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【書評】『人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか~スペイン サン・セバスチャンの奇跡』

2012年07月08日 | *スペイン語圏&語学の話♪*



“スペイン・バスク地方にある人口一八万人の小さな街、サン・セバスチャン。
いま、ここは世界中から美味しいものを求めて人が集まる「美食世界一の街」として知られる。
かつては高級保養地として知られたが、世界遺産などの観光資源もとくになかったため、この地を訪れる観光客は低迷していた。そんな街がなぜ、たった10年ほどで変われたのか。

その背景には、美食を売りに出す徹底した地域戦略があった。サン・セバスチャンでは、あたかもシリコンバレーがIT産業に特化したように、料理を知的産業として売り出そうとしているのだ。
製造業だけでは限界にきている日本の活路は観光業にある。そうしたなかで、世界を旅する高城剛が、いまもっとも注目する街が、ここサン・セバスチャンである。
日本が観光立国となるために、サン・セバスチャンに学ぶことが多くあるはずだ。”






“「三つ星レストラン」が3店「世界ベスト10レストラン」が2店―いま、世界中が注目する街。観光資源のない街が、たった10年で変われた理由。”



(上の2枚とも TSUYOSHI TAKASHIRO -BLOG-|honeyee.com Web Magazine


“ゆるキャラとB級グルメでは、世界の観光客は集まらない!”


“21世紀最大の産業は観光産業。自動車産業でもなく航空宇宙産業でもなく、雇用でも売上でも観光に匹敵する産業はない”


“一方的に海外から観光客を呼び込むのではなく、こちらから出向けば出向くほど観光客が増える”(海外に行った人そのものが、自国をアピールする営業と同じ)


“最近外国人観光客が減ったのは、日本人が海外旅行に行かなくなったから”


“世界一のレシピを公開した「エル・ブリ」”(=オープンマインド。皆で教え合うこと)


“世界初の料理学会の誕生”


“サッカー選手と並ぶスターになった料理人”


“街の成長に必要なのは、個人のパッション”


“「人前で車(の所有)が趣味だとは言うな」←お金を払えば誰もが出来ることだが、一方で、クラシック音楽や美術、歴史や文学はそれなりの知識や教養がないと出来ない。それが上流。”


“日本には信頼できる旅行ガイドがない”


“世界を知る。
そのうえで己を知る。身の丈を知る。
古いモノを守り、あたらしいモノを融合させ「今」を考える。
そして、オープンな姿勢で、多くの者とシェアしていく”


†††††††††††††††


この本の気になったところを上に抜粋してみました。

最近話題になったこの本とも共通点がある気がします。



まだこちらは読んでないのですが、機会があったら読んでみたいと思っています。


この本の著者、高城剛氏というとどうもエリカ様の旦那さん、という認識くらいしかなかったのですが(失礼w)、この本を読んでガラッと変わりました。

まず、文体が読みやすい。これだけですごいと思います。


あわせてもう1冊、こちらの本も買ったのですが。


こちらの本もおもしろかった!

こちらについては後日、書きたいと思います。



先日ご紹介した本田直之さんの本でも「身の丈を知る」と書かれていましたが、やはり日本にいればいるほど「身の丈を知る」ことから真逆の方に向かってしまうのかな…と思います。


さて、以下では、実際に私が北スペインに行った時のことを交え、いろいろ書いてみようと思います。




†††††††††††††††



先日ご紹介した本田直之氏の本をAmazonで見てたら、今回ご紹介する高城剛氏の本がオススメで出てきた事をキッカケに読んでみました。

だって、題材がスペイン、しかも日本ではあまり馴染みがないように思える北スペインはバスク自治州のサン・セバスチアン!

これは読まなくては!とワクワクしながら読みました。




サン・セバスチアンは、フランスともほんの15キロしか離れていない場所にあります。

スペインのほとんどが砂漠地帯であるのに対して、北スペインでは東京と同じくらいの降水量があることもあり、だからか、山などの景色も日本と非常に似ている場所も多いです。

そして、そこに住む人々の気質的なものや、彼らの料理なども。



私にとって、スペイン料理は世界で最も愛する料理です。

日本食以上に好きです。

スペインで1ヶ月強ホームステイをしていましたが、一度たりとも和食が恋しいとは思いませんでした。

特に今の季節、暑い暑い夏が近付くたびに、あのおいしいタパス、中でもイワシの酢漬け(日本でも出してくれるところはあるけどおいしさの度合いは100万倍違う!)、そして安いのにおいしいセルベッサ(ビール)……思い出しただけでも涎がいっぱい出てきちゃいます。



スペインに滞在中、いろいろな場所に行きましたが、どこのバルやレストランに入ってもハズレがまったくありませんでした!
(それにひきかえ、イタリアは(ry)


なかでも北スペインの料理は絶品!

