神田橋から下流を見ると、右手に公園らしきものが見えました。
右岸へまわると、下高井戸おおぞら公園と表示されていました。
この公園は、杉並区が東京電力のグラウンドだった場所を取得し、平成29年にオープンさせた公園です。
防災設備を備え、かまどベンチやマンホールトイレも設置されているようです。
この公園で見かけた里程標に「みなもと6.6km すみだがわ18㎞」と表示されていました。
この里程標を見て私は、今日は中野辺りまでが限度かもしれないと考え始めました。
公園横の側道の先に「かんな橋」があります。
その先の工事で道が塞がれていたので、左岸へ橋を渡りました。
地図で確認すると、公園に隣接するこの辺りが空白なので、ここも公園予定地なのかもしれません。
第二次世界大戦の頃、この橋の付近に水車小屋があって、周囲一面は田んぼだったそうです。
左岸の緩い坂を上り永福橋の横に出ると、帽子を被り、マスクを付けた少年の像を目にしました。
通常であれば初夏の頃、像にマスクを付ける人はいません。
コロナ蔓延時代ならではの光景です。
そんな像を横目に自転車を進めると、民家の塀に沿って、クリナムが花を咲かせていました。
クリナムは熱帯・亜熱帯原産の植物ですので、この辺りは冬も寒くないのかもしれません。
地球温暖化の影響でしょうか。それとも、東京のヒートアイランド現象でしょうか。
永高橋(えいこうばし)に着きました。
昔はこの橋の右岸に、2004年度に閉校した都立永福高校があって、永高橋は永福高校生の通学路でした。
この橋を過ぎると、神田川は大きく流れを北へと向きを変えます。
左岸のツタ茂る壁の中にマンション、右岸に戸建て住宅が並ぶ川辺の道を自転車も北へ進みました。
しばらく進むと、京王井の頭線のガード下を潜ります。
神田川は源流から井の頭線とほぼ並行に流れましたが、この後、神田川は北へ、井の頭線は南東方向へ進み、再び川と京王線が交わることはありません。
ガード下を潜り、井の頭通りに出ると、その先で河川改修工事が行われていました。
側道が通れないので、川と並走する左手の道へ迂回しました。
街角のヤグルマギクやナデシコが味気ない光景に彩を添えていました。
迂回路を進み過ぎて、弁天橋の手前でやっと、川辺の道に戻ることができました。
距離にして800m程、川から離れていました。
弁天橋の先へ進むと、小さな緑地が現れ、
石の上でカエルが腕を組み、空を見上げ、考えています。
「今夜の晩酌は発泡酒か缶酎ハイか、どっちにしよう」
緑地に黄色いユリが咲いて、カモが川面に波紋を描いていました。
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