『おばあちゃんの失敗』
出演:新関祐子
後片付けも終わり、ライブ29すべて終了~!。
SOUKIの本拠地田原町スタジオaRt/Pitを劇場に変身させて開催する「田原町ライブ」は
出来る事は自分達で!という手作りの公演です。
パフォーマーとして自分の作品と向かい合いながら、お客様の動員や事務的な作業、
他のメンバーの作品のお手伝い、当日の劇場空間を作る、お客様をお迎えする作業、
そして後片付けなどなど・・・・やること満載なのです。
ライブならではの、様々な事も起こります。
今回は、いつも本番には数人のお手伝いの方に入って頂いていますが、
偶然というか間が悪かったというか、皆さん都合がつかず、ナント、
メンバーだけで本番を乗り切りました。
私はだんだんと身体が思うように動かなくなり、戦力にならなくなってきていますが、
他のメンバーひとりひとりが、自分のやるべき事をやり、やれることには惜しみなく力を出し、
お客様に充分楽しんで頂けたこと、全作品をを無事に上演し、そして終演出来たことは
ライブ公演を10年以上も続けてきた成果だと思います。
さて、今回の私の作品のテーマは2つ。
1、江ノ上さんから頂いた「オレオレ詐欺」でソロ作品を創る。
私はゼロから創作することが出来ないので江ノ上さんからテーマと作品の流れを貰い、
各シーンを自分で考えて創り、江ノ上さんに直して頂くというやり方で作品を仕上げていきます。
音楽も私は全くダメなので、すべて江ノ上さんチョイスです。
私はただ、ただ、役作りに没頭です。
2、パントマイムテクニックで観せる(魅せる)
これは、ここ2~3回出演した公演での反省やレッスンで度々江ノ上さんから注意を受けたり、
自分でも感じているところで「感情表現に集中すると、テクニックがおざなりになる」
テクニックで見えないものを お客様に見せるテクニックがきちんと成立していなければ、
パントマイムの作品とは言えなくなってしまう訳で・・・
今回は感情表現の中のテクニックがおざなりにならないように拘って稽古をしました。
作品は
老後を楽しく過ごしているおばあちゃん
「オレオレ詐欺」に引っ掛り、
家族に責められ「孫を助けたかっただけなのに。こんなに怒らなくても」と悔しい思いをし、
騙された自分に腹を立て、
犯人に対し「年寄りだと思ってバカにして」と怒る。
そして、自分が「オレオレ詐欺」をやることを思いつき実行しお金を手に入れる。
最後は警察官を振り切って逃げる。
という構成。
実際の稽古は ここ1~2年は「短期集中型」&「継続は力なり」。
作品の流れが出来てからは毎日必ず1時間、
そして表情の稽古は家で鏡とにらっめっこを顔が疲れるまでと決めて
作品を仕上げていきました。
江ノ上さんとのリハ―サルは全部で4回。
演出家とのリハ―サルは1回1回が真剣勝負。
毎回、「1度出されたダメ出しは2度は貰わない」と心に決めリハ―サルに臨みました。
本番終演後に、お客様から「お団子おいしそうだった」とか、「もっと観ていたかった」
「観ているだけで元気になった」など嬉しい感想を頂きました。
今回のライブの稽古では 根岸さんの代役でスマイリーの蝶々や中里の代役で金子さんの早替え、
「HumanWork」で江ノ上さんの代役をやりました。本番では参加しないのですが、
稽古を通して多少なりとも作品作りに参加するのは嬉しく、楽しいことでした。
「HumanWork」は韓国公演の稽古中から江ノ上さんが演出をする際の代役、
当初ライブでは私も作品に参加する?というウワサもあり、一生懸命代役をさせて頂きました。
ひとつひとつの作品が汗💦と涙( ;∀;)と情熱で仕上がっていく様を間近で見ていると、
いつしか自分の作品と同様になり、ライブ上演作品全部がいとおしい作品となりました。
次回の田原町ライブ!はなんと30回目。
この素晴らしい環境を維持している江ノ上さんに感謝しつつ、
パントマイムに寄せる情熱と演出力には脱帽でございます。
皆様、次回もお楽しみに!
(c) Masami Gan Iwafune