

2006-02-24 20:04:46 | 日記
一年ぶりにカテゴリの整理をしました。
今回は、シリーズ化したものorしそうなものをいくつか抜粋して、タイトルとした
・細菌鞭毛機構と細胞の機構-共通点
・細菌たちの会話
・植物の免疫機構と微生物の戦略
・菌を顕微鏡で見る

と、様々な話題を寄せ集めた以下のカテゴリとしました。

・細菌は疎水性?
・様々な微生物
・バイオレメディエーション
・サイエンストピック
・微生物との共生
・身近な衛生

他のものは日記とか雑記とか、適当に放り込んであります。
雑然としていたので、これで読みやすくなっているといいのですが。


次世代燃料が日本海に

2006-02-21 19:37:38 | 様々な微生物

先日次世代燃料を作る未知微生物 16srRNA系統図とは? で、
「メタンハイドレード」という次世代燃料を微生物が生成している可能性がある、という話をブログで記事にしましたが、
このメタンハイドレード、日本海に大量に眠っているらしいです。
メタンハイドレードは凍ってるのに燃える不思議な物質。
これを微生物が生成しているというのですから、なかなか未知の微生物はやりますな。
日本海には沢山の未知な微生物が眠って(生きて?)いるかも。
わくわくしますね。

“燃える氷”巨大なガス田、新潟沖に?…日本近海で初 (読売新聞) - goo ニュース

東京大学、海洋研究開発機構などの研究チームは20日、高密度のメタンガスが氷に閉じ込められ、“燃える氷”と呼ばれる「メタンハイドレート」が、新潟県上越市沖の日本海海底深部に、深さ100メートルの柱状に存在していると発表した。
 メタンハイドレートの一部は海底に露出しており、研究チームは、その規模から、海底下深部に巨大な天然ガス田があるとみている。

 メタンハイドレートが海底まで露出した例は、メキシコ湾、カナダ・バンクーバー沖などであるが、日本近海で見つかったのは初めて。

 研究チームは、魚群探査機によって、気泡として浮上するメタンガスの濃度が濃い位置を特定。上越市の直江津港北西約30キロの海域(深さ900メートル)を中心に、無人潜水艇で調査した結果、メタンハイドレートが海底面に幅100~200メートルにわたって点在していることを2か所で確認した。

 さらに、メタンハイドレートの露出した海底を、同機構の海洋調査船「かいよう」の短い鉄パイプで掘削したところ、最長で2・6メートルのメタンハイドレートが採取できた。

 メタンハイドレートが存在する海底は、他の海底に比べ電気抵抗が著しく高いことが知られる。メタンハイドレートを採取した下部にも、メタンハイドレートと同じ電気抵抗を示す物質が深さ100メートルまで続いていることもわかった。

アレルギーマーチ

2006-02-17 21:50:07 | 雑記
突然ですが、「アレルギーマーチ」って軽やかな響きですよね。
アレルギー症状が特定の原因物質で起こっていると、免疫機構が崩れて他の原因物質にも過敏に反応してしまい、新たにアレルギーとして成立してしまう。
それがどんどん連鎖し、アレルギー原因となるものがどんどん増えていく状態となることを言います。
アレルギー症状には鼻炎、結膜炎、皮膚炎のほか、突発性の湿疹(蕁麻疹)、胃腸炎(下痢)などがあります。

ところで、私のアレルギーも行進中・・・あ、進行中のようです。
小学校で、アレルギー性結膜炎(原因未特定)
中学校で、アレルギー性鼻炎(原因は今考えるとダニ)
高校で、アレルギー性鼻炎(花粉症タイプ)(原因は今考えると、通学途中に散々曝されたカモガヤ
大学で、金属アレルギー(原因は耳に開けたピアス穴からの金属)
社会人になって、どうやらエビカニ類に触ると皮膚炎。

つーことで酷かったので4年前位に病院で調べてもらったところ、
その時に判明したもの。(抗体反応が最高レベルでクラス6)

・ハウスダスト クラス6
・ダニ クラス5
・スギ クラス5
・ヒノキ クラス3
・カモガヤ クラス3
・その他花粉2種 クラス2
・イヌ クラス2(飼ったことないっす)
・そのほか 忘れましたが猫は入ってなかった(´∀`)

まーそんなもんかと。思ってたわけですよ。
蕎麦とかヨモギとかはなかったんですよねー。
食べ物系は少ないから楽だな、と。

また昨年12月に検査をする機会があったんですよ。
今日結果を聞きまして。新たに加わった一品。

牛乳。(若干擬陽性)

・・・・・・毎日200ml以上飲んでますが。( ,,´・ω・)
だから牛肉食べると下すのかな?(関係なさそう)

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朝型さんと夜型さん

2006-02-14 19:54:48 | サイエンストピック


「私夜型なんだよねー」「えー俺起きてられないや」

そんな会話を一度は交わしたことがあるはず。
実はこれも遺伝子の作用のせいかもしれません。

体内時計の遺伝子、朝の作動が重要…理研チームが発表 (読売新聞) - goo ニュース

 ほぼ24時間周期のリズムを刻んでいる哺乳(ほにゅう)類の「体内時計」は、異なる時間に働く16個の時計遺伝子によって制御されているが、朝に働く遺伝子のオン・オフ(活性・停止)が正常に作動しないと、周期リズムが消滅してしまうことを、理化学研究所などの研究チームが突き止めた。
 睡眠障害などの治療薬開発につながる成果で、12日付の専門誌「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に発表された。

