里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イソノキ 赤~黒紫色の実

2024-02-26 | 日記

二年前の夏、一関市花泉町の耕作放棄田脇のぬかるむ農道を歩いている際に、林際の低木
に赤い実が生っているのを見つけました。赤い実が多いものの中には黒紫色の実もあ
るの
で、秋には全て黒紫色に熟すのではないでしょうか。

実の付き方や葉の形がモチノキ科の木のように見えるものの、樹木図鑑をめくっても似た
ものが見つかりません。それで記事にまとめることができず、保留にしていたものです。

クロガネモチについて調べていると『美しい実をつける木々』という記事があって、クロ
ガネモチも載っていますが、他にも様々な木が載っていて、中に「イソノキ」という名前
があります。初めて見る名前なのでどんな木かと検索してみると、二年前から素性が判ら
ずに保留にしていた木によく似ています。
「葉の表面にやや光沢があり、側脈は6~10対で裏面に隆起する。」
「果実はほぼ球形で直径6mmほど、赤から黒紫色に熟す。」などの特徴も合致します。

                                 二枚とも2022.8.7撮影

分布域や自生地を調べると「本州〜九州の山野の湿地に生える」とあり、自生環境も合致
するので、イソノキで間違いないでしょう。
名の由来ははっきりしないものの、植物学者の牧野富太郎博士は「水辺に生えているので、
池畔を磯になぞらえて名付けたのであろうか。」と解釈しているようです。

葉は互生するか、2枚ずつ互生するコクサギ型葉序(右右、左左、右右と付く)とあるが、
そのことを知らなかったので判りやすい写真が撮れていません。
再度訪れて、観察・撮影しなければなりませんね。

                                 二枚とも2022.8.7撮影

クロウメモドキ科クロウメモドキ属の落葉広葉樹で、樹高2~4mの低木。
本州〜九州に分布する。山野の池畔や湿地、湿り気の多い林縁などに生える。
樹皮は灰褐色。縦に浅く裂け、淡褐色の皮目が並ぶ。よく分枝し、本年枝は赤褐色。
はじめ褐色の伏毛に覆われるが、のち無毛。
葉は互生する。葉身は長楕円形で長さ6〜12cm、先端は短く尖り、基部は円形~鈍形。
縁には細かい鋸歯がある。側脈は6〜10対で裏面に隆起する。葉表にはやや光沢がある。
裏面脈上にはじめ毛がある。葉柄は長さ5〜10mm。
花期は6〜7月、花は両性。枝の上部の葉腋に集散花序をだし、黄緑色の花をつける。
花の直径は5mmほど。花弁と萼片はそれぞれ5個。萼片は直立し、花弁より大きい。
花柱は浅く3裂する。
果実は核果。直径6mmの倒卵状球形、赤色から黒紫色に熟す。
核は長さ4〜6mmの卵形。



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