世界のスペイン料理シェフのうち7割以上はここ、バスク地方の出身だとも聞いた事があります。

それは、この地方に古くからある、女性禁制・男子のみ入会できる『美食倶楽部』の存在が大きい、とも。

入会には少なくとも3年はかかるというその人気っぷり、そしてその中で交わされる、世界中を回った人々から繰り出される料理のアイデア、惜しげもなく振る舞われるその技術…だからこそ、一見ただのバルで出されるピンチョス(タパスのこと。バスク地方での呼び名)が、一流レストランにも負けないものが出てくるのです。


しかも、安い!

もちろん、めちゃうま!


スペインにハマる人たちの理由の1つは、そこにあると思います。




しかも、ノンブランドビールが1本、なんと0.17ユーロ!

今現在、1ユーロ約98円ですから、日本円にして1本約17円ですよ!? 水より断然安い!

しかもおいしい!


この安さの理由は、スペイン国内での酒税がめちゃくちゃ安いからです。

これはビール以外のお酒にも同じ事が言えます。


だからこそ、バルでビールがグラス1杯1~2ユーロ、しかもタパス付き!付けなくても同じ値段!(笑)となるので、日本人としては非常に感動してしまいます(^_^;A



さて、世界の食事情と言えば、70年代までは食の中心地と言えばフランス、80年代はイタリア、90年代後半からは日本食ブームが起こりました。

そして世界中の飲食関係者の中で今後さらに台頭するだろうと言われているのが、このスペイン料理です。


飲食業界で最も影響があるとされるイギリスの「レストラン」誌の中で、飲食関係者の投票だけで選ぶ「世界のベストレストラン50」のトップ10のうち、多くがスペインレストランもしくは著名なスペインレストランで働いた事のあるシェフなのだとか。

さらに、なんとそのトップ10のうち2軒が、この小さな街サン・セバスチアンにあるのです!



(本誌より)


さて、上記ランキングを見てお気づきの方も多いと思いますが、トップ1に輝いているのがレストランがなんと我が心のふるさと(笑)、デンマークにある『noma』です。

残念ながらこちらのお店には行った事がないのですが、今度デンマークに行く機会があったらぜひ行ってみたいなぁと思います。

デンマークでは厳格に昔からの伝統料理にこだわっているところがあり、例えばクリスマスの時なんて食べるものも決まっているのでどの家庭に行っても同じものばかりがでてきて正直飽きる困るのですが、その反面、若いシェフが少しずつ新しいものを取り入れていく風潮が出てきています。

なんといってもヴァイキングの末裔たちですから、世界中を旅するのはお手の物、新しい、目新しいものだとしても一度自分の手にしたら離しません(笑)

デンマークの新しい美術館に必ず併設されているミュージアムレストランなどは軒並みそんな雰囲気でした。

また、若かりし頃のスティーブ・ジョブズ氏も行ったのではないかと密かに思っているヒッピーの聖地(?)のようなクリスチャニア地区の中にある某建物の2階にあるレストランが本当はデンマーク1おいしいレストランと地元に住む人の話として聞いた事がありますが、そういう特殊な地区なのでガイドブックには載せられないため、一部の常連さんもしくはクリスチャニアマニアみたいな人しか行かないらしいく、でもお店はすごく混んでいた思い出があります。本当においしかった!

Julefest i CHRISTIANIA !? - *begejstring for DANMARK*


デンマークにスペイン……私の、おいしいものに対する先見の明といったら!(爆)



閑話休題。



実は、私はサン・セバスチアンには行った事がありません(笑)

本当は行くつもりでいたのですが、なんと前日にテロ組織ETA(バスク祖国と自由)がその地で爆弾テロを起こし、なので念のため行くのを止めました。

でも、昨年この組織はやっと解散されたのだとか。良かった!ε-(´▽`) ホッ


……とはいえ、近くの街までは行ってるのであまり意味はなかったかもですがw



バスク自治州で一番大きい都市はビルバオです。

ビルバオ - Wikipedia



サン・セバスチアンからは80キロほど西に行ったところにある都市です。

サッカー好きの人ならご存知では?


もしくは、美術館好きの方ならば。




Museo Guggenheim Bilbao


なぜなら、グッゲンハイム・ビルバオ美術館があるからです!


本書でもこの美術館の事がとりあげられています。

“たった1つの美術館がビルバオを変えた”という小見出しが付けられているほどです。

この美術館は年間100万人ほどが訪れる一大観光地となり、その建築費をわずか3年で回収視野ほどだそうです。

すごい、としか言いようがありません。




実は、私はここに行くためにスペインに行ったといっても過言ではないのです!(,,・`_´・)、キリッ


建築家フランク・ゲーリーの奇抜な作品、大好きなんです♥


そしてさらには、ここの美術館の中にあるレストランも、予約がなかなかとれないほど人気のところなのだとか☆





写真ボケボケですいませんが、バルも併設されていてここで食べたこのトルティージャ(スペインオムレツ)をパンで挟んだものは絶品!で、この味を超えたものは未だお目にかかっておりません。

この時にレストランの予約も直接行い、ちょうど空きがあったという事で夜に出直して行ってきました。

その飾り付けも含め、懐石料理に似たところもあり、バスクと日本の質の近さをさらに感じた時でもありました。




また、ここビルバオで生まれて初めて飲んだのがモヒート!

