『Human Work』
出演:江ノ上陽一、中里綾子、みおり♥スマイリー、餡子R★CK、小坂部耀佑
この作品は韓国でのフェスのために作ったのさ。
観客が日本人ではないからね、
このことを意識して作ったのは言うまでもない。
創作の狙いは…
◯視覚的な面白さの具現化
パネルを不規則に移動させ、動かすスピードの強弱で不思議な感覚のなか
出演者が入れ替わり現れる。
見える、隠れる、このタイミングの妙にて、
人が視覚的な快感を得られるように創作した。
◯共感される現代の危機意識
AIが進化し、人間の仕事がどんどんAIに奪われ、結果、我々は今まで「モノ」がしていた
仕事を担当することになる。それは知性も感情も人間の持ち合わせている全機能、
何もかも必要としない仕事なのだ。この危機意識をこの作品で提示したかった。
だから『HumanWork」と、かなり皮肉を込めてこの作品名としたんだ。
◯音楽
各シーンにあった普遍的な曲をチョイスするようにした。
同じ時代を生きてる同胞なら、流れる曲から受けるイメージの共有は難しくはない。
しかし、今回はそうはいかない。
なので、必然的にクラシカルなものが多くなったね。
そして
鍛えられた身体だからこそ体現できるパントマイムテクニック。
これはSOUKIと名乗っている以上、必要不可欠な要素。
「こりゃ鍛えてなけりゃ無理だな」と言わしめるということ。
生半可な身体では絶対にパフォーマンスはしないという哲学。
創っていて思ったんだ。
言語を必要とせず、身体のみで観客に物語を伝えていく芸術がパントマイム。
だからこそ、人としての全機能をフルに発揮しなければ成立しない。
パントマイムこそ「Human Work」だってね。
だからこそ、パントマイムの魅力をもっと発信していかねばならないね。
マニュアル化されたこの世界(現代)の限界は見えてきてる。
人間は、人間の本来持ち得る機能を再び想い起こさなければならないんじゃないかな。
頭だけではなく、心だけでもなく、人間のすべて…をね。
スーパーパントマイムシアターSOUKI
江ノ上陽一
(c) Masami Gan Iwafune