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火狩りの王/日向理恵子を読んだ

2023-09-03 | 
WOWOWオリジナルアニメにもなっているらしい。

この本は、仕事関連の知り合いが上橋菜穂子氏の著書が好きならこれも好きそうだからと教えてくれた。

児童文学は「あなたの生まれた世界にはこんな大変なこともあるけど希望もあるよ」が基本なので大概は読後感が良くて好きなのよね。

火狩りの王(ひかりのおう)の世界観は人類最終戦争後の世界。

この時代の人間は、人類最終戦争の影響でそばで天然の火が燃焼すると、 内側から発火して燃え上がってしまう。

大地は炎魔と呼ばれる化物が闊歩する黒い森におおわれ、人々は結界に守られた土地(村)で細々と暮らしていた。
人が安全に使用できる唯一の〈火〉は、森に棲む炎魔から採れ、これらの火を狩ることを生業とするのが火狩り(ひかり)と呼ばれる者である。
禁じられた森に入って炎魔に襲われたところを、とある火狩りに助けられた灯子(とうこ)はその火狩りの形見を返す(という文化がある)ために首都に旅立つ。

その最中、様々な事件や悲劇に遭遇し、灯子はいつしか火狩りや首都の人間、神族の争いに巻き込まれていく。

という話。

お話は、
灯子(とうこ)11歳
煌四(こうし)15歳
の視点が入り混じって進む。

あと
設定がかなり複雑なので世界観を理解するのに難儀した。

児童文学には珍しく、終焉の読後感は「ハッピーエンド、読後感スッキリ」タイプではない。

主人公が死んだりする某ミステリーみたいなことはないが、
ちゃんと死んだ者は戻らないし
あっけなくたくさんの人が死ぬし
お互いの派閥の利害は一致しないまま
なんとなく結果が収束していくような
ちゃんと現実に即した感じの読後感になっている。

それでも人は生きてくんだよね、みたいな。

世界観が難しくて
現実よりややグルーミーな感じで
上橋菜穂子さんのような世界を愛している感じの雰囲気はあまり感じなかったけど、単純な感じにならないのは珍しくて良かった。