おいしかったなぁ♪

ミント大嫌いだったのですが、炎天下の中、街中を歩き回ってあまりにも暑くて喉が渇いた身体にこの場所で飲んだモヒートがすごく美味しくて世界観が変わりました。

ちなみに、ここではグラニュー糖がじゃりじゃり入ってるバージョンのもの。キューバのお祭りのテントの中で飲みました。

それからはビルバオでの思い出を胸に、夏に必ず作って飲むようになりました。


ビルバオは大好きな土地なので、また行ってみたいと思う場所です。



そしてその他に、一口に北スペインといっても非常に奥深い、そして歴史のある場所でもあります。





中でもサンティリャーナ・デル・マル近郊にあるアルタ・ミラ洞窟などは世界的にも非常に有名で、日本ではあまり名前は知られていないかもしれませんが、それでも何かとテレビでも取り上げられています。

約18,000年 - 10,000年前の旧石器時代末期に描かれた野牛、イノシシ、馬、トナカイなどの動物を中心とする壁画なのですが、そんな昔のものなのにも関わらず“遠近法”が使われていたりと、美術的にも非常に優れた作品です。

…が、いかんせん行くのに非常にめんどくさい場所にあるので、日本人は皆無でしたけどね…(;´Д`)

上記写真はアルタミラ美術館です。

夏休み期間中だったからかもしれませんが、それでもすごい行列ができていてびっくりしたのを覚えています。




風光明媚な場所にあります。




この牛や手の絵なら、どこかで見た覚えがある人も多いのでは?




皇太子徳仁親王陛下も訪れています。




この場所に行く途中のバルで注文したチョコラータと揚げたてのチュロスはもうおいしくておいしくて…・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・

日本では残念ながらこのおいしさは味わえませんが、似たようなものを探し出して、それをお家で楽しんでいます。


これはイタリア産のチョコラータですが、とろとろした雰囲気とか味も結構そっくり!

これに、少し固めにオーブントースターで焼いたバゲットをつけて食べます(チュロスを作るのめんどいw)。

オススメです!





ガウディ建築 エル・カプリチョ@COMMILLAS - (^・^) ベルギー滞在ドタバタ日記 (^・^) - Yahoo!ブログ


ビルバオからさらに80キロほど西に行ったところにあるのがコミージャス

ここでは何と言っても、あの奇才ガウディが設計した『ひまわりの家』!




壁に貼っているタイルはひまわりだらけ!

これを見るためだけに行っても良いと思います。

……相変わらず、日本人の姿はなかったですけどね(;^ω^)

機会がありましたらぜひ!



……と、ただの旅行記のようになってしまいましたが、あまり日本人の方が行かない方面であることもあり、また熱く書いてしまいましたw


でもとにかく、この『人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか』はどんな人でも読んでほしいと思える本でした。

ぜひ、読んでみてくださいね!



†††††††††††††††


北スペイン以外の場所もほぼ毎週末、エスクルシオン(英語だとエクスカージョン。小旅行・遠足、の意)で地元の旅行会社で予約して地元の人たちの混じって有名な観光地に出かけたりしていたのですが(しかも1人でw 一匹狼気質はどこに行っても抜けないなりw)、それでも北スペインはそれら以上に印象深い土地で今でも強烈によく覚えています。

…かえって、バルセロナとかの超有名な観光地では観光をほとんどしていないので、サクラダファミリア観てません(爆)

だって、そういう場所ならば普通のツアーでも来れるかなぁと思って。

なのでツアーに組み込まれないような場所ばかりに行ってましたw

(デンマークに行った時も、人魚姫の像のすぐ近くにあるアパートメントに結構長く滞在していたにも関わらず、結局見に行かなかったという…)




また、ホームステイしたいなぁ…向こうの語学学校、めちゃ楽しかったからまた行きたい!




エスクルシオンで同じバスに乗った彼らと。

偶然、同じ語学学校だったこともありご飯一緒に食べたりぐるぐる街を回ったりしました。




学校の近くのバルで休憩時間中に。

みんな気さくで良い人ばかりでした!




【お詫び】

今回の記事に使っている写真、全体的に色あせており、またボケ気味ですいません(^_^;A

実はデータがなくなってしまい、アルバム写真を直接iPhoneで撮影したものを使用しています。

さらに、北スペインに行った時にそれまで使っていたコンデジが突然壊れてしまい、当時まだまだ画素数が荒かったvodafoneの携帯電話での撮影になってしまったので二重に見にくい写真となっております><







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