トーマス・マン“魔の山” (3) 死への共感
ショーシャ夫人は、ハンスを置いて突然山を去ってしまう。
代わりに登場するのがイエズス会士にして、テロリズムをも容認する過激な革命主義者ナフタだ。
ナフタとセテムブリーニはことあるごとに激しく論争し、ハンスも巻き込まれる。
二つの思想の間で葛藤し続けるハンスをよそに、従兄のヨーアヒムは従軍することを決意して下山する。
残されたハンスは、雪山で遭難しかける中、生と死は決して切り離すことはできないこと、
生をこそ尊重しなければならないことを悟る。
だが、生還後、すっかりとその記憶を失うのだった。
第3回は、様々な価値観のあいだで揺れ動きながらも、
「生と死」の問題に真摯に向き合おうとするハンスの姿を通して、「生きること」の意味を考える。
HAUSER - Intermezzo from Cavalleria Rusticana
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