里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヒナウチワカエデ 希少種

2017-03-23 | 日記
石巻市北上町十三浜地区の、相川集落から小室集落まで山越えで行き、
帰りは車道を歩いて周回しました。
11月に入ってからは適度に雨が降るので、晩秋のキノコが出たのでは ? と期待して
山を越えたのですが、全く見られませんでした。
10月が極めて少雨でしたから、それでキノコがへそを曲げたのでしょうね。

広くなだらかな尾根を上って行くと、木洩れ日を受けた小さなカエデが、明るい星形の
ように浮き上がって見えます。葉の形はハウチワカエデに似ていますが、随分と小さい
のでコハウチワカエデでしょうか。
周囲の梢を見上げるとコハウチワカエデも見られますからね。


                                2015.11.13撮影

自宅に帰ってから、パソコンに撮影画像を取り込んで整理していると、葉の切れ込み
が深いことに気付きました。
これはコハウチワカエデの変種なのか、或いはこのような種があるのか ?
幾つかの樹木図鑑をめくってみましたが、載っていません。

「そうだ、紅葉ハンドブックという携帯本があったはずだ。」
ページをめくっているとありました。「ヒナウチワカエデ」、これで間違いないでしょう。
ここには概略しか記されていないので、詳細はネット検索で調べるしかありません。
ネットの記事では分布域が福島県以南とあり、その福島県や近畿地方の府県では
絶滅危惧種に指定されているようですから、かなり希少なカエデと思われます。


                                2015.11.13撮影

カエデ科カエデ属の落葉広葉樹で、樹高5~10mの小高木。
福島県以南の本州~九州に分布し、日当たりの良い山地の谷筋などに自生する。
撮影地は標高200mほどのなだらかな尾根上。
樹皮は暗灰色、縦に浅く割れる。
葉は対生し、葉身は円形で直径4~7cm、掌状に9~11深裂し、切れ込みの最深部に
隙間がある。裂片は先端が鋭く尖り、縁には欠刻状の重鋸歯がある。
基部は心形、葉柄は無毛で長さ3~5cm。葉質は薄く、秋には淡橙色に紅葉する。
花期は4~5月で、一つの花序に雄花と両性花が混生する。花の直径は5mmほど。
果実は翼果で、分果の長さは2cmほどで鈍角に開く。


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