音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

社会脱落 と 人間の基本的要求

2012年04月25日 | 日常雑感
非行、引きこもり、出社拒否など学校や社会からの脱落を起こす人達は多い。

複雑な人間関係とストレスの多い現代では、誰がその当事者になってもおかしくはない。

その大きな原因は、人間の基本的要求が、その社会なり制度の中で実現されているかどうかであるとされている。

人間の基本的要求には二つある。

一つは、「愛され、愛する要求」

もう一つは、「するだけの価値のあることと信ずる何事かをなすことを求める要求」

社会からの脱落、落伍はこの二つの基本的要求が充足されないことから起こるとされている。

ことに二番目の基本的要求となると、その人の持つ価値観により大きく左右されることになる。

例えば企業利益を優先するのか、何よりも人間の尊厳と生命倫理を優先するかで正反対のものになる。

一般的に人間の良心・心情といったものは人間の尊厳と生命倫理の尊重を当然のことと考える。

一方、企業経営者・既得権益を持つものは企業利益を優先する。

こういった社会では、労働者側は自身の基本的要求と経営者側の要求との間に分裂を起こすことになる。

現代はとかく、マモニズム・金崇拝の面が強く、人間本来の基本的要求に人間自身が引き裂かれながら、あるいは分裂しながら生きている様相も無いではない。

若者達の労働意欲の低下、就業拒否、引きこもり、麻薬・薬物乱用の多発・・・など、根底にはこういった基本的要求が充たされないという現実があるように思える。

カウンセリンングの現実療法の提唱者である、W.グラッサーは積極的耽溺を提唱している。

すなわち、熱中できるものを見出させて、力を得させることを提唱している。

そこでは個人個人が尊厳で独自な価値の可能性を持っていると考えられ、人間として尊重されていることが体験されなくてはならない。

これからの社会ではますます仕事の画一化が進み、社会脱落者も増えることが予想される。

そうした社会で重要性をますのは、人間の尊厳の理念と生命倫理であろうと思われる。

そのためには何が必要か。それは教育、なかんずく生涯教育であろうと思う。


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