第16回goodシネマ予告 旅情2013.04.27
たぶん、40数年振りでしょうか、NHK BS11で、この映画を観て、感動してしまいました。恐らく、青春時代に感じたとは全く異なる、種類と強度の感動です。
ヒロインのジェーンを演じたキャサリン・ヘプバーンは、5年半前に96歳の天寿を全うしました。
「ベニスの夏の日 Summertime In Venice~旅情、Summertime~」
この映画を撮影が完了したのは、1955年。朝鮮戦争が静まったものの、東西の冷戦が風雲急を告げて近付いていた時代で、
西欧の英仏から見れば、成り上がりの米国から、次々と金持ちの旅行者がやって来るのです。
彼女は既に47,8歳ながら、10歳若い38歳のジェーンに扮しました。彼女の見た目は、ヤンキー女性そのものであって、本物も、気性が相当に強かったようです。
にもかかわらず、この作品を通して、ジェーンは、何と夢を見、時を駆ける少女のような、愛すべきハイミス女性を、見事に演じ切っていました。
このような演技力なのに、どうしてアカデミーに輝けなかったのか不思議です。当時を調べてみますと、
1953年 オードリー・ヘプバーン「ローマの休日」
1954年 グレース・ケリー「喝采」
1955年 アンナ・マニャーニ「バラの刺青」
1956年 イングリッド・バーグマン「追想」
といった欧風の容貌が続いて受賞していました。そんな時代の求めがあったのかな、と思います。
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