遂に念願の時間が来る
この時間を得るために長い距離を旅して来た
いくつものアクシデントを乗り越えてねww
ババの姿が遠くに見える
あのアフロヘヤーで
小柄で
ちょっとお腹が出てて
オレンジ色の丈の長いクルタを着て
右手を小さく振りながら
ゆっくり歩いてくる
圧倒的な存在感だった
そんなババを見て
なんだろう
今まで感じたことのない
気持ちになった
とても穏やかな気分であり
でも、涙があふれそうになった
こんな体験は…後にも先にもこの時だ
そして、気がついたら
手を合わせてた
ババは
歩いている途中
信者からの手紙など受け取り
笑みを浮かべながら俺に近づいてくる
もし、俺がインドに呼ばれて
ここまで来たんだとしたら
ババに手招きされ
別の場所でババと接見できるはず
でも
何事もそう上手くいくわけがない
初日は目が合うこともなく
静かに俺の前を通り過ぎて行った
しかし
実際の姿を「見ることができた」
この「時間を空間を共有できた」
その事に高揚した
数名が手招きされ、スタッフに促されながら
別の場所に移動していくのも見える
正直、羨ましかったね
でも、こんな気持ちのあるうちは呼ばれないな…
とも、思ってた
サイババが1周して姿が見えなくなると
信者たちが静かにバジャンの会場を後にしていく
俺はしばらく動けなかった
あらかたいなくなった頃
名残惜しい感じで立ち上がった
まだ初日
この素敵な時間を何日も共有できる歓びに包まれた
そして
幸せな気分で会場を後にしたのさ
スーパーパントマイムシアターSOUKI
江ノ上陽一