 16個の時計遺伝子のうち9個は、朝の時間帯に働く。同研究所発生・再生科学総合研究センターの上田泰己チームリーダーらはこれまでの動物実験で、「朝型」遺伝子を働かなくすると、昼や夜に働く時計遺伝子にも影響し、細胞全体の周期リズムが消えてしまうことを確認している。

 今回、同センターと米スクリプス研究所は、朝型の時計遺伝子が常に働いている状態にして影響を調べた。

 その結果、この場合も細胞の周期リズムが消えることが判明。研究チームは、朝型の時計遺伝子の「オン」「オフ」の正常な切り替えが、細胞の周期リズムを保つうえで非常に重要であると結論付けた。

 体内時計の複雑な仕組みの解明は、睡眠障害の診断や治療薬開発などにつながると期待されている。



朝きちんと起きないと、朝の遺伝子にスイッチが入らず、昼に働く遺伝子も、夜に働く遺伝子もスイッチが入らない。
そうすると細胞がちゃんと一日の時間帯を認識できず、細胞が混乱して周期リズムを失ってしまうということですね。
夜型の人は周期リズムを失っているんですねー。
正常にするためにはやっぱり昼に活動する必要があるのかな?
でも、進化の過程で哺乳類は昼のほうが活動できるようになったわけです。
夜でも明かりがあり、家があり、特に問題なく活動できるようになった人間は、更なる進化を経て、夜型でも正常に細胞が動くようになるかもしれません。
まぁ、それが確立されるのは億年後だと思うんですけど・・・。

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ダイワハウスCM 細胞の新築パーティ

2006-02-12 19:32:59 | 雑記


細菌も家が欲しくて自分たちで作ろうとしてるのかも。
家を作ったらやっぱり友達も招きたいし。

「ダイワハウスのCM紹介」

この「細胞編」は何度見ても仕事と重なってしまって面白いです。
今のところこのページで動画を配信している様子。
細菌もこういうことしてるかも・・・とか顕微鏡見てるときに想像力働いてニヤニヤしそうです。
招いた友人が「ウキウキで足取り軽し」なのが笑えます。

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次世代燃料を作る未知微生物 16srRNA系統図とは?

2006-02-09 20:20:52 | 理系ネタ
実は昨日書いていたんですけど、またしてもブラウザの戻るボタンを押してしまい、きれいさっぱり消えてしまいました。
ということでリベンジ。

今でも微生物の存在は地球にとってなくてはならないものですが、私たちの未来を担う存在でもあるのです。

世界で初めて微生物によるメタンハイドレート形成過程の解明に糸口 平成18年2月6日発表 独立行政法人海洋研究開発機構

「燃える氷」作る微生物、国際チームが初めて確認 (読売新聞) - goo ニュース


・・・・・・・・・・・・・・要約すると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.次世代の燃料として期待されている「メタンハイドレード」は、どうやら生物が生成した形跡がある。

2.メタンハイドレードに関係する生物は今まで知られていなかった。

3.メタンハイドレードが存在する海底の堆積物を取ってきて、その中にRNAがあるかどうか調べた。

4.RNAの調査は、微生物の進化系統図を作成するときに用いられる「16s rRNA系統解析」を用いた。

5.系統解析ではこれまで知られていないデータが得られ、未知の微生物が存在する可能性が示唆された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、この中で出てくる16s rRNA系統解析。なんのこっちゃわからない方も多いのでは?
これはつまり微生物の進化を調べるときにとても都合のいい解析手法なのですが、なぜ都合がいいのかわかりやすく説明してみようと思います。
その前に、rRNAとはなんだろう、というところから行ってみましょう。

rRNA リボソームアールエヌエー (ribosomal RNA)

RNA・・・リボースを糖として持つ核酸。rRNA、tRNA、mRNAが主なほか、snRNA、snoRNA、gRNA、miRNAなどがある。
rRNA・・・リボソームを構成するRNA。RNA全体から見て8割を占める。
リボソーム・・・
       真核生物と原核生物で大きさが違い、それぞれ大きなユニットと小さなユニットが結合している状態。
16s rRNA・・・・原核生物の小さなサブユニットは、沈降定数16S のリボソームで構成されている。

ところで何故16S rRNAで進化のことがわかるのでしょう。
16S RNAは比較的保存性が高い核酸で、保存性の高い部位と比較的変異のある部位があり、比較するに必要十分な長さとして存在し、更に細胞内にたくさん存在するから楽なんです。

そして、一番重要なこと。
微生物は培養する条件に実に敏感です。
ちょっとでも温度が不適切であったり、なければ増殖できない物質が足りなかったり、果ては栄養が極限まで少ないところでないと生きることが出来なかったり、そういうことが原因で培養が不可能なことが多いです。
未知の微生物となると、その適正な培養条件がわかりません。
そこで、拾ってきた土の中に微生物がいる(いた)かどうか、16S RNAを調べ、推測することが出来るのです。
16S RNAは系統図を作成するときにも役立つものですから、今まで系統図化されてきた微生物との相関図も作成することができます。

保存性が高く残っているRNA。
それだけ全ての生き物の中で重要な役割をもち、しかも無駄なものを省いているということですよね。
生物は詳しく見ればみるほど、興味深いものです。

久しぶりに!
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