climb会10回
万葉岬 2016.01.16
瀬戸内海が東西180度展望でき、淡路島から家島諸島、牛窓に至る万葉故地を背景に、
眼前に山部赤人の船旅望郷の歌の舞台、辛荷の島、室の浦、鳴島等が千数百年前の風光をとどめて万葉のこころを伝えています。
2CELLOS - Moon River [OFFICIAL VIDEO]
万葉の歌人、山部赤人らが詠ったという万葉の岬、金ヶ崎。辛荷の島や室の浦、鳴島など、平安時代の風光をとどめています。
相生湾口の東端、金ケ崎に立つと、180度の視界が広がり明石海峡から牛窓まで見渡せる岬には歌碑が3つあります。
(万葉岬の山部赤人歌碑)
縄の浦ゆ 背向に見ゆる 沖つ島 こぎ廻る舟は 釣しすらしも
(山部赤人 万葉集巻3-357)
『室の浦の 瀬戸の崎なる 鳴島(なきしま)の 磯越す波に 濡れにけるかも
(室の浦の潮流が速い海峡にある鳴島[金ヶ崎のすぐ南にある現在君島と呼ばれている島]の磯を越す波に濡れてしまったことよ)』
鳴島(岸島)
江戸時代から、「鳴島」は「ナキシマ」とか「ナルシマ」と呼ばれていました。
また、「鳴島」は「屍島」ともいわれていました。それは、室津の遊女が投身し、その屍がこの島に打上げられ、
またその髢は相生湾口の鬘島に上がったという伝説によります。
往昔、夜間にここを通る漁師は、「遊女の忍び泣くような声を櫓の音に交じって聞いた」という話も伝えられています。
「ナキシマ」の名は、古代舟行する旅人の悲哀や、伝説の人が哀しび嘆くという意味があります。
「ナルシマ」の名は、潮流の速さとか、島自体がオトを発するという意味があります。
郷土史家の松岡秀夫は、この島に上がり、「頂上を踏むと、中に空洞があるかのようにドンドンと大きく響く音がする」と報告しています。
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